2014年8月28日 09:52
太陽クリニックブログ, 統合 医療
「小児線維筋痛症」が、コエンザイムQ10の欠乏で起こることを発見――東京工科大学
非常に興味深い研究結果が出てきました。今まで当院ではコエンザイムQ10を治療に使って成果を上げてきていましたが、小児に限ってですがこのようなデータが出てきたことは喜ばしいことです。
今までにも海外では同様のデータがあり、コエンザイムQ10の投与とかマルチビタミンの投与、ビタミンDの投与が有効であるとの報告があった。今回の研究では小児線維筋痛症の原因がコエンザイムQ10の欠乏であると断定している点が興味深い。
また同時に、コエンザイムQ10の投与でも完全に症状が消失しない点も考えねばならない。複雑系の疾患であるためほかの代謝回路に異常があることも考えられる。
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http://www.u-presscenter.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=5490
東京工科大学(東京都八王子市/学長:軽部征夫)応用生物学部の山本順寛教授らの研究チームはこのたび、全身の疼痛と慢性疲労を伴う「小児線維筋痛症」(※1)がコエンザイムQ10(※2)の欠乏によって起こることを明らかにした。これは、横浜市立大学医学部小児科との共同研究によるもの。今後は同物質の投与による治療に期待がかかる。なお、同研究結果は学術誌『RedoxReport 2013』に掲載された。
【背景と目的】
「線維筋痛症」は、全身の疼痛と慢性疲労を伴う原因不明の難病で、近年、小児でも発症することが明らかになってきている。根本的な治療法はなく、ミトコンドリア機能不全による筋肉の酸化傷害が重要との説が有力とされている。こうした中、山本順寛教授らの研究チームは横浜市立大学医学部小児科の協力のもと、小児の線維筋痛症患者の血漿酸化ストレス(※3)マーカーを測定し、検証を行った。
【成果】
小児線維筋痛症の患者は、同世代の健常小児と比較して有意に血漿酸化ストレスマーカーが高いことが明らかになった。また、同患者が「高コレステロール血症」(※4)であること、体内のコエンザイムQ10が少ないことも新たに発見された。そこで、患者にコエンザイムQ10を投与したところ、高コレステロール血症の改善と疲労度の軽減が認められた。
【社会的・学術的なポイント】
小児線維筋痛症患者の酸化ストレスが亢進していることが明らかになったことで、抗酸化物質による治療が注目される。なかでも同患者がコエンザイムQ10の欠乏症であること、またコエンザイムQ10の投与により、コレステロール代謝および疲労度の改善が認められたことから、同物質の投与が有望と考えられる。