2008年9月に香港で放映され、大陸でも人気があったドラマで
「珠光宝气」、
というのがあります。
お話としては、性格の異なる3姉妹が、それぞれ結婚離婚をし、また再婚をする。長女の2番目の旦那は株のインサイダー取引等で成功したちょっとヤクザッぽい金持ち。3女は最初も実業家と結婚したが、旦那が事業失敗後に彼女に負債を負わせて台湾に逃げた。その後、彼女は李カシンを思わせる香港第一のお金持ちと再婚。次女は一番まともそうで、最初の結婚に失敗後、次女が嫁いだお金持ちの息子と結婚(この息子も投資事業をメインにしていますが、モバイル系にからんだり、リーカシンの息子を髣髴させます。
香港の実業界とその成功者たちの暮らしを描いているんですが、相変わらず人間関係はどろどろ。商売の世界での裏切り、騙しあいは当たり前で、家族関係の中でもだましあいや、お互いに罠にはめ様としています。
香港らしいのですが、実業で成功している人たちは株のインサイダーは当たり前、そして不動産の開発がメインの収益。青島や上海での投資案件、タイやフィリピン等も出てきて華僑社会のネットワークの広さをうかがわせる物があります。中々日本企業でこういう形態の事業展開は無いですよね。それに株と不動産に関しては香港市場の内情を表していると思わされます。実際に今だにインサイダーなんて当たり前なんじゃないでしょうか、捕まった奴が運が悪い。
「商売は戦場と同じ」という言葉が何度か出てきましたが、さすが香港と言うべきか、中国のビジネスとはそういう捉え方をしなければならないと言うべきか。
最終的には、3姉妹の母親がアルツハイマーになる前に自分で撮影した「私たちは同じ家族なのよ」というビデオをみて3姉妹の争いの和解に繋がるのですけど、歴史物に拘らず、こういう商売の世界の醜さ、激しさを露骨に出すドラマは日本には余り無いですね。日本だと戦国時代で、織田信長や上杉謙信、伊達政宗の兄弟の葛藤や武田信玄の親の追放などがテーマになりますけど、まあ正義を振りかざすストーリーになりますよね。でも、香港では、単純に2女の旦那が嫌いだから3女(2女の旦那の親父の妻)が2女の旦那を落としいれようとあれこれかくさくする。3女のボーイフレンドも、気に入らない奴を徹底的に叩こうとする。そういう人間模様の中に善人役も出てくるんですが不幸な結末が待っている。
全86話かな?かなり長いのですけど、ドラマそのものも面白いのですが、色々考えさせられました。日本の定義で言う善人が勝つんじゃないんです。どんなに酷い奴でも勝てば官軍。負けた奴は徹底的に打ちのめす。負けた側はなんとか復讐しようとする。人間の本性丸出しで、儒教精神、武士道精神なんてかけらもみられません。そしてそういうドラマや登場人物に対して、多分日本人ほど批判的な見方はしない。正義を振りかざして負ける人間は、中国人の感覚では「頭悪い」となるようです。
そういえば、中国通ならご存知の、宋の時代の岳飛という英雄(忠君愛国を刺青し、南宋を攻撃する金と言う国と戦い何度も勝った将軍)も、相応の評価をされて愛国主義の偶像に祭られる反面、あの人は日宇とは良いけど頭は悪かったという言葉を聴くこともあります。
また、面白いのはこのドラマの3姉妹の父親が働き、2女も仕事をした「マーベル」という実際にある香港ブランドがわりと中心におかれている事です。会社も協賛しているんじゃないかと思いますけど、かなり知名度は上げたんじゃないですかね?たまたま、結婚前にはお金が無かったので、ここの指輪買って妻にあげたんですよね。
日本企業にとって有効かどうかは知りませんが、多くの中国の若い人たちは、中国大陸のドラマでなく、香港のドラマを好むようです。台湾や韓国ドラマはだらだら長いようで日本もそうでしょうがおばさん層に受けている。そう考えると、香港のドラマの中に自社ブランドを紹介されるように動く事が、大陸市場を見据えたプロモーションとして有効なのかもしれないと感じます。おばさん、金持ち少ないですから。中国製コンテンツは確かに見ても面白くないのが多いんですね、昨年ヒットした「間諜」というスパイ物はかなり受けていましたけど、どうしても政府が絡んでしまうので表現に制限があるのかもしれません。
香港でのテレビ広告費がどうなのか、調べる必要はありますね。コンテンツじゃ金は取れません。でもコンテンツを通してブランディングを図る。もちろん、ヒットしないと駄目ですが、出演者見るとヒットしそうなコンテンツってかなり限定されそうなんですね。ターゲットは絞りやすいと思います。
それにしても、香港ドラマって宮中物、ビジネス物、それ以外は警察物とか色々見ていますが、特に善者を幾つか見てみると、昔々、ヤオハンの和田会長の「香港に朋友がいるからどうのこうの」という発言が以下に馬鹿臭いか良く分かります。
価値観が日本と違いすぎます。それこそ、日本の戦国時代の感覚(裏切りが当たり前、家族ですら完全な信頼は置かない、恐怖政治)が中国ビジネスじゃ必要なんじゃないでしょうかね?アナクロですけど。。。。
「珠光宝气」、
というのがあります。
お話としては、性格の異なる3姉妹が、それぞれ結婚離婚をし、また再婚をする。長女の2番目の旦那は株のインサイダー取引等で成功したちょっとヤクザッぽい金持ち。3女は最初も実業家と結婚したが、旦那が事業失敗後に彼女に負債を負わせて台湾に逃げた。その後、彼女は李カシンを思わせる香港第一のお金持ちと再婚。次女は一番まともそうで、最初の結婚に失敗後、次女が嫁いだお金持ちの息子と結婚(この息子も投資事業をメインにしていますが、モバイル系にからんだり、リーカシンの息子を髣髴させます。
香港の実業界とその成功者たちの暮らしを描いているんですが、相変わらず人間関係はどろどろ。商売の世界での裏切り、騙しあいは当たり前で、家族関係の中でもだましあいや、お互いに罠にはめ様としています。
香港らしいのですが、実業で成功している人たちは株のインサイダーは当たり前、そして不動産の開発がメインの収益。青島や上海での投資案件、タイやフィリピン等も出てきて華僑社会のネットワークの広さをうかがわせる物があります。中々日本企業でこういう形態の事業展開は無いですよね。それに株と不動産に関しては香港市場の内情を表していると思わされます。実際に今だにインサイダーなんて当たり前なんじゃないでしょうか、捕まった奴が運が悪い。
「商売は戦場と同じ」という言葉が何度か出てきましたが、さすが香港と言うべきか、中国のビジネスとはそういう捉え方をしなければならないと言うべきか。
最終的には、3姉妹の母親がアルツハイマーになる前に自分で撮影した「私たちは同じ家族なのよ」というビデオをみて3姉妹の争いの和解に繋がるのですけど、歴史物に拘らず、こういう商売の世界の醜さ、激しさを露骨に出すドラマは日本には余り無いですね。日本だと戦国時代で、織田信長や上杉謙信、伊達政宗の兄弟の葛藤や武田信玄の親の追放などがテーマになりますけど、まあ正義を振りかざすストーリーになりますよね。でも、香港では、単純に2女の旦那が嫌いだから3女(2女の旦那の親父の妻)が2女の旦那を落としいれようとあれこれかくさくする。3女のボーイフレンドも、気に入らない奴を徹底的に叩こうとする。そういう人間模様の中に善人役も出てくるんですが不幸な結末が待っている。
全86話かな?かなり長いのですけど、ドラマそのものも面白いのですが、色々考えさせられました。日本の定義で言う善人が勝つんじゃないんです。どんなに酷い奴でも勝てば官軍。負けた奴は徹底的に打ちのめす。負けた側はなんとか復讐しようとする。人間の本性丸出しで、儒教精神、武士道精神なんてかけらもみられません。そしてそういうドラマや登場人物に対して、多分日本人ほど批判的な見方はしない。正義を振りかざして負ける人間は、中国人の感覚では「頭悪い」となるようです。
そういえば、中国通ならご存知の、宋の時代の岳飛という英雄(忠君愛国を刺青し、南宋を攻撃する金と言う国と戦い何度も勝った将軍)も、相応の評価をされて愛国主義の偶像に祭られる反面、あの人は日宇とは良いけど頭は悪かったという言葉を聴くこともあります。
また、面白いのはこのドラマの3姉妹の父親が働き、2女も仕事をした「マーベル」という実際にある香港ブランドがわりと中心におかれている事です。会社も協賛しているんじゃないかと思いますけど、かなり知名度は上げたんじゃないですかね?たまたま、結婚前にはお金が無かったので、ここの指輪買って妻にあげたんですよね。
日本企業にとって有効かどうかは知りませんが、多くの中国の若い人たちは、中国大陸のドラマでなく、香港のドラマを好むようです。台湾や韓国ドラマはだらだら長いようで日本もそうでしょうがおばさん層に受けている。そう考えると、香港のドラマの中に自社ブランドを紹介されるように動く事が、大陸市場を見据えたプロモーションとして有効なのかもしれないと感じます。おばさん、金持ち少ないですから。中国製コンテンツは確かに見ても面白くないのが多いんですね、昨年ヒットした「間諜」というスパイ物はかなり受けていましたけど、どうしても政府が絡んでしまうので表現に制限があるのかもしれません。
香港でのテレビ広告費がどうなのか、調べる必要はありますね。コンテンツじゃ金は取れません。でもコンテンツを通してブランディングを図る。もちろん、ヒットしないと駄目ですが、出演者見るとヒットしそうなコンテンツってかなり限定されそうなんですね。ターゲットは絞りやすいと思います。
それにしても、香港ドラマって宮中物、ビジネス物、それ以外は警察物とか色々見ていますが、特に善者を幾つか見てみると、昔々、ヤオハンの和田会長の「香港に朋友がいるからどうのこうの」という発言が以下に馬鹿臭いか良く分かります。
価値観が日本と違いすぎます。それこそ、日本の戦国時代の感覚(裏切りが当たり前、家族ですら完全な信頼は置かない、恐怖政治)が中国ビジネスじゃ必要なんじゃないでしょうかね?アナクロですけど。。。。