紫草(日本ムラサキ)の記

日本ムラサキの紫根は輸入品に頼っています。薬用また、染料として国産紫根の生産普及、流通を期待しています。

紫根エキス(秘法)

2017-08-29 19:19:54 | ムラサキの栽培
「ムラサキの自家栽培は染料と薬用を期しての栽培である」
染料としての魅力で栽培を始めたが、薬用として一般的に有名になったのを聞き及んで、シコンエキスを作って使ってみた。作り方はネットで調べて、煮出す事で作れる事を知る。
薬用土瓶を購入して、数ヶ月置きに少量作っては使用している。

当初、エキスと言う印象とは見栄えの違う物が出来た。それでも原因不明のカユミ等にはとても効果があった。
足の脛などの小さなカユミは、知らず知らずの内に何度も掻き重ねて大きくなって困っていた。

エキスと言う言葉には透明性の響きがあるが、収穫して乾燥させた紫根からは透明なエキスを抽出できない。
もし、シコンエキスとして紫色を想像しているならば、それは色素として別の物を添加してあると考えて良いであろう。素人が自家用に作るシコンエキスでは黒味を帯びた液体となる。染料としてのシコニンの酸化作用と思われる。その後、現在では一案を講じて、黒味のないシコンエキスを作って愛用している。

製薬専門メーカーでは、シコンエキスの抽出方法も当然異なると思われる故、比較は出来ない。


種明かしは、簡単な事である。紫根の表面は染料となるシコニンがある。それをカットして白味の根の内部のみを取り出すのである。太い根でないと、此の作業は出来ない。

2年物の紫を収穫する。3本立ちの生育で、高温、多雨の中収穫が急がれた。
3本立ちは秋苗からの栽培でないと有り得ない。




株元は1.5cm を越えているので、切って内部を確認する。エキス用の部位を切り出す事が出来そうである。


2cm 程の長さにカットしていく。外皮が黒ずんでいるのは収穫時期が遅れたためである。種の収穫も期待していた故で、根には高温、多湿でぎりぎりの収穫時期であった。


太めの根の表皮を削り落として、白味の紫根を切り出す。
カットした表面の皮は染料部位と一緒にして選別する。



紫根カット、選別を終える。赤みのある根が今春から生育した根で黒くなっている根は昨年からの根である。ケースに入れた白い根の部位は紫根エキス用である。その削りくずと細い根が染料となる。ともに冷凍庫で保存する。


この紫根は長いが太さが0.5cm 程で染料としては申し分ない。1.0cm 以上の太さがないと透明エキス用の部位を切り出す事は無理である。


秋苗から育てていくと翌年には太い株が期待出来るが、収穫時期を間違えると期待の紫根の収穫が台無しとなるので要注意だ。
シコンエキスに月桃エキスを添加すると効能は倍加する。沖縄では月桃(げっとう)と呼び、白い花の咲くその大きな葉を煎じて「うがい薬」として殺菌効果のある家庭薬で密かに知られている。

   「ひそかにも つくりしくすり よにあかし」




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