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パンを作る小麦に含まれるグルテンで脳に炎症 心の病の原因にも

2019-06-19 23:14:20 | 思想、哲学、宇宙論




パンを作る小麦に含まれるグルテンで脳に炎症 心の病の原因にも


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2015年4月2日 11時0分



ざっくり言うと

小麦に含まれるグルテンが、健康に深刻な影響を及ぼすことがあるという
日本人のほとんどがグルテンに過敏で、脳に炎症が起きる可能性がある
小麦を断つことで、うつ病や統合失調症が治ったという例も存在する




『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二教授に聞いた“グルテン”と“脳”の真実とは




2015年4月2日 11時0分
ウレぴあ総研


『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二教授に聞いた“グルテン”と“脳”の真実とは
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最近、人気モデルや著名人が実践中ということでも話題の“グルテンフリー”。健康に関心の高い人やダイエットを目指す人たちを中心にじわじわと注目を集め、グルテンフリー食品や専門店なども登場している。

白澤卓二先生に聞いた、危険な食べ物の“本当の話”

しかしこの“グルテン”、どうやら特別な人々だけに関わる問題ではないらしい。

私たちの「脳」に着々と、深刻な影響をおよぼしている可能性が高いのだ。

アメリカでベストセラーとなり、日本でも大きな反響を呼んでいる『「いつものパン」があなたを殺す』(デイビッド・パールマター/クリスティン・ロバーグ著 原題:Grain Brain)の翻訳をされた、順天堂大学大学院教授・白澤卓二先生にお話を伺った。


■白澤卓二(しらさわ・たくじ)
順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授。日本抗加齢(アンチエイジング)医学会理事。専門は寿命制御遺伝子の分子遺伝子学、アルツハイマー病の分子生物学など。
著書に『100歳まで元気に生きる食べ方』(三笠書房)、『ココナッツオイルでボケずに健康』(主婦の友社)、訳書に『小麦は食べるな!』(日本文芸社)などベストセラー多数。



■小麦に含まれる「グルテン」が脳を鈍くしている!?

セルビア出身の男子テニスプレーヤー、ノバク・ジョコビッチ選手。彼は世界ランク3位で伸び悩んでいたとき、ある簡単な検査でグルテンに過敏な体質を持っていることを知った。

そこで彼は14日間、グルテンを含む小麦食品を一切断った。すると体調がよくなり、パフォーマンスもアップした。2週間後、再びグルテンを含むベーグルを1個食べてみたところ、その翌朝は体のキレが悪く体力が続かなかったという。

「腸管に炎症が起きていたんですね。『リーキーガット』になっていたんです」

普通、小腸の粘膜を覆っている細胞は、1つ1つが規則正しく結びついて並んでいるのだが、グルテンアレルギーがあると、この細胞の結びつきが崩れて緩み、腸管に穴が開く。すると中から毒素が漏れ出し、それが脳へと到達して「キヌレニン」という神経毒性物質を生み出すという。これが『リーキーガット』。

「『キヌレニン』が脳のニューロン(神経細胞)に作用すると、神経伝達物質が出にくくなります。つまり、『キヌレニンがジョコビッチ選手の脳を犯していた』ということです」

ジョコビッチ選手は本格的に小麦食品を除去し、良質なタンパク質や脂質を十分に摂る食生活に変えた。そして世界ランキング3位から1位へと上り詰め、快進撃が続いている。

「グルテンを除いた影響ですね。相手がボールを打ってから次の動きを始める前には、信号が脳のいくつかの『シナプス』を経由するんですが、そのシナプスの結合が良くなったんです。相手が打った瞬間に動けるから、ストロークが安定したんでしょう」

グルテンを断つことで、脳の働きがよりスムーズになった。逆に言えば、“グルテンが脳の働きを悪くし、動きを鈍らせていた”ことになる。実際に映像で観てみると、同じトップクラスの選手と比べてみても、動きの速さが段違いであることがわかる。

「こういうことが、小麦で起きているんです。『パンがあなたを殺す』というのはそういう意味です。たとえ全粒粉のパンを食べたとしても同じです。『脳の中が空っぽ(Grain Brain=穀物脳)になる』、ということなんです」


■“袋入りパン”が売られているのは、実は日本だけ!

ジョコビッチ選手はグルテンに過敏性があった。だが、私たちはどうなのだろう?

スーパーやコンビニなど街のいたるところで“袋入り”で売られているパン。日本で流通しているような“ふわふわ”と伸びがよい、“日持ちする”パンを作るためには、グルテンを多く含む「強力粉」を使う必要がある。

日本での強力粉の自給率は1%程度。そのため輸入に頼るしかない。日本のパンの原料となっている小麦は、ほとんどがアメリカやカナダからの輸入品なのだ。

「フランスでパンといえば『バゲット』で、強力粉は使いません。日持ちしないので、パンを買いに、街のパン屋さんに足を運ぶわけです。

パンがビニール袋に入って売られているのは、日本だけです。

日本ではこれ(袋入りの食パン)が普通のパンだと思っていますよね? 学校給食でも袋入りで配られますからね。でもこれ、もともとが『強力粉』を使わないと作れないものなんです。100%、輸入小麦を使わないと作れない仕組みに、最初からなっていたわけです」


■あなたのイメージする小麦は、“本当の小麦”?

いくつか、小麦の穂の写真を見せていただいた。広々とした畑の中で、ゆらゆらと穂をなびかせながら大きく育つ…。小麦にはそんなイメージがある。しかし、1960年から1980年までの間に行われた度重なる品種改良によって、小麦はその姿・形を大きく変えた。

「現在作られている小麦のほとんどがこれです」。
白澤先生がそう言って指し示した小麦は、1960年代に作られていた小麦と比べ、背丈は半分以下。大量の化学肥料や農薬を使わないと育つことができない。

『小麦は食べるな!』(Dr.ウイリアム・デイビス著)によれば、現代の小麦は、収穫量を増やし、病気や日照りなど環境への抵抗力をつけるために、“異種交配”や“遺伝子情報の大幅な変更”が繰り返され、高い生産性をもつ矮性小麦へと変わった。現在、世界で作られている小麦の99%が、こうした矮性小麦や半矮性小麦だという。

グルテンの含有量が少ない昔の小麦では、“ふわふわ”した食感のパンやパンケーキは作れない。品種改良によってグルテンの量が増えたからこそ、より“ふわふわ”な食感になる。つまり私たちは、昔とは性質の違う、「体が受け入れる準備が整っていない」小麦を食べているらしい。


■誰もが、グルテンで脳に“炎症”を起こしている

小麦グルテンによって小腸が損傷する「セリアック病」という病気がある。これはごく少数の人がかかる小麦に反応する自己免疫性疾患だ。
しかし、「セリアック病」でないからといって安心できる訳ではない。この病気でなくとも、グルテンを適正に処理できない過敏症である可能性があるという。

「小学校の頃から炭水化物ばかり食べさせられてきて、グルテンに対するアレルギー検査も受けていない。それにコレステロールの多い食事も摂っていないでしょう? 条件的には、日本人はほぼ、腸管に穴が開いているとしても不思議ではありません。ほとんど日本人全員にあてはまるのはないでしょうか、彼(デイビッド・パールマター)が言っていることは」

つまり私たちの誰もがグルテンに過敏であり、「脳」にグルテンの影響を受けている可能性が極めて高い、ということなのだ。

さらに、グルテン以外の「糖質」、「炎症を促進する食べ物」、「環境有害物質」などが組み合わさることで、脳への影響が加速する…と著者は指摘する。

「1日の糖質は60g以下に、と彼は言っています。そうしないと脳に炎症が起きてきます。『キヌレリン』という毒が発生して、脳を犯すんです」

今まで小麦を食べてきた量によって、その影響に差は生まれるのだろうか?

「彼は『(小麦以外も含む)炭水化物の影響は蓄積される』と言っています。人生において、炭水化物を食べれば食べるほど脳が燃えている時間が長くなり、脳の中の空洞が大きくなる、と断言しています。濃厚に食べていればそれだけ、たとえ生きている時間が短いとしても、『脳が空っぽになる』と」


■ふわっふわの美味しい「パン」が、心の病の原因に

実際に「小麦を断つ」、ただそれだけのことで、うつ病や統合失調症、注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症、記憶・認知障害などの精神や行動にかかわる病が治った、という多くの例が存在する。

グルテンにはまた、強い依存性がある。グルテンが胃で分解されると、アヘンに似た作用を持つ「エクソルフィン」という物質に変わる。それが脳の“関門”をするりと突破し、脳内に入り込む。すると「おいしい!」「最高!」という恍惚感を生み、依存性を引き起こす。

「パンを食べて『ふわっ』とした快楽が脳に走るのは、血糖が上がったからではなくて、エクソルフィンが脳まで行き、『アヘン受容体』と結合したからなんです。つまり、神経回路が行動を制御している、ということです」

精神の病を引き起こす“だけでなく”、脳などの神経系組織を破壊し、しかも依存性がある。それが多くの食品に含まれているとなれば、問題が大きいのではないか?

小学生は給食でパンを食べている。集中力を保てない、疲れやすい、キレやすい、アレルギーの増加…。ちょうど1980年代頃から指摘され始めた子どもたちのこうした変化も、小麦がひとつの要因となっているのだろうか?

「まず、すべき事は『パン』を食べないこと。給食でも、みんなで『パン』を食べなければいい、ボイコットすればいいんです。牛乳も本当はやめるべきなのです」


■問題は「パン」だけではない!

“小麦を断つだけ”で、慢性疲労、自己免疫疾患、アレルギー、関節炎、偏頭痛、じんましん、心臓疾患、といった多くの原因不明の病気が治ることがある。つまりそれだけ、小麦がいろいろな病気の引き金になっているということだ。アメリカでは、小麦をやめてお米を食べる人が増えてきているという。

しかし、パンをほかの穀物に変えればいい、という問題ではないと、白澤先生は指摘する。

「パンをやめて、うどんを食べていたら意味ないですし、グルテンフリーにすればいい、というわけではないんですよね」

炭水化物(糖質)が多くの現代病の原因になっている。したがって、なるべく健康でいたい人はまず、糖質の摂取量を減らさなければならない。糖質を摂ることで“糖化反応”が加速し、体のあらゆる組織を酸化させる。“健康にいい”イメージのある全粒粉のパンも、グラノーラも、ブランのシリアルも、その本体は糖質であることに変わりはない。血糖の急上昇を招き、体にダメージを与える。

「グルテンフリーが健康にいい、というわけではないんです。全粒粉のパンが健康にいい、と勘違いしてたくさん食べた結果がこうなっている(糖尿病などが増えている)のです。肝心な部分を理解していないと、グルテンフリーを食べて病気が増えた、という話がおそらく何十年か後にまた繰り返されるでしょう」

世間では、ある特定の“機能性”だけに着目した食品や情報があふれているが…。

「体にいいものを摂り入れれば『毒』がなくなるかというと、そうではない。何かを足せばいい、混ぜればいい、という発想は間違っています。いくらブロッコリーを食べても、いくら白米に雑穀を混ぜても『毒』は相殺されない。『毒』は取り除かなければ意味がないのです」

“低糖質”をアピールした食品を目にする機会も多くなった。もちろん、それで健康になれるというわけではない。重要なのは、食生活全体のバランスだ。ただ、その“食生活のバランス”にもまた、問題がある。「コレステロールは体に悪い」という誤解が、あまりにも世間一般に浸透しているからだ。

なぜ、コレステロールに関して、こうした認識が広まってしまったのだろう? その背景にある“いろいろな事情”についても、私たちは知っておいた方が良いだろう。

続:「コレステロールは体に悪い」は嘘だった!? 白澤卓二先生に聞いた、危険な食べ物の“本当の話”(ウレぴあ総研)


花粉症対策としてのグルテンフリー

2019-06-19 18:32:20 | 思想、哲学、宇宙論


花粉症対策としてのグルテンフリー




2019年03月15日

免疫
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永年ひどい花粉症に苦しんできたのが今年は治ったのかというほど軽くなりました。いろんなことを試し、最後は徹底して食事を変えたのが功を奏したようですが、このところ、しばらく出張が続いて昔食べていたようなものを食べる機会が増えてしまい、花粉症も少し戻ってしまいました。 また新しい食事スタイルに戻すと楽になってきました。 



どう変えたのかをご紹介したいのですが、簡単にはいかないのです。 こうすればいいんです、と簡単な方法で書ければ書くのですが、中途半端に真似をするとかえって悪化します。



とことん食事を変える前に、まず最初にグルテンフリーに変えてみました。これとて単純なものではないのですが、とりあえず小麦粉製品は食べないのが基本です。 

これ花粉症の話ですので。

小麦粉製品をやめたらがんが治るなどと書いてませんので。 

がんを食事だけで治すなど、それは無理な話です。 

あくまで花粉症を軽くする話です。



グルテンフリーは今や欧米では当たり前に知られていますが、爆発的に認知されるきっかけになったのはピザ屋の息子として育ったジョコビッチ選手が、自身のご体験を出版されたことです。 どうにもパワーがでずに試合で勝てなかったジョコビッチ選手が小麦粉製品をやめ、食べるもの全体を変えたところ、体力と集中力が続くようになり世界トップに上り詰めたのですから、説得力があります。 



重要なポイントは顕著な病状があったわけではないということです。体力がつづかない、だるい、頭がぼんやりする、集中力が続かない、といった特に病気と考えられるような症状はないもののスポーツ選手としては致命的なほど能力をフルに発揮できない状態からグルテンフリーによって脱出したということです。



小麦粉製品を食べなければ即ちそれがグルテンフリーなのかというとそうはいかないのですが、何よりもまず小麦粉製品を食べないようにしないと話が始まりません。 



主な注意点は3つあります。



一つ目は小麦アレルギーとグルテンによる障害は別物だということです。 グルテンによる障害は長期にわたってジワジワと明確で顕著な病状を示さずに進行していきますので一般的な診断にはひっかかりませんし、本人も病気だとは思っていません。



グルテンフリーとかいうけど自分に関係があるのか、と。 まずお医者さんのところへいって小麦アレルギーがあるかないか調べてみよう。 そうするとほとんどの人が「ありません」と診断されます。私は小麦粉製品を控えるようになって劇的に体調がよくなりましたが、小麦アレルギーと診断されたことはありません。 小麦アレルギーは特定小麦成分に対する非常に過敏な免疫応答のことを言っており、小麦アレルギーと診断されるほど過敏な人は非常に稀です。 小麦アレルギーの人はうっかり小麦製品を食べてしまうととんでもないことになることもあります。 知人で体温が42度を超えた人もいましたが危険なレベルの急激な免疫応答を来すことがあります。



一方、グルテンによる障害というのはもっと長期的にジワジワとむしばんでくる慢性症状です。これは保険診療で検査できるようにはなっていません。 あまりにも長期的にじわじわとくるため、ほぼ本人が自覚することはできません。 実は症状を自覚しているのですが、自分はそういう体質だと思っているわけです、永年そうだからです。 小麦アレルギーの検査などを受けるのは構いませんが、一般的な疾病の診断の結果が特に病気ではありませんよ、ということになってもグルテンフリーは試してみる価値はある、ということです。



二つ目は、徹底してやらないと何の効果も実感できません。身の回りでグルテンフリーに挑戦した人の7~8割は劇的な効果を実感され、一体、今まで何を食べていたのか、というほど感動し、見た目にも明らかに「恰好よく」ボディラインが変わり、肌の艶もよくなり、体の動きにキレがでてきます。 2~3割の人はほとんど何の効果も見られないのですが、よくよく聞いてみると、いやたまにラーメンは食べている、とか、週に何回か小麦粉製品の塊を食べているようで、こういう場合、ほぼ効果はでません。 一方、3週間、徹して小麦粉製品を断った人が、その後うっかり小麦粉製品をある程度大量に口に入れてしまうと「大爆発」することがあります。 腸内のグルテン分解酵素が弱くなったからと説明されていますが、一度、始めたら戻るのは大変になるようです。



三つ目。これが一番、問題です。グルテンフリーを始めた人は最初のうちはルンルンしていても、やがて困ったことになったり、症状が戻ったりします。 ひどくなる人もいます。 まず食べるものを探すのに苦労します。そのため他に食べるものを必死に探すのですが、これがいいと、代替食を確保したと思った時、危険な罠の入り口にいるのかもしれません。 たとえば豆乳がいい、ヨーグルトがいい、とそういうものを小麦粉製品の替わりに大量に食べたら小麦粉製品より有害かもしれません。 結局、グルテンフリーを始めたものの、前よりひどくなったぞ、ということになりかねないのです。 



世の中、そこそこ以下の価格で手軽に食べることができる加工食品にはほぼ小麦粉が使われています。 数億トン単位で量産され、徹底した「戦略価格」で提供され、巨大エレベーターに貯蔵され、シカゴ商品先物市場でのリスクヘッジ機能も高く、少々、天候不順であろうが、巨大ハリケーンが襲おうが、そんな影響をうまくリスクヘッジして低く安定した価格で物量が途絶えることなく、様々な規格に微粉加工され、注文すればすぐに届く物流システムが世界規模で整備され、加工装置も安価にどこでも手に入ります。 大抵、どんな加工食品を作るにあたってもほどよい粘り気など、食品加工事業者が求めるテキスチュアを実現できる様な細かなテクニカルサービスのサポートもあります。 これに保湿機能を高める糖アルコールや、低カロリーで甘味をだすインテンスィブスゥイートナー(サッカリンやチクロ、アスパルテーム、アセサルフェームポタシウムなど)、リン酸系の保存剤など、流通プロセスに載せた際に賞味期限を永く保てる配合についても徹底したサポート体制があります。  

サッカリンやチクロを使っていいのか! という反応がありましたが、国によっては使用可です。 

ま、加工食品メーカーへの食品添加物の供給やフォーミュレーションのコンサルとか、そういう仕事もやっていましたので、よく売れている加工食品は日米欧、大体、どうやって作っているのか観てきました。 私自身はよりによってグルテン強化剤の仕事を担当していましたので、世の中のどの製品がどれほど「強烈」なグルテンを含んでいるかはよく知っています。 確かにイタリアのパスタは強烈で、その上をいくのは冷凍してあっても腰が強いサービスエリアなどででてくるうどん。 あれは最強のグルテン構造の更にその上をいくトランスグルタミナーゼという酵素を使った仕掛けがしてあり、なので茹で上げようが、冷えようが、粘りが落ちないのです。 いい仕事をしてきたつもりが、自分がそういうものを永年、食べ続けて今ごろになってひっくり返ってしまったわけですね。



ちなみにグルテンというのは小麦に「入っている」のではありません。 小麦に含まれるレクチンといわれるタンパク質があります。植物のタンパク質といえばレクチンが圧倒的に多いのですが、NK細胞もこのレクチンにそっくりの構造のセンサーをいくつももっており、これでがん細胞と正常細胞の表面にある糖鎖構造を認識します。 細胞認識には、ペプチド構造ではなく、糖鎖構造が重要で、その認識センサーを多種大量に備えているのがNK細胞の特徴で、だから、がん細胞をよく認識できるのです。 レクチンは糖質に高い親和性(結合性)をもちます。 糖鎖の研究者にレクチンはなくてはならない実験材料です。 

さて小麦を微粉にして、水と混ぜてよく練ると、小麦レクチンがお互いに結合しあって巨大分子を構築します。 これがグルテンです。 温度や塩分によってもグルテンのできやすさが変わります。 グルテンは粘りの元になりますのでアルデンテのパスタはグルテンの塊、しかもシステインやシスティンというグルテンエンハンサーを大量に混ぜてありますからかなり強大なグルテンとなります。 天ぷら粉は粘りも弱く、油で高温であげてますので、食べてもあんまりグルテンは残っていません。 パンはグルテンリッチですが、ドイツ人が普通に食べている黒いパン、彼らはそれをパンと呼び、白いパンを「白パン」とか「英国風のパン」と呼ぶんだそうですが、小麦比率が低いか使っていないパンはあまりグルテンが入っていません。 本格的に作られたクロワッサンにはグルテンはほとんど含まれません。 天然酵母でしっかり長時間醗酵させていれば、グルテンは「食われて」います。 その分、パサパサした食感になります。 醤油に小麦が使われていようが、うちの工場では同じラインで小麦を使っていますと表示されていようが、グルテンフリーを目指すなら、そんな微量のものはどうでもいいのです。 全く問題ありません。 小麦アレルギーの人なら、微量なものでもアレルギー反応が起きることがあります。 グルテン問題は、大量に取らないと症状はでません。 



このグルテン、何がどう悪さをするかは別の機会にしますが、とにかく全身いたるとこに慢性的な炎症を起こします。 劇症化すればだれもが自分は何か病気だと思うのですが、じわじわと炎症が持続していると、本人は全く自分が病気とは思いません。 あまりにもどこのだれもがそうですので、ごく普通の状態として特別に意識されることもありません。  それでも長期間、何十年という単位で持続することで様々な疾病につながると考えられていますが、長期的な慢性的な問題の研究は難しいわけで、まずは、グルテンはやたらと方々で炎症を起こしまくる、ここまでをまず押さえることです。 一番の問題は、疑似抗原として自己免疫疾患を誘導することなのですが、米国では盛んに研究されてきましたが、日本ではあまり知られていません。 お医者さんと話をしても米国事情をよく調べている人でないとほとんどご存じないようです。





ちなみに私の場合はパスタを食べ過ぎた後、ひっくり返るほど強烈な炎症反応が消化器系や関節を襲い、更には心臓や呼吸まで異常を来し、それまでにも何なんだ、この症状はというのが年に何度かですが、何回か繰り返し、医師に相談しても原因はよくわからなかったのです。  これはやばいぞ、という警戒心がありましたし、強烈な症状がでたものですからグルテンを疑い、(そういえば、小麦粉製品をドカ喰いした時に、数時間後か夜中に強めの症状がでていたな、、、 ) まあ、試しにやってみよう、と強い動機がありました。 するとそれまで何十年も実は全身、かなりの炎症反応が持続していたということに気付きました。 ずっとそうだったのでわからなかったのです。 小麦粉製品をやめたら体がすっきりして、余分な水分が抜けた、という感じです。 全身の方々に時々でていた発疹がなくなり、関節の微妙な腫れや痛みもなくなり、食べ過ぎた後によくなっていたブレインフォッグも晴れ渡りました。夜の睡眠も深くなりました。 炎症反応というのは免疫反応の一種ですから、全身のバックグランドとしての炎症状態が軽くなったのなら、きっと花粉症も軽くなると「思った」からそうなったのかもしれませんが、もの凄く楽になりました。 



ところが、グルテンフリーを始めて3年ほどすると、また以前のような症状が出始めたのです。





今度は、米を大量に食べた時でした。



米にもグルテンと同じ構造体をつくるレクチンが含まれていますから、グルテンフリーの話を最初に聞いたときから、小麦ばかり悪者にするが、穀類どころか、ほとんどの植物はレクチンだらけではないか、小麦だけの問題ではないだろう、ということは気付いていました。



結局、穀類全部見直し、では何を主食に? と聞かれるのですが、いえ主食という概念を捨てたのです、ということになります。 今は、麦も米も芋も食べません。 するとグルテンフリーに変えた時より更にずっと体調がよくなり、花粉症治ったのかもレベルまで改善したのです。 では肉しか食べないのかというと、ドカ食いしていた大好物の牛肉も少し食べれば体が動くので食べる量は減りました。 無駄に炎症反応でエネルギーを消耗していたのが燃費がよくなったわけですから、そんな少しで大丈夫なの? と驚かれるほど少食にしてもお腹がすかなくなり体重も減りません。  ただ野菜の量は葉っぱものを中心に増えています。 しっかりと繊維をとらないとお腹がすっきりしません。 以前はあまり食べなかった油脂もわざわざ摂るようにしています。 これ書いていくと、けっこう、大変なボリュームになり、しかも人によって体質は違いますし、同じ人間でも体調というのは日々、変化しますので、「こうやれば大丈夫」とは言えないのです。 ほとんどの人が「何を食べればいいのか」と固定された正解を求める傾向があるようですが、そうやって何を食べればいいのか決めつけてしまうところから病気の元が始まります。 ここから先はまたの機会に。






【実録】小麦粉抜き・グルテンフリー生活 2週間チャレンジ《後半》

2019-06-19 16:03:06 | 思想、哲学、宇宙論

2019年4月27日 投稿者: yamamoto

【実録】小麦粉抜き・グルテンフリー生活 2週間チャレンジ《後半》


小麦アレルギーでも美味しく食べられるお菓子をつくろう

そう決断した背景と、どのように実現していくかという試行錯誤の背景をご紹介いたします。

春先と秋口にやってくる鼻炎と頭痛、カゼ気味のような倦怠感。その原因はもしかして小麦に含まれるグルテニン?

小麦粉抜き・グルテンフリー生活2週間チャレンジも1週間が経過し、体調にも変化がでてきました。小麦アレルギーでも美味しく食べられるお菓子をつくる。その意味はなにか。誰に喜んでもらいたいか。そんな思いを実現させるための過程を綴ります。



【実録】小麦粉抜き・グルテンフリー生活 2週間チャレンジ《後半》


Contents
グルテンフリー生活1週間のおさらい01 |
8〜9日目:生活のリズムが整ってくる02 |
10日目:ひらめき?冴え?なんだこの感覚03 |
11〜12日目:出張での出来事04 |
13日目:体重が減った!05 |
14日目:食べるということを考える。身近な人を思い出してみる06 |
15日目以降:もう少し続けよう。そして。07 |

グルテンフリー生活1週間のおさらい

ここから、読んでいただく方にもご理解いただくために、小麦粉抜き・グルテンフリー生活2週間チャレンジの前半1週間をダイジェストでおさらいします。
1.自宅での食事はなんとかなるが、外食で小麦粉抜き・グルテンフリーを実践するのは大変。
2.ケーキ類など洋菓子系の甘いお菓子はほどんど食べられない。
3.和食は、小麦粉抜き・グルテンフリー生活の味方。
4.3日目あたりから、朝の目覚めが良くなる。鼻の通りも良くなる。
5.4日〜5日目あたり、頭の中がすっきり。頭の中にあったモヤというか霧というかそんな感覚のものがなくなり、むくみも消える。
6.小麦粉を取らない食事にもずいぶん慣れる。コンビニで昼食を買う場合でも、ちゃんと成分表を見るようになる。
7.小麦抜き・グルテンフリーを続ける上で、大勢での食事会は食べられるものが限られる。

あくまでも私が体験したこと、感じたことです。そして、そんな私の小麦粉抜き・グルテンフリー生活2週間チャレンジの後半がはじまります。

8〜9日目:生活のリズムが整ってくる

小麦粉抜き・グルテンフリー生活を初めて2週間目突入です。1週間を経過してまさかこんなに変化がでるのかという喜びと嬉しさで気分は上々。

生活のリズムも随分変わったように思います。食べ物を変えただけ。小麦粉抜き・グルテンフリー生活をはじめただけなのに。

不思議なもので、生活の一部を変えると、その後のリズムも変わっていきました。就寝時刻も安定し、寝付きもよければ、目覚めも良い。そしてお通じも良くなったようです。きっと腸内も変化したのでしょう。

主食は白米で、献立は基本的に和食メニューです。今更ですが、私が知る(偏ってるかも知れませんが)古き良き日本食に、小麦粉はほとんど使われていないと改めて気づきました。

10日目:ひらめき?冴え?なんだこの感覚

寝付きと寝起きが良くなり、鼻の通りもよくなる。そして頭の中のモヤが減りすっきりする。お通じもよくなる。これだけでも劇的な変化ですが、小麦粉抜き・グルテンフリー生活10日目にしてまた違う感覚が加わる!

それは、仕事上で、ひらめきや冴えがよくなったということです。

うまく表現しづらいのですが、これまでは思いつかなかったことが思いつく。例えば、次のようなことです。
◎今の課題の原因は、これだ。
◎あれとそれは、こう繋がっているはず。
◎きっと、次にこうなるから、先に準備しておこう。
◎これまでうまく表現できなかったことが、図式でまとめられる。

みたいな感覚です。思考のつながりがよくなったのでしょうか。あまり書くと自己啓発系のように思われるかも知れませんが、実体験したことです。

あと、間食に大豆も食べるようになりました。(これがひらめきや冴えと関係するのかは不明ですが)

11〜12日目:出張での出来事

ここまでかなり順調な小麦粉抜き・グルテンフリー生活を過ごしてこれた私の前に、新たな試練が立ちはだかります。といっても6〜7日目に体験したことの発展版というお話しなのですが。

たまたま2日間の東京出張があったのです。東京出張は初めてではありません。むしろ10年以上毎月数回に渡って出張をしています。

ある意味、慣れた東京出張です。

一人で取る食事は、コンビニのおにぎりなどでなんとか過ごせますし、これまでの小麦粉抜き・グルテンフリー生活のおかげで一人でランチという際もすぐにお店を探せます。

しかし会食はそうもいきません。仕事の取引先との食事会の東京編です。

まず、店選びでご迷惑をおかけしました。

私一人なら店を選ぶ段階から「小麦粉をつかわない飲食店」を選びます。しかし、出張先では私がお店を選ぶのではなく、取引先の方がお店を選んでくださる場合が多い。

なので「大変恐縮ですが、小麦粉をつかわない飲食店でお願いします。」というお願いをするのですが、小麦粉抜き・グルテンフリー生活をされていない方からすると、それってどんなメニューがだめで、どんなメニューが良いの?ということになるのです。

そして、わかりやすくお寿司とかになる。ほんとに恐縮です。カジュアルな焼き鳥や、肉バルもあったはず。本当にお気遣いいただき恐縮するばかりでした。

13日目:体重が減った!

東京出張から帰ってきた翌日(13日目)。約2週間ぶりに体重計にのりました。

体重計にのってびっくりです。

1.6Kg減っているのです。

9ヶ月ほど前から1日の歩く歩数を増やし、ジムでも筋肉量を増やすトレーニングと有酸素運動を続けてきました。結果、多少脂肪が落ちたものの、その分筋肉量が増えたので体重自体は ぼぼ横ばいでした。

体重1.6Kg減。

ここ最近 体調を崩してやつれたわけでもありません。むしろ小麦粉抜き・グルテンフリー生活をはじめて以降、体調は明らかに良い。

変えたのは食生活。小麦粉抜き・グルテンフリーにした効果なのか。

そんなことを思いつつ、体重計から降りて改めて鏡を見つつ腰回りを確認。

やはり ちょっとすっきりした感じ。べルトの穴1つ分とはいかないまでも、少しだけベルトにゆとりがありました。

もちろん 何らか他の原因で体重が落ちたのかも知れませんが、これも私が小麦粉抜き・グルテンフリー生活の中で体験したことの一つです。

14日目:食べるということを考える。身近な人を思い出してみる

そして、いよいよ小麦粉抜き・グルテンフリー生活2週間チャレンジの最終日です。

今思うと俗っぽくてお恥ずかしいのですが「14日頑張ったら、ラーメンと一緒に餃子を食べて、ビールも飲もう」と思ってはじめた小麦粉抜き・グルテンフリー生活2週間チャレンジの最終日です。

今日までの14日間で体感したこを改めてまとめると以下のようなことでした。

【小麦粉抜き・グルテンフリー生活の食生活】
1.自宅での食事はなんとかなるが、外食で小麦粉抜き・グルテンフリーを実践するのは大変。
2.ケーキ類など洋菓子系の甘いお菓子はほどんど食べられない。
3.和食は、小麦粉抜き・グルテンフリー生活の味方。
4.小麦粉を取らない食事にもずいぶん慣れる。コンビニで昼食を買う場合でも、ちゃんと成分表を見るようになる。
5.小麦抜き・グルテンフリーを続ける上で、大勢での食事会は食べられるものが限られる。
6.小麦アレルギーの方々、小麦アレルギーのお子様をもつ親御さんは、本当に大変。

【小麦粉抜き・グルテンフリー生活で感じた効果】
1.3日目あたりから朝の目覚めが良くなる。鼻の通りも良くなる。
2.4日〜5日目あたり、頭の中がすっきり。頭の中にあったモヤというか霧というかそんな感覚のものがなくなり、むくみも消える。
3.8日〜9日目で生活のリズムが変わったと実感。
4.10日目にはひらめき、冴えを感じる。
5.13日目に体重が落ちたことを実感。



そして、最終日を迎えると「14日頑張ったら、ラーメンと一緒に餃子を食べて、ビールも飲もう」とはなりませんでした。

当初はチャレンジではじめた小麦粉抜き・グルテンフリー生活の14日間。この14日間で、これまでに無い経験をしました。

そして今は、食べるということを考えるようになりました。自分の身近な人で小麦アレルギーの人はいなかったかを考えるようになりました。

食べることは、生きること。生きることは食べること。

何を食べるかで体が形成される。当たり前に食べていると分からないけど、ほんの少し意識して「何を食べる。何を食べない。と決めるだけ」そうした積み上げで私達の体も生活も変わるのかもしれない。

私の場合、病院に行って小麦アレルギーもしくはグルテン不耐症(グルテン過敏症)という診断を受けたわけではないですが、私と同じように「原因が特定できない鼻炎と頭痛、カゼ気味のような倦怠感」を感じる人も小麦粉抜き・グルテンフリー生活は良い効果をもたらすのかも知れません。

自分の身近な人で小麦アレルギーの人はいなかったか。

小学生のころ、確かにいました。小麦アレルギーだったと思います。みんなと違うメニューでした。食べたくても食べられなかった。当時は気づきもしなかったことです。

正直、小学生の頃の私はそんな友達に対して「なんで好き嫌いするの」と思っていました。小麦粉抜き・グルテンフリー生活を経験した今はそうは思いません。

無知を恥ずかしく思うと同時に、今回の小麦粉抜き・グルテンフリー生活で「知ること体験することの大切さ」を学びました。

知らないことを知る。そこに困っている人がいる。

今回の場合は、小麦アレルギー・グルテン不耐症(グルテン過敏症)・セリアック病の方々は、生きる上で最も大切な”食べる”ということで困っている。そう強く思ったのです。

15日目以降:もう少し続けよう。そして。

そして、15日以降。これまでの小麦粉抜き・グルテンフリー生活で明らかに体質の変化を実感しました。もう今の体質であり生活が当たり前になりつつある中で、これまでのように小麦粉を食べることで、体質が戻ってしまうのではないかと少し怖くなりました。

もう少しだけ小麦粉抜き・グルテンフリー生活を続けてみよう。そう思いました。

そして、もう1つ。

小麦アレルギーでも美味しく食べられるお菓子をつくろうと思ったのです。

コンセプトは「同じ食べものを笑顔で食べられる幸せを。」






NG食品は? 栄養療法のプロに聞いた「グルテンフリー」の効果が想像以上だった

2019-06-19 12:14:56 | 思想、哲学、宇宙論


NG食品は? 栄養療法のプロに聞いた「グルテンフリー」の効果が想像以上だった

ライフスタイル2019.04.03by 新R25編集部



海外セレブの流行から日本に渡ってきた「グルテンフリー」という言葉。食品に含まれる「グルテン」を避けることを指しています。

このグルテンフリーに対して「意識が高い人の食事」といったイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。

でもビジネスパーソンとは縁が遠いものかと思いきや、どうやらグルテンフリーを実践することで、仕事のパフォーマンスを上げる効果もあるとか…!?

というわけで、グルテンフリーの効果やデメリット、実践する際のポイントなどを、食事療法のスペシャリストに伺ってきました。

〈聞き手=松本紋芽〉








【溝口徹(みぞぐち・とおる)】1964年神奈川県生まれ。横浜市立大学病院、国立循環器病センターの勤務を経て、1996年に辻堂クリニックをオープン。2003年、日本初となる栄養療法専門クリニック・新宿溝口クリニックを開設。独自の栄養学的アプローチで、精神疾患をはじめとする数多くの疾患の治療にあたっている。主な著書は『2週間で体が変わる グルテンフリー健康法』(青春出版社)など



目次

1
グルテンって何のこと?どんな食品に入ってるの?
2
グルテンはなぜ身体に悪いと言われてるの?
3
グルテンフリーの効果とは? どんなメリットがあるの?

ダイエットに効くかも!?

集中力が高まるかも!?

頭痛にも効くかも!?

アレルギーへの好影響も!?

イライラの軽減や、暴力の改善傾向も!?
4
グルテンフリーにするデメリットはないの?

栄養面でのデメリットはほとんどない
5
グルテンフリーな食事をするときのポイント

ポイント① まずは2週間チャレンジする

ポイント② 乳製品も一緒に抜くのがおすすめ

グルテンって何のこと?どんな食品に入ってるの?


松本


松本


まず「グルテン」って何なんですか? 改めて教えてください。


溝口先生


溝口先生


グルテンは小麦などの穀物に含まれている、たんぱく質の一種です。ぬるま湯くらいの温度で小麦粉と水を合わせてこねると発生するものなんですよ。

パンってモチモチ・ふわふわしているでしょ? あの感触を作ってる成分です。


松本


松本


なるほど。どんな食品に入っているんですか?


溝口先生


溝口先生


たとえば下記のようなものに含まれています。


<グルテンが含まれている食品の例>

・クッキー
・ケーキ
・うどん
・パスタ
・ラーメン


松本


松本


だいたい「小麦粉を使うものにはグルテンが入っている」っていう感じなんですね。








溝口先生


溝口先生


そうですね。日本国内では 10ppm(全体に対する0.001%を意味する)以上の小麦が入っていたら「小麦アレルギー表示」をすることになっています。(参考:農林水産省「欧米・豪州等6か国、組織におけるグルテンフリー表示に係る調査報告書」)

なので、それがグルテンフリーの生活をする際に避ける基準になると言えますね。

グルテンはなぜ身体に悪いと言われてるの?


松本


松本


でも、みんなパンやパスタなどをおいしそうに食べてますよね。グルテンってそんなに避けなきゃいけないものなんですか?


溝口先生


溝口先生


カンタンに言うと、グルテンは分解されにくいという特徴があるので、腸の中にとどまります。つまり、体の異物になってしまうんです。








溝口先生


溝口先生


さらにその物質が腸の粘膜に“くさび”のように入り込むので、便としても出ないし、栄養としても吸収されません。

そうすると粘膜が炎症を起こし、体の不調や肥満などにつながるんですよ。

グルテンフリーの効果とは? どんなメリットがあるの?


松本


松本


グルテンフリーの生活にすることで、具体的にはどんな効果があるんでしょう?


溝口先生


溝口先生


人それぞれなので一概には言えませんが、以下のような不調で悩んでる人にとっては、試してみる価値があるかもしれません。


・疲れがとれない
・常に体がだるい
・頭痛や肩こりがある
・関節痛がある
・腹痛や下痢、便秘を繰り返す
・ダイエットをしている
・つい食べすぎてしまう
・食後に膨満感や胃もたれがある
・アトピー、ぜんそく、花粉症などのアレルギーがある
・肌荒れや乾燥肌に悩んでいる
・集中できない
・イライラする
・生理不順や重い生理痛がある(女性の場合)

ダイエットに効くかも!?


松本


松本


たくさんの好影響が考えられるんですね。たとえばダイエットへの影響ってどういう風に起きるんですか?


溝口先生


溝口先生


先ほど説明したようにグルテンによって粘膜に炎症が起きると、肥満の原因になるタンパク質「サイトカイン」が細胞から分泌されるんですよ。

そこでグルテンの摂取をやめてみたら、サイトカインの分泌が減り、そのおかげで体重に変化があったという報告があります。


松本


松本


なるほど! 「グルテンフリーがダイエットに効果がある」と聞いたことはあるんですけど、正直なところ意味ないんじゃないかと疑ってました(笑)。

集中力が高まるかも!?


松本


松本


「集中できない」という人にも試す価値があるんですよね。それはなぜですか?


溝口先生


溝口先生


まず、グルテンに含まれるグリアドフィンという物質が血中に入ってくると、脳が麻薬を摂取したときのような状態になるんです。

これで興奮を覚える人もいれば、妙にイライラする人もいます。興奮状態になると、集中はできませんよね。

グルテンフリーにすればこの影響が減って、集中しやすくなるんです。


松本


松本


それはすごい! ビジネスパーソンにとって、かなりいい効果ですね。








私が仕事に集中できない原因は、これなのかな…

頭痛にも効くかも!?


松本


松本


頭痛が改善されることもあるんですか?


溝口先生


溝口先生


そうですね。偏頭痛に悩んでいる人は多いですが、その原因がグルテンの可能性もあります。








松本


松本


なるほど。グルテンの可能性を考えていなかった人はぜひ試してみてほしいですね。

アレルギーへの好影響も!?


溝口先生


溝口先生


また、私のクリニックでは、アトピーやぜんそく、花粉症の人には必ず小麦を抜くように指導しています。


松本


松本


なぜですか?


溝口先生


溝口先生


アレルギーの原因がグルテンの可能性があるからです。先ほど話したように、グルテンが粘膜にこびりついている状態だと、粘膜が弱ってしまうんですよ。

すると、本来は反応する必要がないものにまで「体によくない」って反応してしまうんです。そしてアレルギー反応が起こる。


松本


松本


そんな悪影響もあるとは…

イライラの軽減や、暴力の改善傾向も!?








溝口先生


溝口先生


ほかにも意外な効果があるんですよ。


松本


松本


何ですか? 教えてください!


溝口先生


溝口先生


発達障害のお子さんに、小麦を抜く生活を送ってもらったことがあります。それまで、お子さんはイライラすることが多かったようなんですけど、少しずつ落ち着きを取り戻したんです。

それで効果を検証するために、よくキレてしまうおじいちゃんにも小麦を抜いてもらったところ、だいぶ穏やかかになったみたいで(笑)。


松本


松本


そんなことも!? 食生活で性格まで変わるんですね…


溝口先生


溝口先生


イライラに関連して、ほかにもおもしろい現象が報告されています。

景気がよかった1988年から1989年にかけて「ふるさと創生事業」として、各都道府県の自治体に1億円が配られたんですよ。そのお金で、ある公立学校の給食のパンを玄米に変えるという試みがありました。

すると驚くべきことに、給食後の暴力件数がゼロになったんですよ。








暴力が日常的に起きていたことにも驚き


溝口先生


溝口先生


昔は、今よりも荒れている学校が多かったんです。食事を少し変えただけでこういう変化が起きたからびっくりですよね。

グルテンとイライラに関する明確な因果関係はまだ立証できていませんが、学校でおこなったのはパンを玄米に変えただけなので、「グルテンがイライラの原因かもしれない」という仮説が立てられています。

グルテンフリーにするデメリットはないの?

栄養面でのデメリットはほとんどない


松本


松本


ちなみに、グルテンフリーの生活に切り替えることで、必要な栄養が取れなくなることはないんですか?


溝口先生


溝口先生


小麦を摂らないことで欠乏する栄養素はないです。








本当ですか?


松本


松本


…ということは、小麦にはあまり栄養がないってことですか?


溝口先生


溝口先生


そうですね。小麦粉のほとんどは炭水化物なのでカロリーはありますが、玄米や白米を食べれば問題ない。

ほかにもビタミンやミネラルも入っているけれど、ごく微量だから栄養面としてのデメリットはほとんどありませんね!


松本


松本


そうだったのか… 


溝口先生


溝口先生


ただ、デメリットとして挙げるほどではないかもしれませんが、人によってはグルテンを摂取できないことが精神的にツラいかもしれません。

というのも、先ほど言った通り、グルテンには麻薬的な依存性があります。

糖質を制限するダイエットや、グルテンフリーの生活が続けられないのは、決してその人の意志が弱いのではなく、依存してしまっているからなんですよ。








松本


松本


本当に麻薬と同じサイクルじゃないですか…。そのループに入っている人、多そうです。


溝口先生


溝口先生


そうなんですよ! だから、お米はやめられるけど、パンやラーメンはやめられない人が多いんです。

もしグルテンフリーを実践することで体調を崩すような人は、グルテンが切れたことによる不調、という可能性もありますね。

グルテンフリーな食事をするときのポイント

ポイント① まずは2週間チャレンジする


松本


松本


これまで、グルテンフリーの効果やデメリットなどを伺いましたが、実践するときにはどういう点に気をつければいいですか?


溝口先生


溝口先生


まずは2週間チャレンジしてみてほしいですね。私の食事療法にのっとって、小麦をすべて抜くことをおすすめします。








溝口先生


溝口先生


体に良い変化があったら、それはグルテンが悪さをしていたせいだと考えられるので、ぜひ継続してください。続けるべきかどうかを正しく判断するためにも、2週間は抜くことをおすすめします。


松本


松本


なるほど。では、具体的にはどんな食品なら食べていいんでしょう?


溝口先生


溝口先生


厳密には挙げきれませんが、こちらを参考にしてみてください。



【食べていいもの】
豆類、卵、トウモロコシ、果物、肉、魚、ナッツ、バター、油、野菜、種実類、スパイス類、タピオカ、イモ類、お米

【食べてはいけないもの】
大麦、小麦、オーツ麦、ライ麦、グラハム、ふすま、パン、パスタ、うどん、ラーメン、トルティーヤ、パン粉、醤油、ビール、クスクス、ブイヨン

出典溝口徹 著『2週間で体が変わる グルテンフリー健康法』(青春出版社)


溝口先生


溝口先生


パンやパスタなど、小麦を使わずグルテンフリーになっている食品もあるので、どうしても食べたければ代替品を探してみてください。





米魂(ベイコン)|米粉パン専門店

米粉を使ったパンを提供しているパン屋「米魂」の公式サイト





小林生麺株式会社|27品目のアレルギー物質不使用 グルテンフリーヌードル製造販売

米粉を使ったパスタやうどんなどを販売している「小林生麺株式会社」の公式サイト

ポイント② 乳製品も一緒に抜くのがおすすめ


溝口先生


溝口先生


さらに私の食事療法では、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品も一緒に抜くように指導しています。







え…?


松本


松本


乳製品も! それはなぜですか? グルテンは含まれていないはずなのに…


溝口先生


溝口先生


実は、乳製品に含まれている「カゼイン」という物質とグルテンって、両方とも同じような悪さをしている可能性があるんですよ。

どちらかというと、グルテンが悪さをしている可能性が高いんですが、両方抜けば、より不調が改善される可能性が高いと考えています。


松本


松本


なるほど。ということは、これまでグルテンフリーにしてみて「効果がない」と思っていた人でも、実はカゼインが悪影響を及ぼしているかもしれないんですね。


溝口先生


溝口先生


その可能性はあります。だから、この2つを除外してみるといいかもしれません。


松本


松本


ちなみに、一度はグルテンを避けても、またハマっちゃうみたいなことはないんですか?


溝口先生


溝口先生


私も以前はラーメンが大好きだったんですけど、しばらくグルテンフリーを実践したら、食べたいとも思わなくなりました。

たまに食べることもありますけど、何だかお腹の調子が悪くなっちゃうんですよね…


松本


松本


大好きなラーメンを食べるよりも、小麦を抜くことによる快適さのほうが勝ったんですか…!?


溝口先生


溝口先生


そうそう! もう快適。

効果は人によってバラバラなので断言はできませんが、今まで薬で治らなかった身体の不調が一気に改善されるかもしれません。一生やれとは言わないので、まずは2週間やってみてください!


溝口先生流「グルテンフリー(小麦抜き)」のススメ

・まずは 2週間、グルテンを避けてみる
・乳製品(カゼイン)が入ったものも摂らない
・2週間を過ぎたら、継続するか判断しよう







グルテンを避けることで、働く人にとってはやっかいな「集中できない」「イライラする」という状況まで改善できるかもしれないというのがわかった今回の取材。

みなさんの不調を軽減できるかもしれないグルテンフリー、試す価値は十分にありそうです!

〈取材・文=松本紋芽(@Sta_iM)/編集・撮影=いしかわゆき(@milkprincess17)〉