それでも僕はテレビを見る

社会‐人間‐テレビ‐間主観的構造

独特のバディ感、「東京エンカウント」

2014-05-06 09:36:28 | テレビとラジオ
番組のなかで演者がただひたすらゲームをする番組がここ10年でちらほら登場した。

「ゲームセンターCX:有野の挑戦」はそのはしりである。

演者がただゲームをするだけ、と侮ることはできない。

ゲームをすることで人間ドラマが見えてくる。それが新しいタイプのゲーム番組の魅力なのである。

「ゲームセンターCX」はあまりにも人気が出て、ゲームはもちろん、遂には映画まで出来てしまった。



「東京エンカウント」も演者がゲームをただひたすらする番組である。

プレイするのは、声優の杉田智和と中村悠一である。

この番組はアニメ専門チャンネルでしか見ることができない。だから、おそらく日本全体ではほとんど知られていない番組である。



この番組はかなりマニアックである。

プレイするゲームの主力は、どういうわけかSNKのゲームばかり。もちろん、それ以外もプレイするのだが、みんなが知っている、一度はやったことのあるレトロゲームはかなり少ない。

演者の杉田と中村は、ゲームマニア。ちょっと詳しい、というレベルではないくらい、ゲームをやってきた二人である。腕前もかなりのものだ。

これに対して、「ゲームセンターCX」の場合、プレイするのはレトロゲームで、30代~50代の心にぐっとくるコンテンツが目白押しである。

また「ゲームセンターCX」の場合、演者の有野晋哉(よゐこ)はゲームが下手。その彼が難しいゲームを努力と信念で克服する様がこの番組最大の魅力である。

このように見てみると、「ゲームセンターCX」がかなりポップなのに対して、「東京エンカウント」は本当にマニア向けの番組に思える。



しかし、である。この「東京エンカウント」は私のようなゲーム弱者にも面白いのだ。

なぜなのか?

理由は、演者ふたりの「バディ感」にある。

バディ感とは、ふたりの「相棒」としての関係性が見ていて魅力的、という意味である。

例えば、小説で言うと「シャーロック・ホームズ」はバディ感が満載である。

もっと本番組に近いところで言えば、「あぶない刑事」のタカとユージがそれだ。

杉田と中村は、良いコンビネーションを見せる。

ゲームの腕前、かけあい、ビジュアル。どれをとっても最高なのである。

杉田のボケを中村がさばく。杉田の言葉のセンスには、声優特有の痛い感じがない。

また中村のドライな感じが杉田の雰囲気とぴったりなのだ。

何よりふたりの声が良い。声優だから、もちろん声はプロのそれだ。

ゲーム内でのアドリブのアテレコは、流石としか言いようがない。

もちろん、ゲーム内でのコンビネーションも最高だ。必ずしもうまく行きすぎないのが、また丁度よい。



残念ながら、「東京エンカウント」は24回をもって1年前に終わってしまった。

しかし、である。

一度の特番を経て、「東京エンカウント弐」が遂に復活した。

もし興味が出た人がいたならば、ぜひとも一度くらいは見てほしい番組である。

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