それでも僕はテレビを見る

社会‐人間‐テレビ‐間主観的構造

登場する人物、団体などはすべて架空です:事故をめぐるコメディ

2011-04-09 05:09:59 | ツクリバナシ


側近A「総理!アメリカが、日本には原発事故対策のための戦略があるのか?と尋ねてきています。」

総理 「そんなことも分からないのか!と言ってやれ。」

側近A「承知いたしました!」

総理 「今まで、日本に一度でも『戦略』などというものがあった試しがあったか?とな、はははは。」

側近A、頭を抱える。




側近B「大統領、日本からの返事がきました。『われわれはの戦略は、ボトムアップだから大丈夫』とあります。」

大統領「ボトムアップの戦略?一体、どういう意味だ。リーダーシップなき戦略などあり得るのか?」

側近B「・・・おそらく、『行き当たりばったり』、という意味だと思います。」

大統領「現場で動いているのは、電力会社だな。電力会社が実質的な戦略立案をしているのではないか?」

側近B「どうも、下請け会社の社員たちが戦っているようです。」

大統領「まさか、ボトムアップの『ボトム』は、下流社会という意味ではないだろうな?」




側近A「総理、イギリスもフランスも技術援助を申し出ています。」

総理 「馬鹿野郎、俺たちは先進国だ。独り立ちした立派な主権国家だ!イギリスもフランスも、すでに落ちぶれた帝国。いまさら、あいつらに恵んでもらうものなどない!」

側近A「どのように伝えますか?」

総理 「どうするかアメリカに聞いてみる、と伝えろ。」

側近A「ロシアからも援助の申し出が来ていますが、それも同じように答えますか?」

総理 「いや、今までお前たちが投げ捨てた原子力空母や船のために俺たちが払った金を今返せ、と伝えろ。ついでに、北方領土も返せ、と伝えろ。」




側近C「大統領、日本がフランスからの援助の申し出を留保しています。」

大統領「なぜだ。フランスという文明の中心からの申し出だぞ。」

側近C「原子力ビジネスのためだということがバレバレなのがいけないのでしょうか。」

大統領「いや、おそらくフランス語が誰も分からないんだろう。」




英国の学者「日本は、今原子力を見直すべきであーる。イギリスは、もう原子力を電力源としては重視していないのであーる。」

日本の学者「どうしてですか?やはり、廃棄物貯蔵などでの事故の経験からですか?」

英国の学者「いやいや。原子力では、お金が儲からないのであーる。」


英国の学者「君たちも、風力を使えばいいのであーる。」

日本の学者「イギリスではやはり、風力が中心ですか?」

英国の学者「いや。でも、スペインでうまくいっているのであーる。」

日本の学者「スペインはイギリスではないですよね?」

英国の学者「ヨーロッパだから同じなのであーる。」




記者 「編集長、インターネットなどで、フリーランスの記者が政権批判や電力会社批判、あげくに我々の批判も行っております。」

編集長「それはやっかいだな。で、どう批判しているんだ?」

記者 「電力会社が政府、メディアとぐるになって、深刻な放射能漏れをずっと隠ぺいしている、と批判しています。」

編集長「対抗して、風評被害に苦しむ農家と漁師の記事をでかでかとうっておけ。」

記者 「分かりました。ところで、この前の電力会社批判を記事のせいで、電力会社の連合がスポンサーから降りると警告してきました。」

編集長「そうか。それはマズいな。とりあえず、『社長の自宅に張り込むようなことはしないから、それで許して』と伝えてくれ。それと、『「原子炉なしでは、電力が足りない」という話には、口裏を合わせておくから、これからもよろしく』と言っておけ。」





CM・・・

芸能人A「節電のために、余計なパソコンはつけないこと。」

芸能人B「インターネットとかで、科学者やフリーランスの記者とかの記事を読まないこと。」

芸能人C「でも、くだらないテレビ番組だけは、絶対に視聴し続けること。」

三人 「みんなのために!」