日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

中国 銀行個人向け融資の規制へ

2009-10-29 | 中国経済関連
 中国経済の好調さの一方、バブル懸念が騒がれるようになりました。

 政府は色々と経済の統制を目指していますが、その一環でしょう。銀行の個人向け融資に関して規制をする事になったようです。
T
 「不動産や、自動車に対する貸付金において、30万元(500万円)を超える貸付金に関しては、借主ではなく、借主の購入先に直接支払いが行われるものとする」っていうような規定になる見込みのようです。

 上半期の新規融資が100兆円に及び、これらのお金が実需ではなく投機に使われているという懸念が起きています。当然バブル崩壊、および不良債権の増加に対する懸念が発生しており、これを規制しようとする動きです。

 経済の回復が見えてきた事で、政府の融資規制は、この個人向け融資規制を始めにだんだんと厳しくしていくようですね。第三四半期の新規融資額は15兆円だったので、それまでのペースに比べればだいぶおとなしくなったようです。

 但し、個人向け融資は前年比150%増とはいえ、10兆円程度ですので比率は全体の新規貸付の10%程度にしか過ぎないんですよね。http://www.scmp.com/portal/site/SCMP/menuitem.2af62ecb329d3d7733492d9253a0a0a0/?vgnextoid=77fa79cb2db94210VgnVCM100000360a0a0aRCRD&ss=&s=Business
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

モルガンスタンレーアジアの見解

2009-10-29 | 中国経済関連
 マッキンゼーのレポートに、モルガンスタンレーアジアの会長、Steve Roachさんへのインタビューが載っています。何でもアジアの将来に関する書籍を販売されたのでその宣伝を兼ねているようですが抜粋してみると。

・過去20年の中国を中心にするアジアの発展は、輸出主導型であった。輸出をする為の基盤整備にかかる投資、及び機械等の輸出が経済成長のモデルだった。しかし、この経済モデルは先進国経済の不調により役に立たなくなってきており、次のアジアの成長は消費者が牽引する事になる。そのためには環境や汚染に対する対策なども必要になる。

・発展途上のアジアや中国は、国際企業から見ればオフショアの製造拠点であり、それはそれでまだ魅力もあるが、35億人もの消費者を見据えないといけない。そしてこれこそがアジアの可能性を示している。

・1997年のアジア金融危機の直後、輸出主導経済から国内消費経済への転換が叫ばれたが、実際には今でも輸出主導になっている。しかし、外国の需要が冷え込めば、どんなに良い物を作っても意味がなくなる。そのためにはアジア諸国は国内需要を喚起する必要がある。そして、これはアジア諸国の経済成長における選択肢を狭める事にはなるが、他に選ぶ路はない。

・インドに関しては、人口も多く、世界レベルの企業があり、良く教育された英語を話す労働者がいる。また、金融も比較安定し、法律や民主主義もある。一方課題としては、貯蓄率の低さと外国投資が中国に比べると限られインフラが劣っている。ここ数年インドの貯蓄率は20%から30%中まで上昇してきており改善は見られる。外商投資も中国ほどではないにしろ急激に増加している。今年5月の選挙結果を見れば改革派に機会を与えており、今後数年間かっての中国のようにアジアを牽引する存在になるだろう。

・日本に関しては繁栄した経済がバブル崩壊によって20年間も不調が続いている。経済構造は輸出主導型で、アメリカと中国が最大の取引先であるが、今はその余裕は無い。日本の消費者は未だに貯蓄率が高く、年金債務の不足が言われており消費には回らない。近年固定資産投資も行われたが、依然として中国とリンクした輸出主導型経済である事に変わりは無い。その上政権のリーダーシップに課題を抱えており、今後経済が回復するか予断を許さない。

・アジア経済のブロック化は、中国中心のサプライチェーンを日本や、韓国、台湾と共に取り組む事になり、中国だけでなくアメリカやEUを含む相互の間での輸出を促進する事になろう。その場合は中国中心のサプライチェーンの位置は低下していくだろう。しかしながら、重要なのは地域内での取引の増加となり、各国のシナジーをもたらすにはその必要がある。

・アジアの世紀と言われるには、アジアの消費者が平等にアジアの時代に必要な物を獲得できる場が必要になろう。アジア諸国が自国の製品を一方的に輸出して、利益を自国にもたらすだけならアジアとしての発展は無い。アメリカやヨーロッパとの協調が必要となろう。https://www.mckinseyquarterly.com/Economic_Studies/Country_Reports/Preparing_for_the_next_Asia_2452

 まぁ、白人の見かたです。

 アジアの発展に関しては、輸出主導型から内需への切り替えが必要。地域間の貿易が必要。でも長期的には欧米を含めた世界との貿易が必要。ということになるのですが、何で輸出主導型の経済が発展するかというと、

1.値段が安い(低コストだから)
2.物の品質が良い
3.革新的なものを作る

 ということになり、日本も1から2は上手くシフトしたけど3はまだ駄目。韓国、台湾も2が日本ほどじゃないけど同じように1から2.中国はまだ1、というのが経済発展の段階でしょう。

 一方欧米諸国は2が日本や韓国に競争できなくなり、今は3だけしかないのが実態でしょう。

 だから、そんなに上手く行く分けないですよね。アジア人はたぶん器用なんです。

 それにしても、日本に関しては真っ暗に思われていますね。確かに成長という面では厳しいとは思います。特殊な国アメリカを除いた、英国とかドイツ、フランス辺りと比べたらどうなんですかね?基礎研究分野が弱いのかもしれませんけど、この辺の国はそんなに景気良いとも思えないですけど。相当前から若年層の失業率の高さが騒がれていますし、日本の国力ではアメリカではなく、ヨーロッパの先進国を追うしかないんですから比較が違うと思うんですけど。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする