日経ビジネスの記事です。日本の小売業界に関する内容なんですが、これってそのまま中国の小売業界の問題も指摘しているように思います。そして、個人的に学ぶ物が多い記事でした。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090925/205560/?P=1
・アメリカでは、最も働きたい企業100社中3社が小売業だった。
・一方日本では、小売の人気は無い。「給与が安い」「仕事がきつい」「土日に休めない」「社会的評価が低い」等が理由。
・現在、日本の小売業の価値は売り場面積しかなく、付加価値を生んでいない。日本の小売業の売り場管理レベルと接客レベルは、世界一だが、高度成長期のなか需要が旺盛であり、その恵まれた環境に甘んじていて自助努力が少なかった。メーカー、卸が小売業を支える構造ができており、その枠組みの中で楽に成長できた。
・高度成長期、メーカーは大量生産をし、マスメディアを通してプロモーションを強化し、急成長した小売業をパイプとして、消費者に商品を供給した。消費者のニーズは高度化しておらず、そこそこのものであれば何でも良かった。価格が安ければさらに良かった。小売業は店舗を作り、商品を並べておけばどんどん売り上げが増えて、利益も上がったのである。
・メーカー、卸の流通チャネルのコントロール力も強かった。メーカーが流通構造全体をコントロールしていた。帳合制により卸をコントロールし、リベート(販促奨励金)により小売業をコントロールしていた。小売業はメーカーの開発した商品を、卸やメーカーの営業担当者の指示の下で売り場に並べていればよかった。
・小売業の店舗の什器にどんな商品を採用にどこに何フェース並べるかという棚割りは、実はメーカーや卸が作成している。小売業は、少しは「ああだ、こうだ」と言うが、主導権はメーカー、卸に握られているのである。小売業が自社の棚割を自分だけで作成している小売業はほとんどない。
・百貨店や総合量販店は、自主マーチャンダイジング、リスクマーチャンダイジングができずに没落した。食品スーパーもドラッグストアもホームセンターも、いろいろな専門店も似たり寄ったりの状況である。
・小売業はマネをしたがる。他社を横目でにらみながら、うまくいったらマネようという傾向が強く、「自分で独自にやろう」という意思が少ない。
・要は、差異化ができていない。同じような商品を、同じような店舗で売っている。需要が旺盛で、競争が緩やかな時は良かった。需要が縮小し競争が激化してくると、売り上げが減少してくる。売り上げを増やそうにも同質化しているから、違いを訴求できるのは価格しかないのである。
・仕入れ担当の人員が不足している、時間がなく商品を探せない、情報もない、ノウハウも持っていない、これが小売業の言い訳であるが、本来やるべき業務をしていないのである。同じ商品を売っているから値下げ合戦になるのである。
・小売業は店舗で商品を売っている。しかし、これも自分で売り込んでいるのかというと疑問が残る。メーカーが開発した商品を仕入れ、メーカーが広告した商品を売っている。価格を引き下げて売り込む時はメーカーからリベートをもらったりする。エンドや平台といった特売スペースを使ってメーカーの商品を売り込む時は、メーカーにスペースコストを要求している。
・店舗でのプロモーション企画もメーカー頼みである。特売企画、催事の企画も取引先に立てさせている場合が多い。値下げにはリベートなどで原価を引き下げてもらい、販促媒体は取引先から提供してもらう。自分の売り場で売り込む商品を自分で決められないし、自分のリスクで、自分の経費で売り込むこともできないのが小売業なのである。
・他人任せになっているから、売り場で売り込むための知識もノウハウを持っていない。商品をどの場所で、どう陳列すれば売れるのか、商品の良さをどうアピールすれば売れるのかの知識もノウハウを持っていない。知識もノウハウもないから、値段を下げるしか売り込むことができないのである。
・小売業は人で成り立っている。仕入れも売り込みも人が行う。その人の教育をしてこなかったのである。売り場に商品を並べておけば売れたから、売り場には商品を並べるだけの作業員がいれば良かった。何も考えずに、売り場で作業をする人が大量に必要だった。
・小売業は基本を継続できることが重要である。基本として、挨拶、クリンリネス、品切れの削減は重要課題である。私はまだまだ不十分だと思っている。当たり前のことができていない。これはマネジメントの問題である。
・小売業の重要性はますます上がってくると判断している。消費者のニーズは潜在化し、変化のスピードが速くなってきている。小売業は消費者に一番近い立場にいる。消費者のニーズを一番早く正確に分かるのは小売業の売り場である。
売れたらニーズがあるし、売れなかったらニーズはない。いろいろマーケット調査をしても消費者のニーズはなかなか分からない。小売業の売り場で売ってみた結果を見るのが、一番効率的に消費者のニーズを見つける方法である。何が売れるか分からないから、消費者に一番近い小売業がリーダーシップをとって、メーカーと協力し合って商品開発をしていくべきである。
・消費者のニーズの変化も早くなった。急に売れたり、急に売れなくなったりする。その変化が一番早く正確に分かるのも小売業である。売ってみた結果を見ながら、生産計画、物流計画、在庫計画を立て、売れ行きの変化を見ながら、生産計画、物流計画、在庫計画を修正していくのが、最も効率的な生産方法であり、在庫方法なのである。消費者に近い小売業が、流通構造全体のリーダーシップをとって、効率的な生産、物流、在庫を実現していく。これが私が考えている時代変化に対応した流通構造である。
・売業は本来楽しいものである。何が売れるか、どうしたら売れるかを考え、販売してみて、売れた時の感動は得がたい喜びである。創造性が生かせる仕事である。お客様と直接接しているから、お客様の反応もダイレクトに伝わってくる。お薦めした商品を買っていただき、喜んでいただくことは楽しい。小売業は全体のチームワークも大切であり、みんなで協力して1つのことを成し遂げる楽しさもある。
⇒僕が小売に注力したのは、中国人の消費者のデータベースを作り、彼らを対象に市場調査をすることを目的としていました。ようやく顧客数が4000名を超えましたので、市場調査の有効回答数500位は集められる基盤ができ、そのサービスを展開しようと考えています。
1週間ほど日本にいて、幾つかのアイデアを固めていた時にこの記事を拝見したのですが、日本の小売業の実態は良く解っていませんでした。確かに返品制度などもあるようで、全て自分で購入しなければならない僕らは損だなと思っていましたけど、逆にリスクをしょわされているだけに勉強になっているのかもしれまsねん。
中国も小売の実態は同じで、とにかく価格競争に安易に流れます。その為に流通過程においてコンプライアンスが全く守られていません。また小売店頭に物を置いてもらうにはメーカーや代理店がお金や賄賂を支払う必要があります。
ネットでも、人が販売して上手く行く物は直ぐに真似されます。
そこをどう差別化するかとなると、物流、品揃えに工夫を凝らす必要があります。イコール業界に関して相当勉強しないといけないという事になりますね。私の場合は国を跨っていますので貿易、マーチャンダイジングですね。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090925/205560/?P=1
・アメリカでは、最も働きたい企業100社中3社が小売業だった。
・一方日本では、小売の人気は無い。「給与が安い」「仕事がきつい」「土日に休めない」「社会的評価が低い」等が理由。
・現在、日本の小売業の価値は売り場面積しかなく、付加価値を生んでいない。日本の小売業の売り場管理レベルと接客レベルは、世界一だが、高度成長期のなか需要が旺盛であり、その恵まれた環境に甘んじていて自助努力が少なかった。メーカー、卸が小売業を支える構造ができており、その枠組みの中で楽に成長できた。
・高度成長期、メーカーは大量生産をし、マスメディアを通してプロモーションを強化し、急成長した小売業をパイプとして、消費者に商品を供給した。消費者のニーズは高度化しておらず、そこそこのものであれば何でも良かった。価格が安ければさらに良かった。小売業は店舗を作り、商品を並べておけばどんどん売り上げが増えて、利益も上がったのである。
・メーカー、卸の流通チャネルのコントロール力も強かった。メーカーが流通構造全体をコントロールしていた。帳合制により卸をコントロールし、リベート(販促奨励金)により小売業をコントロールしていた。小売業はメーカーの開発した商品を、卸やメーカーの営業担当者の指示の下で売り場に並べていればよかった。
・小売業の店舗の什器にどんな商品を採用にどこに何フェース並べるかという棚割りは、実はメーカーや卸が作成している。小売業は、少しは「ああだ、こうだ」と言うが、主導権はメーカー、卸に握られているのである。小売業が自社の棚割を自分だけで作成している小売業はほとんどない。
・百貨店や総合量販店は、自主マーチャンダイジング、リスクマーチャンダイジングができずに没落した。食品スーパーもドラッグストアもホームセンターも、いろいろな専門店も似たり寄ったりの状況である。
・小売業はマネをしたがる。他社を横目でにらみながら、うまくいったらマネようという傾向が強く、「自分で独自にやろう」という意思が少ない。
・要は、差異化ができていない。同じような商品を、同じような店舗で売っている。需要が旺盛で、競争が緩やかな時は良かった。需要が縮小し競争が激化してくると、売り上げが減少してくる。売り上げを増やそうにも同質化しているから、違いを訴求できるのは価格しかないのである。
・仕入れ担当の人員が不足している、時間がなく商品を探せない、情報もない、ノウハウも持っていない、これが小売業の言い訳であるが、本来やるべき業務をしていないのである。同じ商品を売っているから値下げ合戦になるのである。
・小売業は店舗で商品を売っている。しかし、これも自分で売り込んでいるのかというと疑問が残る。メーカーが開発した商品を仕入れ、メーカーが広告した商品を売っている。価格を引き下げて売り込む時はメーカーからリベートをもらったりする。エンドや平台といった特売スペースを使ってメーカーの商品を売り込む時は、メーカーにスペースコストを要求している。
・店舗でのプロモーション企画もメーカー頼みである。特売企画、催事の企画も取引先に立てさせている場合が多い。値下げにはリベートなどで原価を引き下げてもらい、販促媒体は取引先から提供してもらう。自分の売り場で売り込む商品を自分で決められないし、自分のリスクで、自分の経費で売り込むこともできないのが小売業なのである。
・他人任せになっているから、売り場で売り込むための知識もノウハウを持っていない。商品をどの場所で、どう陳列すれば売れるのか、商品の良さをどうアピールすれば売れるのかの知識もノウハウを持っていない。知識もノウハウもないから、値段を下げるしか売り込むことができないのである。
・小売業は人で成り立っている。仕入れも売り込みも人が行う。その人の教育をしてこなかったのである。売り場に商品を並べておけば売れたから、売り場には商品を並べるだけの作業員がいれば良かった。何も考えずに、売り場で作業をする人が大量に必要だった。
・小売業は基本を継続できることが重要である。基本として、挨拶、クリンリネス、品切れの削減は重要課題である。私はまだまだ不十分だと思っている。当たり前のことができていない。これはマネジメントの問題である。
・小売業の重要性はますます上がってくると判断している。消費者のニーズは潜在化し、変化のスピードが速くなってきている。小売業は消費者に一番近い立場にいる。消費者のニーズを一番早く正確に分かるのは小売業の売り場である。
売れたらニーズがあるし、売れなかったらニーズはない。いろいろマーケット調査をしても消費者のニーズはなかなか分からない。小売業の売り場で売ってみた結果を見るのが、一番効率的に消費者のニーズを見つける方法である。何が売れるか分からないから、消費者に一番近い小売業がリーダーシップをとって、メーカーと協力し合って商品開発をしていくべきである。
・消費者のニーズの変化も早くなった。急に売れたり、急に売れなくなったりする。その変化が一番早く正確に分かるのも小売業である。売ってみた結果を見ながら、生産計画、物流計画、在庫計画を立て、売れ行きの変化を見ながら、生産計画、物流計画、在庫計画を修正していくのが、最も効率的な生産方法であり、在庫方法なのである。消費者に近い小売業が、流通構造全体のリーダーシップをとって、効率的な生産、物流、在庫を実現していく。これが私が考えている時代変化に対応した流通構造である。
・売業は本来楽しいものである。何が売れるか、どうしたら売れるかを考え、販売してみて、売れた時の感動は得がたい喜びである。創造性が生かせる仕事である。お客様と直接接しているから、お客様の反応もダイレクトに伝わってくる。お薦めした商品を買っていただき、喜んでいただくことは楽しい。小売業は全体のチームワークも大切であり、みんなで協力して1つのことを成し遂げる楽しさもある。
⇒僕が小売に注力したのは、中国人の消費者のデータベースを作り、彼らを対象に市場調査をすることを目的としていました。ようやく顧客数が4000名を超えましたので、市場調査の有効回答数500位は集められる基盤ができ、そのサービスを展開しようと考えています。
1週間ほど日本にいて、幾つかのアイデアを固めていた時にこの記事を拝見したのですが、日本の小売業の実態は良く解っていませんでした。確かに返品制度などもあるようで、全て自分で購入しなければならない僕らは損だなと思っていましたけど、逆にリスクをしょわされているだけに勉強になっているのかもしれまsねん。
中国も小売の実態は同じで、とにかく価格競争に安易に流れます。その為に流通過程においてコンプライアンスが全く守られていません。また小売店頭に物を置いてもらうにはメーカーや代理店がお金や賄賂を支払う必要があります。
ネットでも、人が販売して上手く行く物は直ぐに真似されます。
そこをどう差別化するかとなると、物流、品揃えに工夫を凝らす必要があります。イコール業界に関して相当勉強しないといけないという事になりますね。私の場合は国を跨っていますので貿易、マーチャンダイジングですね。