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森男の活動報告綴

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三式中戦車 ファインモールド 1/35(その3)IJA Type 3 Chi-Nu medium tank Finemolds 1/35

2021年02月06日 | AFVの模型
今回は三式中戦車の作品紹介です。この作品は6年くらい前に製作途中のエントリーを書いてそのままになってました。ついに完結するわけです(ほんと、気が長いよな、、)。前回のエントリーでは塗装仕上げの直前まででした。今回は完成形をお披露目します。

この作品は完成後アーマーモデリング誌(2015年9月号)に作例として掲載されました。掲載直後にブログで詳細をUPするのはアレなので(といってもガイドラインとかがあるわけではありません。こちらの勝手な判断です。念の為)ちょっと間をおこう、と思ってるうちに6年経っちゃったわけですね。記事と重複する箇所も多々あるかもですが、その辺はご容赦ください、、といっても6年前の記事を読んでもらってたとしても、覚えている人はいませんわね(笑)

では本題。ご覧の通り、本土決戦をテーマにした作品です。当然架空の出来事なので、全部ウソです。でも、ウソでも好き勝手にやるとほんとにウソっぽくなるので、ホントとウソのバランスをあれこれ考えながら作るのがポイントであり、かつ製作の面白いところです。
ご存知の通り、三式は実戦に出てませんので「三式もし戦わば」を想定想像しながら作りました。情景としては「焼け野原になった「元」街中をただひとり進む三式」といったイメージです。

マーキングはもちろん架空の想像です。新撰組がモチーフ。松本零士氏の「成層圏戦闘機」の鍾馗のマーキングから頂戴しています。数字が漢字なのは、日本人しか読めないようにしてもいいかも?とそうしてみました。
陸軍の航空機は派手なマーキングが多く、逆に海軍は少ないです。陸軍ってそういう「現場の遊び心」に案外寛容だったのかな?と。なので戦車でもやっていいかもと思って考えたのがこのマーキング、というわけです。

これが全景。ジオラマ、というよりはビネットですね。
地面に日用品などを出来るだけ多く配置したかったので、手前のスペースをちょっと広めにとっています。タイトルのサムライが複数形なのは、戦車と乗員を指しているからです。

作ってるうちに、増加装甲が武者の鎧みたいに見えてきて、かつ新撰組をモチーフにした塗装をしたら「あー、これはラストサムライ(ズ)ってことなんだなあ」というわけでタイトルになりました。タイトルって、作る前から決まってるのもあれば、作った後で思いつくのもあるし、面白いですね。

後部には桶や酒瓶などの日用品と自転車を積んでみました。
自転車は燃料が要らないし、軽いし、案外長距離も乗れるし、重量物も載せられるので軍用としてはとてもコスパのいい乗り物だと思うんですけどね。戦車だと「ちょっとそこまで」は無理でも自転車を積んでると気軽に効率よくできるんじゃないかな、と。自衛隊も折り畳み自転車を戦車に装備したらいいのに(余計なお世話)。

余談ですが、昔テレビでベトナム戦争の番組があって、ホーチミンルートの輸送風景の記録映像が流れました。北ベトナムは山越えの資材輸送に自転車を使ってて、メチャクチャ荷物を積んで手で押しながら隊列を組んで山道を進んでいました。そういう使い方もあるんだなあ、と。車の通れない狭い山道でも人力よりは効率はいいわけで。なるほどと子供ながらに思いました。番組のほかの内容はすっかり忘れてるのに、これだけずっと覚えてるんですよね(笑)

閑話休題。塗装はクレオスラッカーに油彩で色調に変化を付けてます。当然特色の日本軍セットのです。チッピングも油彩です。最後にパステルやミグのピグメントで埃を表現。

泥が機関部ハッチに乗っかって、雨で流れて隅に溜まった感じとか、出来るだけ頑張ってます。

履帯の錆表現もパステルです。泥は木粉粘土をお湯で溶いたものを塗りつけて表現。車載重機はファインモールドの新規のパーツ。装甲カバーが外れた状態です。これもちょっと変化を付けたかったから。
M4の履帯もトロフィーの意味も込めて使ってます。三式の砲はとても優秀なので、防御をこれくらいやったらM4にも十分対抗できるし、何両でも撃破できる、、はず、、。長砲身型M4?見敵必殺の精神があれば勝てる!!M26?そんな戦車は存在しない!!報告なんて聞いてないの!いないったらいないの!!(笑)

で、今回に限らず塗装やウェザリングの説明はサラッと書いているように思われるかもですが、実際やってることはほんとそのままで、上手く説明できないんですよね、、。技法とかがあるわけじゃなくて、感覚でやってるもんで、、。まあでもそのうち紹介してみたいとは思ってます。しかしそもそも需要はあるのだろうか?(笑)

マフラーカバーは一式中戦車のエッチングから流用。三式のは網がない骨組みのみのタイプですが、これまた変化を付けたくてこうしました。量産が進んだらこういう網タイプも出てきたんじゃないかな?と。ジャッキは固定金具がなくなってしまったので荒縄で結んでる、という設定。
荒縄は麻ひもをほぐして、よりあわせなおしたもの。これはチハの実車写真でやってる個体(満州の戦車学校のもの)がありまして、それをありがたくいただいたわけです。

地面の小物は全て自作です。柱の残骸とかは木、座布団や壺はエポパテです。
履帯に踏まれてる畳(わかりますかね?)はエポパテで自作してレジンで複製したもの。この作品のちょっと前に作った日本家屋のジオラマで余った物を流用しています。柱とかの残骸もそうですね。座布団や壺などは新規で作ってます。

建物などがなくても街中であるという表現ができないかな?とあれこれ考えて瓦礫の中に日用品を混ぜ込むようにしたのですね。

要は、建物の解体現場のイメージです。時計とか食器とか履物(下駄があるのわかりますかね?ってこればっか)って人に密接している道具ですから、解体現場とか廃虚でうち捨てられてるのを見ると寂しい気持ちになります。自分で作ったとはいえ、ちょっと神妙な気分に、、、。でもそもそもそういう意図で作ったのでそれはそれでいいんですが。でもよくないんですが(なんだこの文章)。

雨上がりで、地面や小物はじめ湿ってる表現をしてみました。防火用水や鍋に溜まった水は確かリキテックスのグロスポリマーメディウムです。泥に染み込んだ水はタミヤのスイーツデコ用のニスを使ったように思います。いや、100均のマニュキュア用だったかな?(かなり前のことなので記憶があやふやですいません)

自転車はタミヤのドイツ自転車セットのを和風に改造しています。市販のエッチングパーツを使用して、スポークなどをディテールアップ。エッチングはどのメーカーのだったか失念。数社から出てましたよね。今も出てるのかな?
あちこちで使われて盗難されるのを防ぐため、本部連絡専用車にしました(笑)これも元ネタがあります。南方の島で米軍が鹵獲した日本の自転車に「第●埠頭専用」的な文字が書かれてる写真があったんですね。そういうちまちました記憶がぽっと出てくるとありがたく流用する、というわけです(笑)

機銃は「その2」で紹介したとおりタミヤ米軍武器セットのM1919A6。
空薬莢は真鍮線を切ったものです。A6はごつくていいですよねえ。重いでしょうけど、頑丈そうだし信頼性もあるし頼りになる軽機だったと思います。

三式は対空機銃架前に着脱式のペリスコープがあります。必要に応じて付けたり閉じたりしてたようです。キットの天井をくりぬいて再現してみました。でも天井部のプラの厚みは結構あるので、内側から縁を薄く削ってます。
砲身基部上面の丸いハッチも開けた状態にしてます。これ、多分排煙用と思うんですがよくわからんですね。そもそもチハからなにから旧軍戦車ってずっとベンチレーターの類がないし、発砲煙の処理はどーなってたんでしょう?

ディーゼルだからなのか車内のエンジン隔壁部に吸気口があって(九五式・九七式軽装甲車にはあるのです。チハにもある、、、と思う)、そこから煙も一緒に吸い込まれてベンチレーターも兼ねてたのかな?と思うのですが。最近紹介したSU85中期型はベンチレーターらしきものがなくて「???」となったのですが、そもそも火器を備えた密閉式戦闘車両にベンチレーターって必須なのかどうかもよくわからんです。発砲煙は有毒ガスなので、排気する必要はあると思うのですが完全に密閉してなかったら気合と根性で乗り切れるレベルなんでしょうかね。

お恥ずかしい限りですが、そもそもこういうことすらもろくに知らんのですね私。でもまあ、そのうち知ることができるかなあ、とかお茶を濁しながらン十年もモデラーやっとるわけです(笑)ご存知でしたらどなたか教えて下さい。

というわけで、お終いです。75ミリ砲を積んだ三式は、日本戦車ファンにとっては心の支えのような存在です。四式五式もいいんですけど、唯一の量産車ということもあって、心のなかでなんか独特の位置にいるような気がします。そういう思いを自分なりに形にしてみたいなあ、と思って作ったんだなあ、、、といま気が付きました(笑)
最初に書いた通り、6年ぶりに続きをUPしたわけですが、キットを購入してから20年もこの三式と付き合ってるわけで。1個のキットで20年も引っ張るって、、。当時3800円でしたよこのキット。減価償却しまくりですねえ(笑)

で、今回で「完」となるかと思いきや、各小物の製作途中写真が出てきたので、次回その辺を紹介して〆たいと思います。
いやー、ほんと長々と引っ張ってるなあ、、。まあでも誰に迷惑掛けるでなし別にいいですよね!!(笑)

※前回の製作記はこちらです。よろしければお読みください。
その1→
その2→

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