思想家ハラミッタの面白ブログ

主客合一の音楽体験をもとに世界を語ってます。

●ビートルズはドラッグの伝導者?(EJ第400号)

2009-09-06 18:11:51 | Weblog
●ビートルズはドラッグの伝導者?(EJ第400号)
 今日から「ビートルズの少し怖い話」というタイトルでロックの話をします。なお、
このレポートは、2000年6月14日から19日まで、6月26日から29日までの
8回にわたって記述したものであることをお断りしておきます。
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 今日のテーマはビートルズです。これを皮切りに断続的ではありますが、ロックの話
をしようと思います。これは少しというかかなり怖い話になると思います。
 さて、みなさんは、ロックの元祖的存在は誰だとお思いになりますか。実は、ロック
の起源については諸説があり、はっきりしていないのです。
 ロック音楽が音楽市場で日の目を見たのは1950年代とされており、この説が正し
いとすると、その元祖は、エルヴィス・プレスリーということになります。そうです。
あのロックン・ロールがロックの元祖的存在なのです。
 プレスリーの名前を世界的に広めたのは、当時の米国の超人気番組「エド・サリバン
・ショー」への出演なのです。プレスリー以前のロックは、ジャズ、黒人霊歌、カント
リー・ウェスタン、リズム・アンド・ブルースなど既成の音楽の混合物のようなもので
あり、典型的な演奏スタイルというものはなかったのです。
 エルヴィス・プレスリー、ビル・ヘイリーによって火のついたロックン・ロールは、
その後、リトル・リチャード、ビル・ハーレ、チャック・ベリーという強烈なロックン
・ローラーを生むことになります。
 そして、1963年になると、英国でビートルズが登場し、その後すぐにローリング
・ストーンが現れます。この両者は、ロックの2大バンドとして君臨します。そして、
やがてアニマルズが頭角を現して三番手につけるのです。
 さて、本来「ロック」という言葉は「ロックン・ロール」を略した言葉なのですが、
ビートルズにより代表されるロックとプレスリーによって代表されるロックン・ロール
とは、次第に音楽的に内容が変化して行ったのです。
 ごく大まかにいってしまうと、ロックン・ロールはビートルズが登場する1964年
以前のものであり、ロックはビートルズ以降のものを指すことになります。
 そして、ロックは、次のようなさまざまな音楽形式を持つ音楽として確立していくこ
とになるのです。
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       1.ハード・ロック  7.クラシカル・ハード・ロック
       2.ヘビーメタル   8.スラッシュ・メタル
       3.パンク・ロック  9.スピード・メタル
       4.デス・ロック  10.ブラック・メタル
       5.神秘ロック   11.グランジ・ロック
       6.デス・メタル
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 ロックの元祖ビートルズも、1964年2月にエド・サリバン・ショーに出演したの
ですが、日曜夜のゴールデン・アワーの時間帯で94%という驚異的な視聴率を獲得し
たのです。世界は、これをキッカケにして、空前絶後のビートルズ・ブームに突入して
いくのです。
 この時代の米国は社会的混迷期に当り、ケネディ大統領、キング牧師の暗殺事件をは
じめ、それにベトナム戦争の泥沼化が加わり従来の価値観を崩壊させる泥沼の時代にな
っていったのです。
 そして、ベトナム敗退、経済不況、失業者の増大と続くなかでその時代を担っていた
のは、ヒッピーを中心とした若者でしたが彼らは、マリファナ、LSD、麻薬などと結
びつき、サイケデリック革命なども起こったのです。
 そういう若者のあいだに芽生えた感覚主義は、実存主義、コミューン思想、社会主義
神秘主義などに受け継がれ、その中でとくに神秘主義は根強く浸透していくことになり
ます。心霊術、超能力、超心理学、東洋神秘思想、宇宙との交信術、占星術、魔術古代
宗教など多岐にわたり、それがひとつの宗教のようなかたちになっていったのです。ビ
ートルズが登場したのは、そうした時代の変動期のはじまりであり、“毒”を含んだ新
しい時代の幕開けだったのです。
 こうした時代を背景として、ロック・ミュージックは、自らのアイデンティティを求
めて強烈な自己主張を行い、それは精神の広がりもたらすドラック(幻覚剤)と結びつ
いていくのです。
 ロック・フェスティバルというと、一見宗教的なシンボルやコスチューム、荒々しく
陶酔を誘う強いビートと旋律、ドラックの使用、狂乱的なダンスがつきもの・・。これ
は、参加者にひとときの精神の解放、浄化作用をもたらす効果があったといえます。
 興味のある話があります。プロテスタントのある宣教師は、クリスチャンに改宗した
原住民たちにロックを聞かせてみたところ「これは悪霊を呼び出す音楽である」といっ
たといいます。彼らは、以前、自分たちが暗闇の悪魔的霊界と接触するときに使ったサ
イキックな刺激と同じものをロック・ミュージックの中に感じ取ったというのです。
 さて、1960年代後半のドラックといえばLSDです。これを世界中の若者たちに
奨励し、それを浸透させる推進力になったのはビートルズであるという説があります。
 「そんな、馬鹿な!」という人がいるかも知れませんが、ビートルズの曲の歌詞をて
いねいに読むと、それを否定できなくなります。ほとんどの人は、歌詞なんて聞いてい
ないし、注目していないと思います。今日は、予告編になってしまいました。
・・・「ビートルズの少し怖い話/01」


          
時間: 08:43 | コメント (0) | ビートルズの少し怖い話

2008年02月26日
●トゥモロー・ネバー・ノウズ(EJ第401号)
 ロックの話をはじめています。その1回目の昨日、ビートルズはLSDの奨励をして
いると書きました。ビートルズはある意味ではドラッグ文化の予言者であり、ドラッグ
賛美のアーティストなのです。それは、ビートルズの曲の歌詞に色濃くあらわれていま
す。例をあげてみましょう。
 ビートルズの「トゥモロー・ネバー・ノウズ」という曲を知っていますか。
 この歌の前半には、次のような歌詞があります。
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      「肩の力を抜いて無心になり、気持ちを鎮めてごらん
      それは死ではない それは死ではない
      何も考えず 虚無に身をまかせてごらん それは輝いている
      内なるものも意味がおのずと見えてくるかも知れない
      それは確かな存在 確かな存在」
                (「ビートルズ全詩集」内田久美子訳)
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 この曲は、LSDの感覚的な世界を歌ったもので、巧妙に精神世界を歌っているように作られていますが、実はドラッグを啓蒙した曲なのです。
 この曲の歌詞は、ティモシー・リアリー著の『チベットの死者の書』から取られてい
ます。この本は、LSDを服用することによって精神的に啓蒙されることを説いたハン
ドブックなのです。
 この本の著者であるティモシー・リアリーは、LSDなどのドラッグを精神拡張の物
質として信奉しており、これによってバッドトリップしないためには、ここを暗唱しな
さいと説いている部分が本の中にあるのですが、その部分が「トゥモロー・ネバー・ノ
ウズ」の歌詞として使われているのです。ですから、明らかにこの歌は、ドラッグを奨
励している歌であるといってよいと思います。
 この本には、なぜドラッグを使うのかが書かれています。それは、物質第一の世の中
から超越した価値観を得ることであるというのです。つまり、時間というものが機械的
にどんどん経過していくという物理的な考え方から逃れ、西欧的なゲーム、すなわちお
金というものの不遜さからも逃れ、安定的な精神的領域を得たいという価値観です。
 ジョン・レノンは、自らが追い求めていた超越の幸福感をこの曲で音色に出すことに
成功しています。そこにいたるまで、彼がどれだけドラッグによってバッドトリップを
経験したか、それは誰にも分かりませんが、彼がドラッグの常習者であったことは、明
らかなのです。
 この歌は、音的な色とイメージをコラージュするために非常に手のこんだことをして
います。それは、テープを操作することでギター・ソロを逆回転させているのです。こ
れは、時間の流れを逆回転させて、ただよう流れの中にいる自分を表現しているのだそ
うです。そしてジョンの歌い方は感情を排して、原始的なサウンドを目指しています。
 それは、超越の境地に聴き手を導こうとしているように思われます。ドラッグ体験者
でないとわかりませんが、この超越の境地は、ドラッグ服用初期の曖昧模糊とした恍惚
感をあらわしていると思われます。そして、もうひとつの現実として、ジョンは次のよ
うな世界を歌っているのです。
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      「愛こそすべて、愛こそすべての人々
      それが目覚め、目覚め
      無知と憎しみが死者をいたむこともある
      それが信ずること、信じること
      でも、夢の色に耳をすましてごらん
      それは生きることじゃない、生きることじゃない
      それともゲームの本質を最後までとことんプレイしてごらん
      何かがはじまる最後まで
      はじまりの最後まで」
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 とにかく一風変わった曲なのですが、一度聴いて見ていただきたいと思います。現在
ビートルズの曲は、全曲CD化されており、CDショップで求めることができます。
 さて、ビートルズはそうではありませんが、一般的にロックというと、その衣装・風
体は実に異常であり異様です。これは何に通じるかというと、サタン、つまりサタニズ
ムに通じるのです。そして、このサタニズムとドラッグは、昔から密接に結びついてい
るのです。
 マヤ文明では、ペヨーテなどの幻覚剤を使って、生け贄を捧げる宗教的儀式を行って
いたのです。また、古代の神官たちは、ドクニンジン、ヒヨス、アヘン、ベラドンナな
どの麻薬の恍惚感のうちに霊との交信を行って“神託”を述べ、ときとして身体を傷つ
けたりしています。
 ロックのコンサートは、この神官の儀式に非常に似ているところがあるのです。です
から、これとドラッグが結びつき、そこに悪霊が入り込んできても少しも不思議はない
のです。
 聖書には「魔術」ということばがよく出てきます。これは原典のギリシャ語では「フ
ェルマキア」英語の「ファーマシイ」「薬局」の語源はこれなのです。つまり「魔術」
とはドラッグを意味し、魔術とドラッグは同意語であり、つねに表裏一体の関係にある
のです。ですから、ロックがドラッグと結びつき、それがサタニズムと関連を深めても
何ら不思議はないのです。
 今朝は、「トゥモロー・ネバー・ノウズ」の解説みたいになってしまいましたが、こ
れなどは序の口に過ぎません。ビートルズの名曲といわれる、ポール・マッカートニの
「ヘイ、ジュード」も、ドラッグに関係があるといわれているのです。これは、ポール
とジョンの2人で歌われています。明日は、「ヘイ、ジュード」を取り上げることにし
ます。                 ・・・[ビートルズの少し怖い話/02]