思想家ハラミッタの面白ブログ

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『創造的生命の形而上学――近代科学技術文明の超克――』

2018-09-23 15:23:28 | 思想、哲学、宇宙論

http://www.geocities.jp/neieiko/sak/sak15sozoteki.html

科学的認識を一般化した啓蒙主義的・合理主義的な知によって自己の生を制御する諸個人は、超越的絶対神などといった超感覚的実在に従属する存在ではなく、科学的知性と技術的意志にもとづく行為によって、自然生態環境を加工し、社会文化環境を形成する、自由な存在である。 諸個人は、そのような存在として、ますます多様化する欲望を充足させ、生活の利便性を飛躍的に高めていった。それよって、社会の無限の進歩が可能であるとされた。だが、その結果は、地球生態環境の破壊と人類滅亡の危機であった。なぜ、このようの事態が生じたのか。

 その根本的原因は、啓蒙主義的・合理主義的な知の基礎を形成た科学的認識が、感覚界の根底あるいは背後の実在界を対象とする形而上学を排斥したことにある。この実在界には、無限の創造的エネルギー・生命が貫流している。だが、啓蒙主義的・合理化主義的な知は、実在界を認識対象とすることができない。したがって、そのような知を生活意識とする諸個人は、そこを貫流する無限の創造的エネルギー・生命を制御することができない。そのため、無限の創造的エネルギー・生命は、実在界から感覚界へと無限衝動となって噴出してくる。

 その結果、人間の知性と意志は無限衝動によって駆りたてられ、その行為はひたすら物量的生産力の無限増大を追求するものとなる。科学的知性と技術的意志によって自然生態環境・人間・社会文化環境の間の物質・エネルギー循環を制御する能力を獲得したかにみえた人間は、実は、実在界から突き上げてくる無限衝動の力を押しとどめる自由をもってはいなかったのである。かくして、感覚界における物質・エネルギー循環が撹乱され、人間の自由な行為が、自己自身を死滅の危機に直面させる、という逆説的な事態を惹き起こしてしまったのである。


https://ascension21.com/voice-of-brothers-189/

苦しみというのは全部、自分がいのちの光を発揮し切れてないことによる生きづらさであって、その原因はみんな自分がこしらえたものなんだよ。 言葉を変えれば、自分が真理を表し切れないでいる状態であり真理と肉体想念のズレから来ている心地悪さなんだよ。





 したがって、近代科学技術文明が生み出した危機を、感覚界の枠内だけで克服することはできない。危機を根底的に克服するためには、科学的認識・啓蒙主義的・合理主義的な知を根本的に転換でさせた新しい知、即ち、実在界を認識対象とする形而上学を形成しなければならない。それによって、人間は、はじめて実在界を貫流する無限の創造的エネルギー・生命を制御する自由を獲得する。この根源的自由に根拠づけられることによって、感覚界に於ける人間の自由は、自然生態環境・人間・社会文化環境の間の物質、エネルギー循環を撹乱することなく、三者の調和を実現するものとなるのである。それが、文明の根本的転換にほかならない。

 そのことを可能とする形而上学を形成するためには、個人は、感覚界から超過感覚的な実在界へと翻転し、自己を深めてゆくことによって、実在界の最深層に於いて無限絶対の実在と合一し、それを基底として、実在界の最深層から最表層へと発現してゆくとともに再び最深層へと還帰するという無限の創造的エネルギー・生命の循環運動と、自己の生の上昇・下降運動を一体化させる――という全実在界大の実在・実存体験を主体的に遂行することが必要となる。この実在・実存体験のロゴス化として、実在界の真実相を解明した形而上学が形成される。実在界の真実相とは、無限の創造的エネルギー・生命をそれぞれの内に体現した全実在界大の存在としてのすべての個物・個人が相互に調和する、というものである。

 このように、他のすべての個物・個人との一体的生を実現した個人こそが<本来的自己>なのであり、感覚界だけで科学的知性と技術的意志にもとづく生を完結させようとする個人は、<非本来的自己>と言わざるを得ない。諸個人が、科学的知性と技術的意志にもとづく生によって人類の生態学的生存の危機を生み出してしまった現在、全人類・一人ひとりの個人が非本来的自己から本来的自己への全人格的変革を遂げるべく決断を迫られている。『創造的生命の形而上学』の最大の目的は、そのことを明らかにすることにある。

 全人格的変革を成し遂げたそれぞれの個人が、感覚界に帰ることによって、科学的知性と技術的意志にもとづくすべての生活行為は、本来的自己を実現するための外的条件となる。そのことを可能とするためには、感覚界に於ける自然生態環境・人間・社会文化環境を認識対象とする自然科学・人間科学・社会科学の総体を、実在界を認識対象とする形而上学に統合した、全体的な知を形成することが必要となる。 一人ひとりの個人が、この全体的な知をわがものとして獲得することよって、科学的知性と技術的意志が無限衝動に駆りたてられることで全生活領域に生ずる諸問題の総体を根源的・統一的に解決することが可能となる。





氏の言わんとすることは、

自己を深めてゆくことによって根源的実在である 命のひかり を認識し、

それと一体となることで<本来的自己>を取り戻し、

そのエネルギーを制御することで宇宙の法則に従った普遍文明を作り出せる

とうことです。

<本来的自己>を取り戻した人類は、宇宙を進化させようとする無限衝動に駆り立てられ

神の意志と融合しながら新たな文明を築くのでしょう。




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