この3か月のあいだ、ずっと取り組んでいた章の最後の一文に、遂にたどり着いた。
それは長い長い海泳ぎのようであった。
夕日が何度も海に落ち、広い海原を赤く染め、
朝日が何度も水平線から、のぼって行った。
僕は何度も疲れて、仰向けになって空を眺めた。
背中の裏に深く深く海が存在しているのを感じながら。
自分はずっと海面と空の間にいたのだ。
魚は海のなかで泳ぎ回り、鳥は空中を魚の群れを探しながら飛び回る。
しかし、どちらも僕の傍には来なかった。僕はずっとひとりで泳いでいた。
ただ、流木と一度すれ違った。
けれども、僕は流木ではない。僕は意志を持ち泳ぐ人間であった。
遠目に見れば、僕など流木のようにしか見えなかったであろう。
ただ流されているように見えたであろう。
しかし、僕は泳いでいた。流されながらも、日々岸に近づいていた。
夜の闇は僕を恐ろしいほど孤独にし、晴れた日の太陽は僕を恐ろしいほど勇気づけ、
何度も自分を見失いながら、僕は古くて新しい自分と出会った。
岸には誰もいなかった。しかし、泳ぎ切った僕はすでに泳ぐ前の僕ではない。
岸には確かに誰かがいる。僕の知っていて知らない誰かが。
何のために海で泳ぐのか、と問う必要はないだろう。
答えは体全身で感じている疲労そのものだから。
それは長い長い海泳ぎのようであった。
夕日が何度も海に落ち、広い海原を赤く染め、
朝日が何度も水平線から、のぼって行った。
僕は何度も疲れて、仰向けになって空を眺めた。
背中の裏に深く深く海が存在しているのを感じながら。
自分はずっと海面と空の間にいたのだ。
魚は海のなかで泳ぎ回り、鳥は空中を魚の群れを探しながら飛び回る。
しかし、どちらも僕の傍には来なかった。僕はずっとひとりで泳いでいた。
ただ、流木と一度すれ違った。
けれども、僕は流木ではない。僕は意志を持ち泳ぐ人間であった。
遠目に見れば、僕など流木のようにしか見えなかったであろう。
ただ流されているように見えたであろう。
しかし、僕は泳いでいた。流されながらも、日々岸に近づいていた。
夜の闇は僕を恐ろしいほど孤独にし、晴れた日の太陽は僕を恐ろしいほど勇気づけ、
何度も自分を見失いながら、僕は古くて新しい自分と出会った。
岸には誰もいなかった。しかし、泳ぎ切った僕はすでに泳ぐ前の僕ではない。
岸には確かに誰かがいる。僕の知っていて知らない誰かが。
何のために海で泳ぐのか、と問う必要はないだろう。
答えは体全身で感じている疲労そのものだから。
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