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森男の活動報告綴

身辺雑記です。ご意見ご感想はmorinomorio1945(アットマーク)gmail.comまで。

昔私は若かった(いろんな意味で)

2021年01月10日 | 銃の模型
あけましておめでとうございます。

新年1発目は、明るい将来を見据えた前向きかつ健康健全な企画にしたいところですが、私が駆け出しのガンマニアだった10代のガラクタ記念品を振り返り、当時を懐かしむというまったく新年らしくないネタにしました。そもそもそういう元気ハツラツなブログじゃないですしね(笑)。

年末年始はずっと家の片づけをしておりました。まあコロナのこともあったんですが、それよりも我が家は引越し以来全然家の整理をしてなかったので、不要不急の物品が溜まりまくっていて(お察しの通り大体は私のもの)そろそろ限界に近づいてきたので片付けよう、ということになったわけです。

嫁の森子(仮名)とそれぞれの縄張りを中心に、2人で手分けしてごそごそとやっておりました。すると嫁の森子(仮名)が「こんな箱出てきた。捨ててね」と私に押し付けてきたのが、トイガンパーツのジャンクが山盛りの箱。確か捨てるつもりで、嫁の森子(仮名)の不用品の箱と一緒に積んでいたのでした。

捨てるつもりだったので、とっくに忘れてたわけです。で、開けてみるととっくに処分したつもりだった昔のトイガンのかけらがあれこれと出てきました。どれも実に懐かしく、かつ味わい深いもの(あくまで自分にとって)だったので、紹介してみよう!というわけでスタート!
 
マルイのエアガン十四年式をベースにした陸式拳銃です。確か高校1年生ごろの作。ご覧の通り、バレルが半分なくなっていますが、これは捨てるんじゃなかったなあとちょっと後悔してたので嬉しかったですね。
十四年式と陸式(南部式)はとてもよく似てるので、挑戦された方は多いんじゃないでしょうか。ネックとなるのがタンジェントサイトで、これはちと難しい。なので私は固定式サイトのままで済ませてます。マガジンは十四年式のままです。これは手持ちの十四年式(以前紹介しましたね)のを入れたもの。

手前味噌ですが、結構上手に作ってますね。アウトラインとかトリガー形状とか、雰囲気出てます。偉い偉い(上から目線)。グリップは木製で彫刻刀で一生懸命彫りましたねえ、、。

でもタンジェントサイトだけでなくマガジンキャッチがなかったりと「力尽きた感」がジワジワきますねえ、、。

タンジェントサイトにできなかったので勝手に「陸式改」とでっち上げてますね。思い出しました。そうだったなあ、、。
この頃からすでにでっち上げ癖があった、ということですね(笑)

それにしても刻印とか執拗に彫ってて、ほんとキモイ、、。「部」の字体も実物に合わせようとしてるところとかもイヤミったらしいなあ、、。
ランヤードリングは可動します。針金を折り曲げて、アルミ板でぐるっとくるんで可動にしたんだなよ、、。これも思い出したよ、、。

で、さらにイヤらしいなあと思うのが、モナカ式のままで完成後も分解可能にしようとしているところ。コイツ、修理メンテできるように考えてやがる!!小ざかしい!!
グリップセフティのパーツは、モナカにせず一体化にして本体左右のどちらかだけに貼り付けたんですよ。ほんっっとに小ざかしいな!!なんか腹立ってきた(笑)

ちなみに、コッキングできました。バレルを修復したら撃てるかもですね。これはコレで撃てるまでは再生したいかも、、、ってもういいか、、、。

次は南部つながりでこれ。これまたマルイの十四年式をガスガン化したものです。中身はマルゼンオートマグ。これは中学生のころ。何とか撃てるようにまでできました。なぜかフレームの残骸だけ残ってました。
以前の「十四年式と私」というエントリーでチラッと書いたのがこれと先の陸式ということなんですね。あのエントリー書く前に時出土してたらよかったのに、、。

これが内部。白いのは、ガスガンの各パーツが治まる仕切り。当時のマルゼンガスガンの内部を知ってる方はなんとなく推察できるのでは。それにしても仕切りとか隙間を埋めるパテ(確か金属用)に執念を感じますねえ。
仕切り板は、近所のホームセンターに自転車で行って買ってきた塩ビ板です(「自転車で行って」は無駄な情報だな、、)。プラモだと、もちろんタミヤのプラ板がありましたが、トイガンに使えるような強度のあるプラスチック素材の板、というともうこれは塩ビ板一択だったのです。

当時アームズマガジンなどのトイガンカスタム記事では「東急ハンズで●ミリのABS板を買って云々」という記述が多々ありましたが、私は当初は東急ハンズが一体なんなのか知りませんでした。ほんとですよ!!まあ、それ位田舎だったし、昔だったし、ってことですね。しかも、記事を読んでいるうちにぼんやりと「ああ、ホームセンターの親分みたいなのかな?」と推理して当分そのままだったという始末、、。

余談ですが、その後進学して都会に出て東急ハンズ(さすがにもう知ってた)で憧れのABS板を買ったときは(買うんかい)ほんと嬉しかったですねえ、、。

でもそれはまだちょっと先の物語です。中学生当時は工具も全然持ってなくて、電動工具も確かこの頃は一切なかったですね。マルゼンのオートマグなどはバレルが前進して、バレル周囲のスプリングの力で後退、その力でガスバルブを叩くという構造だったので、バレル内にはバレルだけでなくスプリングの直径分のスペースが必要です。十四年式はバレルがかなり細いので、それらが収まるまで内部を削り込むのが大変でした。で、それを何でやったかというと、、、おわかりでしょう。図工用の彫刻刀でした(笑)刃の跡が必死さを物語っておりますね、、、。
モーターツールがあれば簡単(でもないか、、)にできますが、これはまあ大変でしたねえ、、。ちなみにこの5年後くらい、私はプロクソンのモーターツールをめでたく入手することができました。東急ハンズで買いました(笑)今も大事に使ってます。うーん、なんかええ話や、、、。

で、がたがたな仕上がりながらも中学生でこういうことを自分ひとりで考えて出来たわけではありません。お手本があったんですね。先にもちらと書きましたが創刊当時のアームズマガジンは、トイガンの「ガンスミス」を記事の目玉にしていました。銃身の長さだけをちょっと変えるお手軽なものから、ゼロからガスフルオートの機関銃を作るというヘビーなものまで、毎号いろいろな作例が掲載されていました。

スクラッチの作例は、当然市販品にはならないようなマイナーなアイテム(トカレフ自動小銃とか九四式拳銃とかボルヒャルトとか)が多く、当時からそういうのが好きだった私は出来るできないは別にして、凄くコーフンしながら読んでいたものです。

これが、アームズマガジンの十四年式ガスガン化の記事。要は、これを真似したわけですね。左下の側面写真にうっすらと前期型のトリガーガードのアウトラインが鉛筆で書かれてますね。そういう感じで作戦を練っていたわけです(笑)

記事ではガス注入口を空けなおして、ハンダ付けするという高度なテクニックが紹介されてましたが、当然私はそんなこと出来るはずがなく、タンクはそのままでグリップを外してガスを注入するという小手先で誤魔化してたのでした。

これはステップバイステップでカスタムのやり方を丁寧に紹介した記事。工具の説明とか、ほんと参考になりました。

しかし、それにしても今ではちょっと考えられない内容ですね。毎月こんなでしたからね。アームズマガジンの前身は「ガンスミス」という別冊で、何冊か出てました。発行がホビージャパンなので、そもそもがモデラー・ビルダー寄りだったわけです。その別冊のリアクションがよかったので月刊化されたような印象でした。そしてこういう記事が成り立ってたのは、製品のバリエーションが少なくて(でもまあエアガンブームで黎明期よりは充実してましたけど)「ないなら自分で作ってみようか」という需要があったからなんでしょう。今はもうかなりマイナーなアイテムまで商品化されてますから、こういう記事自体の存在意義がなくなってしまったわけです。

この辺は、なんかプラモの世界に似てますね。昔はスクラッチやディテールアップの記事が目玉になってましたけど、もうそういうことをする必要がめちゃくちゃ減ってますものね。時期的にも同じくらい(最盛期で89-92年くらい?)なのが面白い。この辺の時代的な推移をからめた考察とかをしてみるのも面白そうですが、メチャクチャ話がずれちゃうので一旦スタジオにマイクをお返しします(笑)

さて先に書いたとおり、この十四年式は撃てることは撃てたのですが、やはり各部の調整が悪かったのかオリジナルほどの威力はなく作動もいまいちで実戦(サバゲとはとてもいえない、友達との撃ち合い)にはとても使えませんでした。そんなこんなですぐ壊れてしまったのでした。でも、苦労したこと込みでいい思い出ですねえ、、。

では次。マルゼンのガバメントです。MkⅣをM1911にしたもの。マルシンのモデルガンのM1911A1のスライドを載せて、スライド前部やトリガー付け根のえぐれやフロントサイトなど各所を1911仕様にちまちま変えてます。
ガバメントって、詳しくない人からするとM1911もA1もMkⅥも同じように見えるかもですが、ちょっとかじり出すとやっぱどれも全然違うように見えてくる謎(笑)。で、やっぱり私はM1911が欲しかったのです。

なんでかというと、映画「ワイルドバンチ」が好きだから(笑)。最初は当然テレビで観て、シビれましたねえ、、。っていうか、これに限らず映画を観ることで銃の魅力にどんどんはまっていった気がしますね。

中身はこんな感じ。今回分解してみたら、バレルの位置決め用のパーツ(スライドの上の)は、微調整のためにセロテープ巻いてました(笑)テキトーすぎる、、。
それにしても、昔のガスガンって単純な構造ですねえ、、。ブローバックとかはもちろんしないですよ。ダブルアクションで連射できるってだけです。とにかく、指の力が大事なんですよ(笑)それでも、エアコキに比べれば雲泥の差という。

最初にガスガンを見たのは、ウェスタンアームズのコマンダーでした。友達が手に入れて、連射を実演(笑)してくれたんですが「おおおお!スゲー!」ってなりましたからねえ、、。

で、このガバはマルゼンの最初期のガスガンです。マガジンがないんです。本体にザラザラーっとBB弾を入れて、バネの入った真鍮パイプを差し込むという、なんじゃそらなシステム。
でもマルゼンに限らず、初期のエアガン・ガスガンってどのメーカーもこんな感じでしたよね。

それにしてもマルゼンのガスガンって実射性能はピカイチでしたね。堅牢度・信頼度もかなりのものでした。これ、今回メンテもなにもせず、試しにガス入れたら撃てたんですよ!凄い、、。でも威力は1メートル先のダンボールも貫通しないという、、。まあ、こんなもんでしたね、、。でもこれでも十分満足でした。

で、一応書いておきますが、これらのカスタムは当然全て外観を変えるだけのもので、違法なものではありません。パワーアップなどはもちろんしてません、っていうか個人的には昔からなぜかパワーアップとかには関心がなくて「アレが立体で欲しい」という気持ちが強かったですね。そもそもまあ違法なものならこんな風にUPするわけないんですが(笑)。マジメな話、こういう趣味を楽しもうと思ったら、その辺はほんと気をつけないとアカンのですね。

例えばこのガバも、モデルガンのパーツを使ってるので「どうかなー」と。しかし多分法的に問題はないはずです。とはいえ、あくまで個人的な判断の「多分」なんですね。こうやってUPする場合は特にはっきりしない場合はやらないほうがいいわけです。「これはOKなんだな」って思われちゃいますからね。なので、写真を撮ってからスライドだけ壊しました。まあ、そもそも捨てるつもりだったので惜しくないですしね。

なんちゅうか、こういう趣味ってこれくらい注意しないとアカンのですよ、、、っていうか「そんな注意を払わなきゃいけない趣味って一体、、」と思っちゃいますね。困ったものです、、(お前がナー)

さて次はマルシンエンフィールド改二十六年式です。私は子供のときからとにかく日本軍大好きっ子だったので、これに手を出すのは必然だったといえるでしょう、、。しかし、ヒンジ式のサイドプレートとか、細かく再現しようとして作ってるうちに強度が維持できず嫌になってやめた記憶があります。
実際残ってるパーツもフレームとかはボロボロです。あっちを加工したらこっちが壊れ、だったような、、。エンフィールド自体繊細なモデルガンだったので仕方ないですねえ。

でもまあ、なんとなくですがアウトラインはそれっぽくなってるように見えなくもないですね。
トリガー後部の出っ張りは、トリガーガードを引っ掛けるためのフックの残骸です。実銃のトリガーガードは別パーツで、このフックに引っ掛けて固定する方式でした。こういうとこを割り切って固定式にしないで再現しようとするから失敗するんですよねえ。若気のイタリーですねえ、、。

でもなんとか頑張ろうとした形跡があちこちに見られるので、酒の肴としては十分です(笑)シリンダーの欠き取り部も丸く整形してるし、サイト用の溝も彫ろうとしてガタガタになってるなあ、、とかとか眺めながらビールを飲んでるとほっこりしますねえ、、。「頑張ったな、昔のオレ!」みたいな(笑)
で、五社英雄監督の映画「2/26」でもエンフィールド改二十六年式が作られたんですが、それはアップ用で、銃撃シーンではコクサイM10改の「なんちゃってバージョン」が使われたそうです。

自分でこうやって苦労した経験があったので「あー、エンフィールドベースじゃタフなものにできないよなあ、、」と変に納得した記憶が(笑)。で、「2/26」のプロップは当時CM誌で紹介されてたんですが、掲載号がわからないんですよね、、。掲載号をご存知の方ぜひお教え下さい。それにしても、あの十一年式軽機は凄かったですねえ、、。二十六年式を持った警官と撃ち合うんですよね。あ、また観てみたくなってきた(笑)

というわけで最後です。ベ式自動拳銃です。マルゼンフルオートユニット内蔵のフルスクラッチです。これは前述のジャンク箱に入ってたんじゃなくて、捨てずに保存してたものです。高校1年のころ作りました。初の長物でかなり苦労したこともあって、これだけは捨てる気にならなかったんですね。でも中身はほとんどなくなってるし、リアサイトベースなど外部も欠損してます。

いやー、それにしてもこれを高1が必死で作ってたというのが怖いですねえ、、、。
私は子供の頃から日本軍が好きで、あれこれ本を読んでました。そのうち海軍陸戦隊がベルグマンを装備していたことを知るわけです。中学校の図書館で「一億人の昭和史」を見ると、上海事変の写真で確かに持ってるんですね。そんなこんなで陸戦隊&ベルグマン熱が加速し、「立体のベルグマンが欲しい!!」とついに自作を決意してしまったのでありました。

その後、前述のアームズマガジンの高橋昇氏の連載(当時の同誌は、ガンスミス記事だけでなくて、コアな資料もバンバン載っててほんとありがたかったです)で、陸戦隊の小火器が紹介され、ベ式の写真が何点か掲載されてました。また、コンバットマガジンでは京都嵐山美術館の収蔵品のベ式が大きめの写真で紹介されてまして、また同誌のロバート・ブルース氏のMP18/Ⅰのレポートもありました(氏の各レポートはほんと今でも貴重ですねえ、、。大日本絵画の「ドイツの自動火器」の写真や記事は、CM誌の記事が元になっている、と言えばお分かりでしょうか)。なので当時としては資料は十分だったんですね。寸法については世界の自動銃を上下左右の写真で掲載している「オートマチックファイアーアームズ」という本が大日本絵画から発売されてまして、MP18の写真から寸法を割り出しました。

まあつまりこんな感じで資料集めも必死だったわけです。市内の古本屋を周りまくって、本や各銃雑誌をちょこちょこ買い集めてましたね。雑誌はパラパラーっとめくって欲しい記事があったら「これ買い」で棚の隙間にキープして次の号に手を伸ばすという感じ。「わかるわかる!」って人多いのでは。で、キープの何冊かをまたぺらぺらめくって予算内で買える冊数で「決勝戦」をやるという(笑)。お店の人からしたらほんと迷惑だったでしょうねえ、、。

で、その後発売されたCAW製のモデルガンと比較してみたらまあ、大体寸法は合ってました。ストック形状が結構違いますが、まあ高校生の仕事ですから(笑)
それにしても、大体はなんとなく近いものが出来てますね。「10代の張り裂けんばかりのやり場のない燃え盛る情熱が、間違った方法と燃料で燃焼されるとこうなっちゃう」という一つの見本のような気がします。ほんと怖いですね、、、。

バレルジャケットはアルミパイプ、マガジンハウジングは塩ビ板の積層、ストックはパイン材からの削り出しです。全部近所のホームセンターに自転車に行って(いやだから無駄な情報だって)買ったものです。

このころは電動工具としてドリルを持ってました。バレルジャケットの穴はこれで空けたものです、、っていうか、もしドリルなしでやってたらほんと怖い、、。

いっちょまえにテイクダウンもできます。レシーバー後部のロックも機能してます。ロックパーツは例の塩ビ板の積層。ストックのレシーバー用の彫り込みが必死でこれまた怖いですね、、、。ドリルで大体の穴を空けて、ノミでならしたような記憶が、、。グリップ用の溝は丸いビットを使いました。でも手で持ったドリルでちょんちょんと突くように少しずつやったので大変でしたねえ。今ならガイドとか使うところですが、冶具という発想がなかったんですよね。

ボルトハンドル用のスリットはドリルで穴を列状に開けてから棒ヤスリでならしました。これも大変だった、、、っていうか、誰にも頼まれてないのにここまでやるのって、、。下にあるのがマルゼンのフルオートユニットです。元々は確かマイクロウージーのでした。

マガジンハウジングは、これまた塩ビ板の積層です。バレルジャケットの円筒部は細切りにした塩ビ板を手で丸めながらジワジワ重ねていきました。

ベ式のマガジンキャッチは、MP18などと違ってマガジンハウジング下部にあります。でもどういう形状なのかよくわからなくて想像で作ってます。最近詳しい資料が手に入ったのですが、まあ近からず遠からずでしたねえ、、。機能としてはちゃんとマガジンを固定できるようになってます。

銃口部は、先のコンバットマガジンの実物のUP写真があったので頑張りました。タミヤの0.3ミリプラ板を巻いて円筒状にして、フロントサイト基部とかを塩ビ板で再現してます。フロントサイトは蟻溝にしてはめ込んでたのですが紛失。
いやー、それにしてもほんと必死ですね。見れば見るほど怖いです(笑)

ベ式がやっとできて、先の陸式とで陸戦隊セットとなって、悦にいってましたね(笑)。両方とも手持ちのモデルガンと並べてみました。陸式は六研の無可動のです。

それにしても、これまで紹介した銃種は全部トイガン化(ベ式は厳密にいうとちと違いますが)されましたね。当時からすると考えられないことです。いやでもほんと、なかったからここまで頑張ってたんだなあ、と思います。

というわけでお終いです。

今回、ン十年も前に作ったこれらを見てたら、自分の作ったものながらその熱意というか執念に頭が下がりました(笑)。とにかく当時は何もなかったので「なかったら作るんだ!」と鼻息荒くこういうことをやってたよなあ、としみじみ思い出したのでした。

今だったら、誰でも作ったものをブログなりSNSにUPできるんですけど、もちろん当時はそういう環境は一切なかったんです。っていうか、パソコン自体まあほとんど誰も持ってなかったですね。高校のときもクラスに数人いるかいないか程度でしたねえ。携帯電話もデジカメもなかった。ちょっと前のことですが信じられませんね、、。

発表する媒体としては銃器雑誌しかなくて、でも投稿したくても写真を撮らないとアカンのです。しかもカメラはフィルム式なのでそもそも持ってないし。「写るんです」で撮ったとしても、こんなの撮って現像時に通報されたら、、と心配で撮れません(笑)。当時投稿して誌面に載ってる人は多々いましたが、勇気あるなあ、と(笑)現像屋さんにあらかじめ説明してたのかな、、。

そして、私の場合仲間も全然いなくて、出来たものを見せびらかすのもほんの数人だったですね。でも私みたいに濃くはない(笑)ので「ふーん」って感じでした。まあベ式や陸式に興味を持つ中高生の方がおかしいですもんね、、。

なので、これらはただただ純粋に「俺が欲しい!」って動機のみで作ったんですね。そういうことってまあなかなかありません。だから逆にかなりヤバイんですけど(笑)。でもかなりいい歳になってしまった今となっては「俺のそういう純粋な意欲とか熱意はかなり磨り減ってるのかもなあ」としみじみしてしまいました。なんちゅうか、ものづくりにとって大切な「何か」を昔の自分に教えてもらったような、、、。とはいえ「それが銃だったのかよ!」と突っ込みも入るんですが(笑)。

おっとなんかいい話になってしまいましたね(そうか?)。まあなんであれ、「10代の頃のような熱い気持ちを忘れずに頑張っていこう!!」と思いましたし、誓いましたね、、って、あ、新年らしいオチがついた!やった!(笑)

というわけで今年もよろしくお願いします。





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S&W Mod3 スコフィールド(CAW製モデルガン)の再仕上げ(その2 完)

2020年04月04日 | 銃の模型
というわけで、スコフィールドの続きです。完成編です。

これが完成したところ。世間様的にはまだまだかもですが、自分なりには満足してます。前回でも書きましたが、もうちょっと青くなって欲しかったですねえ。
もっと下地を磨けば青くなったのかなあと思いますが、根気が続かない(笑)のでこれでよしとします。

でも、こうやって見るとなんとなく青いし、まあいいか、と。金属パーツは、エッジをわざと磨いて、銀色が見えるようにしてます。HW樹脂の本体やグリップも同様にして、色が単調にならないようにしてみました。
シリンダーに縦傷が入ってますが、まあいいじゃないですか。

反対側。上の写真と色調が違うのはカメラの設定を変えたからです。どっちかというと、実際の見た目は上の写真が近いです。でもこの色調も金属っぽくていいかな?

金属パーツのエッジは、今は銀色で光ってますが、そのうち酸化して灰色になってしまいます。でも、もうこれは亜鉛パーツの宿命で仕方ないのです。
この銀色を保つ方法ってないんですかねえ、、。

ブレークオープンしたところ。スコフィールドといえばコレ!ですね。

一応解説しますと、この銃は「中折れ式」といって、バレルを前に下げると薬莢が飛び出るのですね。そのため、素早い排莢・再装填ができるわけです。

バレルの下げはじめはこんな感じ。


さらにググーッと下げていくとジワーッと薬莢が出てきます。

マックスでこれくらい。これ以上バレルが下がると、エジェクター(薬莢の中心にある部品)がシリンダーにパチンと戻ります。
この一連の動作を素早くすると、薬莢が飛び出るわけですね。「天空の城ラピュタ」でムスカが「3分間待ってやる」と言いながらやってるのがこれです。

そのムスカの銃がこのエンフィールド。映画のは実銃と全く同じではないとは思う(設定画ちゃんと見たことないのです)のですが、まあモデルになったのは間違いないです。で、ムスカの再装填はメチャクチャ早いです。モデルガンを持って、ビデオを見ながら真似をしたことがありますが(アホか)、スピードがまったく追いつけなかったです。あやつ、ただの特務の青二才じゃないですね。
で、これは私の推測なんですが、ラピュタにエンフィールドが出たのってマルシンのエンフィールドがあったからかもしれません。モデルガンは85年夏ごろ発売、ラピュタは86年夏公開です。多分、作画の参考になったんじゃないかなあ、と。

時代設定的に、軍がWWⅠっぽい装備なので、普通ならウェブリーだと思うんですよ(エンフィールドはWWⅡの英軍用)。そして「名探偵ホームズ」でウェブリーがキッチリ描かれてたことを考えると、何でエンフィールドなのかがさらによく分からない。でも、映画製作と同じタイミングでモデルガンが出て「これはいい資料になる!」となったのなら筋が通ります。

とはいえ、宮崎監督自身がモデルガンをためつすがめつしながら(笑)設定したかというとそうではないようです。宮崎氏はどの映画でも飛行機とか戦車とかのメカは自身でデザインするのですが、どうも銃器は「こんな感じのん」とラフなどをスタッフに示して、任せているように感じます。メカに比べるとあんまり好きじゃないのでしょう。で、どなたかスタッフがマルシンのエンフィールドを資料にしたんじゃないかなあと。後述のとおり、鉄砲とか飛行機が好きな人は当然多いでしょうからね。もちろんこの辺は想像でして、各作品の設定資料集などを見ていて、なんとなく思ってるだけなんですけどね、、。

で、ホームズにウェブリーは何度か登場してましたね。特に「ドーバー海峡の大空中戦」では、ハドソンさんが使って大活躍します。アニメージュのスタッフの対談で、どなたかが「こだわってウェブリーを描いた云々」といってました。確かに、無駄に凄いので(笑)興味のある方はご覧になって下さい。ホームズは宮崎氏の他の作品と比べるとあまり認知されてないような気がしますが、氏が演出した回はどれも最高です。趣味に走りまくり(笑)の「海底の財宝」とか、最後の追っかけが凄すぎる「青い紅玉」など傑作揃いです。個人的にオリジナルのホームズが好きなこともあって、何度も観ましたねえ。「知能犯はもうやめだ!!」(笑)

閑話休題。S&Wリボルバー3代。上がミリタリー&ポリス、下がMod.2アーミーです。Mod.2はマルシン製。ミリポリはコクサイのM10を戦前型にカスタムしたもの。一度壊れて、バラシて放置してたのですが、最近ガラクタの山の中から発掘して仮組みしました。これはこれでまた再生したいです。
下のMod.2は1859年発売。スコフィールドは1871年。ミリポリは1899年。だんだんと進化していったわけですね。余談ですがMod.2は「坂本龍馬の拳銃」として知られてますが、実のところ決定的な証拠はなく、はっきりわからないようです。時代・状況的に「これだろう」とされているレベルです。でも、それはそれとして、龍馬っぽいなあという気はしますし、それもあって好きな拳銃です。

閑話休題(すいません)。これら3丁は外観だけでなく、装填方法などの機構ももちろん進化しています。Mod.2のシリンダーはバレルを上げると前に外れます。外したシリンダーをバレル下のロッドに差し込んで薬莢を抜くという造りです。当然、かなり面倒です。それを発展改良したのがスコフィールドの中折れ式なんですね。これで一気に装填排莢できるようになったのですが、この方式はフレームとバレルが別々なので、必然的に複雑で華奢な構造となります。また、あまり強力な弾丸は使用できません。その辺を解決したのが、ミリポリなどのスイングアウト式なのですね。これは1894年にS&Wが考案し、同社だけでなく、世界中のリボルバーのベーシックな機構となっています。
こうやってモデルガンを並べて見てみると、段階を踏んで徐々に発達してきたことがよく分かりますね。「最適解というのは、いきなり出るもんじゃないんだなあ」と。技術に限らず、なんでもそうなのかもしれません。とにかく「経てぇ~、経てぇ~、経続けてぇ~」ってことですね。

コルトSAAキャバルリー(ハドソン製)との比較。この2丁は西部のライバルですね。どちらも45口径(もちろん2丁とも各種口径あり。45が代表的な口径)で、サイズも似ていますが構造的には違います。弾丸の威力も違い、SAAの方が強力です(どのくらい違うのかはよくわからない、、。さっきざっと調べたら250グレインの弾頭でロングコルトが649ジュール、スコ384ジュール。こんなに違うの? でも別の本だとロングコルトで同じ弾頭重量で556ジュールというのもあった。わけ分からん、、。なんであれ、やっぱコルトが強い)。この違いは、前述の通り中折れ式の構造的・強度的限界との差な訳です。

要するに、SAAの方が丈夫なんですね。じゃあSAAがいいのか、というとそう話は簡単じゃないのです。

SAAは、バレルとフレームが一体なので強度があるのですが、そのためにスコフィールドのような装填排莢装置は備えられていません。じゃあどうするのかというと、シリンダーの後ろのゲートを開けて、一発ずつ装填排莢するのですね。バレルと並行して付いている円筒の中にロッドがあって、ポッチを手前に引くと、ロッドがシリンダーの中に延びてきて薬莢を押し出すわけです。実際にやってみると、かなりメンドクサイし、なかなかスムーズにはできませんです。撃ち合いの最中に弾が切れるのはほんと怖いですよ。
この2丁はどちらもアメリカ陸軍に採用されました。しかし、スコフィールドは構造的に複雑で故障が多いということで、途中で採用から外され、タフなSAAが軍用として生き残りました。とはいえ、素早く装填排莢できるスコフィールドは軍民問わず評価されていたようです。米軍には見切りをつけられましたが、ちょっと違うタイプはロシア軍や日本軍で使用されています。

というわけで、果たしてどっちがいいのか、というとよく分かりませんね。どっちもどっち、なのかもしれません。

自分が西部のガンマンと想像してみます(バカみたいですけど)。SAAだと、前述のとおり撃ち合いのとき怖いです。けど、広い西部をウロウロすることを考えると、故障の少ない丈夫な拳銃の方がいいです。ちょっと壊れるだけで命取りですものね。修理をきちんとできる店のある街まで1000キロ、とかザラだったでしょうし。

さらに、実際の撃ち合いがどうだったか、というのもポイントです。映画みたいにほんとにバンバン撃ってたのか?というのはずっと気になってます。例えば有名なOK牧場の決闘ですが、あれ、たしか一瞬の銃撃戦だったよな、、。と思い出してさっきウィキったらたった30秒(!)で終わってます。参加者(?)はアープ側が4、クラントン側5、双方で撃った弾が30発。一人あたり3.3発。少ない!再装填の必要なんてなかったわけです(とはいえちなみに、ワイアット・アープはこのときスコフィールドを使ってたそう)。

やっぱり、多分映画とかの観すぎなんですよねえ。実際は何発か撃ち合ったら、当たってるかどうかも確認せずにどっちかが逃げちゃったりしちゃったりなんかしちゃったりしてたんじゃないかなあ、と。それが尾ひれがついて「何とかタウンの大銃撃戦」という「伝説」になっちゃったりとかしちゃった(略)。新聞も当時は「真実がどうこう」じゃなくて「ウソでも何でもとにかく売れたらいい」ってスタンスが大勢だったでしょうから、ガンガン盛ってたでしょうし。噂を聞いたりそういう新聞を読んだ人たちがさらに盛って、、という。

同様に、日本のチャンバラもそうだったんじゃないかなあ、とも。出典は忘れましたが、とある合戦の死傷原因の記録があって、それによると鉄砲が1位で、弓、槍と続いて刀は最下位だったとか。まあ、そうかもなあ、と。吉村昭氏はエッセイで、桜田門外の変の記録で、現場には指がゴロゴロ落ちてたと書かれてました。それは双方が間合いを取ろうとせず、つばぜり合いばかりしていた、ということだそうです。間合いを取ると、本気の斬り合いになっちゃう。要するにお互い腰が引けていた、と。

高荷義之氏も、宮崎氏との対談で「ワッーと寄せていって一人殺されたらザザーッと引いて、それが『何とか橋の決戦』とか呼ばれる。そういうことが多かったらしい」ということを話してて、これまたなるほどなあ、と。もちろん、日本の戦国時代だけじゃなくて、中世のヨーロッパとかもそんな感じだったんじゃないかなあという気がします。映画や漫画みたいにバンバン斬り合って殺しまくってたら、人類とっくに滅んでるかも、と(笑)

閑話休題(ワハハ)。というわけで現実的にはバンバン撃ってどんどん再装填しなきゃいけない局面はまあなかったとしても、心理的にはそういう場合をつい想定してしまう。なので「スコフィールドにしとこうか」的な感じもあったのかな?と。一方米軍がSAAを選んだのは「そんな撃ち合い、まあないよ」という現実的な視点を持ってたからなのかな?と。

というわけで、結論のような、お茶を濁したような、よく分からないまとめになってしまいました(笑)

で、西部の撃ち合いや日本のチャンバラの「実態」については、少ない知識を元にした私の勝手な想像なので、ご了承下さい。こういうのって、もっとキチンと調査して考察しなきゃいけないのは分かってるんですけどね、、。でもそういうテーマの本って面白そうですね。誰か書いてないのかな?もしあったら教えて下さい。

モデルガンの再仕上げのエントリーのはずが、なんかえらい話が逸れてしまいましたね。まあ、いつものことか、、。でも、アレコレ書いたことって、私の中ではモデルガンとガッツリ繋がってるんですけどね。モデルガンだけじゃなくて、模型とかミリタリーとかの趣味って、全部そんな感じでわき道が気になってくるんですね。銃や戦車から、その周辺に関心が広がっていって、いろいろと考察することが楽しいんですよ。こういう趣味って、細かいタイプとか考証にこだわってばかりのような、間口や了見が狭いもののように思われがちかもですが、そういうのだけじゃないんですよね。だから面白いんです、、ということが言いたかったわけです(ほんとか)。

というわけでお終いです。いや、ついつい長々と書いてしまいました。話を戻すと、モデルガンの再仕上げは、ほんと大変ですけどときどきはやりたいですね。今回紹介したMod.2も予定には入ってます。でも当分はやりたくないなあというのが正直なところ(笑)

でもこうやって、写真を撮って見てみると「うーん、頑張ってよかった」と思っちゃったりなんかしちゃ(略)
それでは。

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S&W Mod3 スコフィールド(CAW製モデルガン)の再仕上げ(その1)

2020年03月07日 | 銃の模型
S&W・スコフィールドのモデルガンの再仕上げをしました。もう何年も前に始めてずっと放置していたのですが、さすがにそろそろやらないと、と再開。今回はそのレポートです。

このモデルガンは、CAW(クラフトアップルワークス)製で、本当に素晴らしい完成度の傑作です。なのでキチンと仕上げたいなあ、、と思いつつ、分解して、荒で磨いた状態でほったらかしてました。確かもう5年以上は経ってます。
HW素材なので、ここらへんを頑張らないとダメなのですが、リボルバーってシリンダーを磨くのがほんとにメンドクサくてつい放置してたんですね、、。

とはいえメンドクサイとか言ってたら、いつまでたってもできないので(そりゃそうだ)、昨年末に一念発起。「んがっ!」と再開しました。まず全体の研磨からです。ペーパーの番手を400、800、1500、2000、6000、8000と徐々に上げていきます。ちなみに、6000、8000はクレオスのラプロスという布ヤスリです。
この写真で多分1500くらい。この工程は「世界中が今、激動しているというのに、俺、ほんと何やってんだろ、、、」と200回くらい思ってしまう魔の時間です。大体はここで挫折するわけです(当社比)。でも、ほんと何やってんだろ俺、、。

しかし、8000番を終える頃には全体がピカピカになってきて「イイよ、イイよ君、ほんとイイヨ、ウヒヒヒ、、、」とニヤニヤして研磨が止らなくなってきます。ガンマニアはやっぱアブナイと思われても仕方ないなあ、、と自覚してしまう工程でもあります。
で、私、基本的にこういう作業のときはずっとビール飲んでます。ビール飲んで音楽を聴きながら(ミッシェルガンエレファントとか電気グルーヴとかキングブラザーズとかレイジアゲインストマシーンだとか。要するに、アップアップ系)だとエンドレスにやってしまいますね。やっぱアブナイよなあ、、。でも楽しいんですよねこれが。

で、ライトの明かりにキラッと反射してくれると、もう、ね、、。
これまでの苦労を肴に飲むビールはたまらんですなあ、、。

全体の研磨が終わったら、次はブルーイングです。ブルー液という特殊な薬品で染めるわけです。ブルーイングというのは、鉄の表面の錆止めのための処理をいいます。名前の通り青く染まります。詳しくないので適当な解説になるのですが、要するに鉄の表面を酸化させて、つまり先に錆びさせることで赤錆を防ぐ処理なんだそうです。本当は鉄素材のための処理なのですが、このHW素材というのはプラスチックに金属粉を混ぜたものなので、ブルー液に反応してくれるわけです。
プラに金属粉を混ぜた素材、というとなんか金属みたいな印象かもですが、実は強度でいうとプラ以下です。ちょっとしたことですぐ割れたり折れたりします。少し磨くと鉄っぽくなるんですが、実はもろいという、トイガン用としては最適な素材じゃないかなあ、と。

ブルー液を何度か塗り重ねた状態。上の銃身部が塗ったまま、フレームがちょっと磨いたところ。酸化するので、ちょっと表面がザラッとします。これをまた磨いてやるわけです。

目の細いコンパウンドで磨いた状態がこれ。プロの方がやると、ほんとに青く染まるのですが、私のは「青か黒かというと黒かな?でも青く見えないこともない」くらいのレベルです。この辺はもう研磨をどこまでやるのかとかブルー液の塗り方相性など、知識・経験・場数の問題でしょうね。
でもまあ、これくらいならいいか、、と納得満足です。

次に、赤錆の表現を施します。戦車模型でいうところのウェザリングですね。油彩のバーントアンバーに、錆色のピグメントを混ぜて、エナメルシンナーで溶いたものを全体に塗ります。
乾燥後、拭き取ると角にうっすらと錆色が残ります。でもほんとうっすらなので自己満足レベルですねえ、、。

本体の仕上げの目処がついたら次は金属パーツです。これらも、本体のようにとにかく磨いていくわけです。亜鉛製の鋳物のため、平面、エッジはそれなりなのでとにかくその辺をピシッとしていきます。これが400番で磨いたところ。

どんどん番手を上げて、これくらいピカピカにしてやります。
うーん、うっとり、、、。

亜鉛は金属なので、磨けば磨くほどピカピカになっていきます。

カメラと私が写るほどです。そういえば、小学校の頃、歴史の時間で日本の古墳の出土品に「銅鏡」というのがあったって教わりましたよね。子供のときは「銅で鏡?」とピンとこなかったです。でも、こういう作業をしているとそれがよく分かるような気が。平面の金属をとにかくピカピカに磨いたら鏡になるよなあ、、。って、この多大な年月を経た、回りくどい理解の仕方はなんなんだ(笑)。

それはそれとして、金属をピカピカにする面白さはちょっとほかにない感じです。やってみると面白いですよほんと。なんというか、磨けば磨くほど綺麗になる、という「行為」には「魔力」があるように感じます。、、ってわけ分からんですね(笑)。すいません。

でもまあ、アクセサリーの仕上げとか、こういう仕事をやってみたいなあ、と思ってしまうほどの魅力がある作業です。気をつけないとほんと「手段が目的化」してしまうほどです。

金属パーツもブルーイングします。しかし、ブルー液が強すぎたのか、表面が酸化しすぎて、あばた上になってしまい失敗してしまいました。
上で紹介したブルー液は、そもそも鉄用なので、亜鉛にはきつすぎたようです。以前再仕上げした三八式歩兵銃のときは大丈夫だったのですが、メーカーによる亜鉛の材質によるのかなあ?と。質の問題なのか、相性なのか、この辺はもうよく分かりませんね。たまたま、亜鉛用のブルー液が少し残ってたのでそれで染めてみるとまだ綺麗に仕上がりました。

で、大体の仕上げが終わって仮組みをしていたら問題が発生。ハンド(ハンマーに付く部品で、ハンマーを起こす際にシリンダーを回転させるための重要なもの)が根元から折れてしまいました。ショックでかのすけ、であります。
ハンマーのハンド用スプリングが強くて、無理に入れ込もうとしてたらポキッと折れちゃいました。ほんとは、ハンドをハンマーに入れてから、スプリングを差し込めば大丈夫だったようですが、スプリングを外す手間を惜しんだために折れちゃったという。まあ、なんのこっちゃのわけわかめな解説ですが、要するに私が悪い(涙)もちろん、絶版モデルガンなのでパーツの入手は不可能です。うう、、。なんとかして再生するしかないわけです。
ハンドの根元に2ミリの穴をあけ、2ミリのビスをねじ込んで軸の強度を保ちつつ、ハンドの機能を果たせるようになんとかでっち上げました。このパーツは、シリンダーの回転をつかさどる大事な、かつ強度が必要なものなので細心の配慮が必要です。あーだこーだ考えながら、なんとかものにできました。

オリジナルのスプリングでは、機能を果たせない形状になってしまったので、ジャンクパーツのなかから針金状のスプリングをグネグネまげてアレコレして、なんとかスプリングのテンションがパーツにかかるようにでっち上げます。
いやー、結果的に何とかなったのでよかったですけど、参りましたね。でも、モデルガンって、こういうところでジタバタするのも醍醐味の一つといえばひとつなんですけどね。

しかし、でっち上げたスプリングをフレームに収めるために、フレームの一部を削り取らないとあかんようになってしまいました(白い矢印の部分)。

表面仕上げをした時点で、私のスコフィールドはジャンク扱いなのですが、これでさらにジャンクの、ジャンクジャンク(なんだそら)になってしまったという、、。でも、機能的にはオリジナルよりもキチンと動いてくれるようになったような、、。

というわけで、紆余曲折はありましたが、なんとかもうちょっとで完成するところまで来ました。

しかし実は、もう完成はしてるんですね(なんやねん)。でも、一回で全部紹介するのはちょっと長すぎる(この時点まででもかなり長かったですね。すいません)ので2回に分けようかな、と。

次は「完成編」として紹介しようと思います。とはいえ、次のブログは別のネタにして、次々回くらいにUPしようかな、と。回りくどいかもですが、よろしくお願いします。

いやー、それにしてもモデルガンってほんとええですねえ、、、。中学、高校生の頃はほんとにはまってて、壊れてもパーツを買うお金もないので、未熟な手練手管を駆使してあれこれ修理しては失敗してました。今回、あれこれやってたらそのころの思い出が舞い戻ってきて、なんか楽しかったですねえ、、。

プラモも絵もそうなんですけど、なんというか、モノ作りって、「自分でどうにかしようとジタバタする」っていうのがキモなのかもしれないなあ、と再確認させてもらったような気がしますねほんと。

というわけでまた。


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モーゼルM712 東京マルイ 1/1(Mauser M712 Tokyo Marui) 製作記 (その1)

2019年12月14日 | 銃の模型
今回は、東京マルイの「造るモデルガン」シリーズ、モーゼルM712の製作記です。このシリーズはプラモデル型式のモデルガンとして、80年代前半ごろ(ウィキによると、製品のリリースは79-83年)人気を集めていました。当時の模型店には必ずといっていいほど置かれていたようなので、覚えてらっしゃる人も多いのでは。

私が初めて買ったモデルガンが、このモーゼルでした。小4の夏休みでした。組み上げた翌朝、ラジオ体操をしながら「早く帰って触りまくりたい!」とジリジリしてたのを良く覚えてます(笑)。それは、えーと、20年くらい前でしたね、、。

、、、ウソです。30年以上前です(笑)。で、全然上手に作れなくて、その後壊れて捨ててしまいました。大人になってからもちゃんと作れなかったことがずっと気になってて、いつかまた作りたいなあと思ってたのですね。しかし、このシリーズ、今ではプレミアが付いてて未開封未組み立てだと1万円越えが普通となってます。

未開封のはもったいなくて作れないのですが、開封済みのが比較的に安価に手に入りました。じゃあ、作ってみようかと思い立ったわけです。

でも、作るにあたって「やっぱ未開封のも抑えておかないと作れない!」という強迫観念から、未開封の美品を同時期に買ってしまいました、、。あー、、。でも嬉しい、、。
で、私はこういうのを躊躇無く買えちゃうお金持ちみたいに思われるかもですが、予算計上が大変だったんですよ!!!(笑)。例えば、私は服は全然買いません。ジーパンも10年前に買った1本だけ。靴も同様。そうやって頑張って、こういう無駄で無意味なもの(コラ)の予算を確保しているわけです。「わかってくださいよ!」(By・ブレードランナーのうどん屋のおっちゃん)

閑話休題。上が未開封品です。下の開封済みのは、箱もあまり程度がよくないので願ったりかなったり(?)でした。それにしても、この箱、最高ですねえ。たまらんです。持ってみると金属パーツが多用されてることもあって「ズシッ」とした感じです。すばらちい、、。

箱を開けるとこんな感じ。いやー、たみゃらん!

で、この個体、カートが一個逆向きに入ってました。レアで開けるのが惜しい(笑)

本体、カートの中敷を外すと、金属パーツやランナー、組み立て説明書などがぎっしり入ってます。
キャップ火薬はさすがにもう使えないかな? 

こっちは未開封品の中身。キャップ火薬が入ってません。ロットによって差があったのかもしれません。
ターゲットは弾の出ないモデルガンには意味がないのですが、イキフンチリバツ!って感じで、テンションを上げてくれます。プラモデルのこの頃のパッケージって、メーカー問わず、ほんといいのが多かったですよねえ、、。

金属パーツの袋には、検印が。こういうのもいいですねえ、、。
服部さん、あざーっす!!

組み立て説明書。とても丁寧でわかりやすいです。

「造るモデルガン」シリーズはガバメントやP38などはフレームやバレルもモナカ式だったのですが、モーゼルは一体成型となってます。でも、アッパーレシーバーとボルトはモナカ式です。一体成型だと嬉しいといえば嬉しい、のですが「作る醍醐味」という意味では一歩後退といった感じ。難しいところですね。

ランナーパーツです。躊躇無くパチパチと切り離していきます。あー、もったいない、、。でもたまらん、、。

接着剤は、専用のABS用が入ってます。未開封品と比べて気付いたのが接着剤の大きさの違い。未開封品のは大きいのが一つ、作ったやつは小さいのが2つ。
これもロットの違いでしょうね。子供のときの記憶では大一つだったような、、。ウィキによると、83年以降、限定再生産されて販売は2005年までされていたそうです。今回のキットは再生産組なのかもしれません。っていうか、2005年ごろまで店頭にあったというのがビックリ。

で、このウィキのページ、とてもよくまとまってますので、興味のある方はご覧になってみて下さい。「造るモデルガン」で検索したら引っ掛かります。82年の段階で、総販売数が150万個を超えたとか初めて知りました。大ヒットしたとは聞いていましたが、これまたビックリ。

閑話休題(すいません。すぐ話がそれちゃうなあ、、)。なんせ数十年前の商品なので、接着剤が劣化してたら怖いので、とりあえず市販品のABS用接着剤を準備します。確かあったよなあ、、と探してみて出てきたのがこれ。ホームセンターで売ってるあれ(笑)。で、真っ黒に変質してました。蓋を開けるとなんか地ビールみたいなすっぱい臭いが(笑)
でも、ランナーを試しに接着してみたらきちんときっちり付きました。これを補助的に使うことにしました。キットのも、試したらOKでした。そんなこんなで結局、キットのは小1本で足りました。残りの1本は大切に取っておきます(セコイ)

で、やっとここから製作編です。
パーツを接着する前に、目の粗いペーパー(240番くらい)で接合部を平面にならします。粗いペーパーにすることで、接着剤の食いつきが良くなるわけです。
輪ゴムは、パーツの圧着用として、キットにたくさん入ってます。古いのでダメかな?と思いましたが半分くらいは使えました。

輪ゴムをグルグル巻きにしてから、さらにマスキングテープでグルグル巻きに。
これくらいやれば、まあ大丈夫でしょう。

子供のころには気にならなかった凹み(突き出しピン跡というよりは、型に彫り込まれた、注型上必要な凹みっぽく見えます。なので結構深い)もランナーを使って出来るだけ埋めてやります。

ちょっと荒いですけど、まあこんなもんでしょう。

キットのままだと、リアサイトはアッパーフレームに挟み込んでしまうので、完成後外すことができません。また、リアサイト下部のフレームの継ぎ目も処理するのが難しいです。なので、実物と同じようにフレームから外せるように加工してみました。
といっても、リューターで溝をちょっと掘ってやるだけなんですが。こういうのは子供には思いつかない&出来ない加工ですね。へへーん。って、過去の自分に優越感を感じてどうするんだ(笑)

チャンバーとバレルインサートは、完成後見える部分をブルーイング液で染めてやります。ここが銀色だと、ちょっと興ざめですからね。この辺も、子供には(略)
チャンバーの前にあるのがデトネーターです。これをアッパーレシーバーの接着前に、チャンバーに叩き込んでおかないといけないのですが、子供の頃それを忘れてて(キモ中のキモなのに!)、アッパーレシーバーを剥がして、チャンバーを取り出してデトネーターを入れました。そのせいもあってか、調子は最悪でした。記憶では連発は1回しかしませんでした、、。まあでも、今から考えると他の仕上げもとても雑だったので、これが調子が悪かった唯一の原因だったとは思えないんですけどね、、。

という、過去の失敗をかみ締めながら、バレルとアッパーレシーバーもグルグル巻きにするわけです。このグルグル巻きはそういうルサンチマンの具現化(笑)でもあるわけです。
説明書では、ここまで終わったら接着剤が乾くまで「4-5時間は必ずおいておくこと」とあります。子供の頃は、ほんと待ち切れなくてウズウズしましたねえ、、。子供の5時間って長いですよ。時計を何度も見たような記憶が(笑)大人の今は、ビールを飲みながらボケーッとダラダラしてたら5時間なんてあっちゅうまです。いやー、歳をとるってほんと怖い(笑)

ボルトヘッドは、カートの直径よりも少し大きくてガバガバです。これだときちんとカートをくわえてくれません。ここでも嫌な大人が跳梁跋扈。2ミリ厚のABS板をリング状のスペーサーに加工して、ボルトヘッドに接着します。
って書くとなんかすぐ出来るような感じですが、いざやるとなるとほんとメンドクサイんですよ(笑)。けど、頑張ります。

これでまあ何とかカートを保持できるようになりました。
ボルトヘッドにカートがきちんと保持されるのかどうか、というのはオートのモデルガンの調子の良し悪しの分水嶺なんですね。

とはいえ、このモデルガンのエキストラクターは、ファイアリングプレートを兼ねているので、どうやってもキッチリとカートを保持することはできません。
この辺はもう仕方ないので、あきらめます。例えば、マルシンのエキストラクターを移植するとかし出したら、別のモノになってしまいますからね。基本方針としては「オリジナルのままで完成させる」でいきたいなあ、と。

1体成型のフレームは、ほんと素晴らしい出来栄えです。実銃の刻印が凹で、メーカーの印が凸なのもいいですね。「不要なら削って下さい」と言ってるわけで。
こういう配慮に出会うと「粋だねえ!江戸っ子だねえ!」って思いますね。

とはいえ、プラの成型品の宿命で、平面は出ていないので出来るだけならしてやります。この辺も、子供の頃は思いもしなかったところ。
プラモデルガンは、この平面出しとエッジ出しをやることでグッとリアルになりますね。

ペーパーの番手を1500番くらいまで上げて、コンパウンドで磨いてお終いです。
ちょっとあせって傷が残り気味ですが、まあ、もういいかな?と。

アッパーレシーバーとボルトはこんな感じ。先に書いたリアサイトの下側も、リアサイトを分離できるようにしたのでそれなりにパーティングラインの処理が出来るわけです。
でも、ちょっと筋が残ってしまいました。チャンバーの上部も割れ目ちゃんが、、。でも、まあ、いいかなあと。


というわけで今回はここまでです。次は完成編です。実銃とは異なる内部構造の説明とかもできたらいいな、と思ってます。でも、再来週の回は毎年恒例の「今年を振り返って」を予定してますので、このモーゼルの続編は来年になります。ご了承下さい。それにしても、今年ももう終わりなんですねえ、、。一瞬だったなあ、、。5時間が待ち切れなかった小4の頃に戻りたいです、ほんと(笑)

それでは。

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十四年式拳銃の再仕上げ(マルシン製ガスガン)その3・完成

2018年10月06日 | 銃の模型
マルシンのガスガン、十四年式拳銃の再仕上げができました。

「あとは塗るだけ」のスタートだったので早くできるかな?と思ってたのですが、なんだかんだで1ヶ月ちょっとかかってしまいました。

前のエントリー「その2」以降の仕上げとしては、全体にちょっとウェザリングを施したくらいです。

といってもほとんどわかりませんね(笑)ウェザリングは油彩です。

でも、模型と違って完成後にベタベタ触ってポンポン撃つもの(笑)なので、ウェザリングは額に入れて飾っておくのでなければあまり意味がないといえばないですね。

グリップは、ニスを落として、ワイヤーブラシで表面をちょっと荒らしてからオイルステインを塗りました。

マガジンボトムの滑り止めの溝にたまった汚れも油彩です。

刻印のホワイトはアクリル絵具です。右側の刻印はとても浅いので、ホワイトを入れるのはちょっと難しいですね。ぺたっと刻印全体がかぶさるように塗って、乾燥後に拭き取ると比較的上手くいくようです。でも、拭き取ると残って欲しいところも落ちちゃうこともあり、何度かやり直しました。


ボルトはシルバーの塗料の上に、クリアーを吹いてます(「その2」参照)。ボルトは可動するので、塗料が剥がれるかな?と思ったのでそうしました。


トリガーガードは亜鉛製なのですが、こうやって見ると素材の違いはわかりませんね。塗料の質が高いってことですよね。とてもいい塗料です。


手を付ける前がこういう状態でした。


で、こうなったわけです。いやー、自画自賛ながら、見違えたと思います。嬉しいです。

ちなみにこれは8ミリBB弾仕様です。6ミリと8ミリではかなり印象が違いますね。なんか凄いボリュームがあります。で、このガスガンが唯一、実銃と口径が同じなんですね。それだけでもなんか嬉しい、という(笑)

ホルスターは中田商店のレプリカ。これ、結構高くて(当時11000円)買うのをかなり躊躇しました(笑)

でも、とてもよく出来てるので買ってよかったです。十四年式好きとしてはやっぱり、一個は持っておきたいですね(笑)。ランヤードも中田商店のです。何でこの写真にだけ付けてるのかといいますと、持ってるのを忘れてて今さっき思い出して、この写真だけ撮りなおしたからです(笑)

とはいえ、ホルスターもそうなんですけど、この手の塗料はなぜか布や皮に弱いようで、例えばホルスターに入れっぱなしにしていると、表面の各部が溶けたようになってしまうことがあります。この塗料はどうなのかはわからないのですが、念の為ホルスターに入れたりランヤードをつけたりはしないようにしたいと思ってます。

それにしても、このホルスターはよく出来てますね。フラップの膨らみ用のプレス型など、製作用の冶具は当時の本物なんだそうです。中国に一組残っているのが見つかって(在中国の工場があったんですね)、それを元に製作したとか。なので、これはレプリカじゃなくて純正の「再生産品」なんですね。そう考えるとかなり貴重な製品です。この話は「Gun」誌の記事に載ってたと思います。

フラップが膨らんでいるのは、内側に予備の弾を入れるポケットがあるからです。また、本体には予備のマガジンが入るようになってます。ポケットの隣にはこれまた予備の撃針入れもついてます。ホルスター一個で結構な弾丸が保持できるようになってるんですね。

モーゼルC96(以前紹介したマルシンM712のカスタム)と九四式拳銃(ハートフォード製)のモデルガンとの比較。 十四年式は、外観がルガーP08に似てるんですけど、構造的にはモーゼルC96に近いです。でも、近いというだけで、似通っている箇所はないですね。私の知る限りでは、ボルト式の拳銃としては完全なオリジナルな構造です。あ、でもマガジンはルガーのにかなり似てるかも、、、。

九四式拳銃は、十四年式拳銃の後継機のような印象がありますが、違うようです。九四式は、航空機や戦車の搭乗員用のかさばらない自衛用拳銃としての別な需要があって開発・制式化されたとのこと。実際、九四式の採用後も十四年式は終戦まで製造が続けられてます。でも、パイロットでも戦車兵でも普通に十四年式拳銃を装備してたりしますから、まあ、この辺は旧軍ならではの「とにかく、あるものから使うんだよ!なんか文句あっか?あるある」なんでしょうね(笑)

トイガンではありますが、十四年式と九四式を比べてみても、「目的」が違う拳銃であることはよくわかります。九四式の銃身はとても細くて肉厚も薄く、連射に適してないような感じだなあ、と(肉厚が薄いと、熱ですぐダレて当たらなくなっちゃうそうです)。しかも、リボルバーと同じ6連発ですし。十四年式は「攻撃用」、九四式は「防御用」って感じでしょうか。

南部式乙型(六研製の無可動モデル)との比較。一般的(どこの一般だ(笑))には「南部十四年式」と言われてますが、実は南部麒次郎氏の設計ではないようで、別の人物(「帝国陸海軍の銃器」によると、吉田智準大尉)が南部氏設計のこの南部式を元に設計したらしいです。へー!ですね。南部式はほんと素晴らしいデザインですね。この銃も大好きです。

余談ですが、南部式は1908年に「四一式拳銃」として採用直前までいきました。が、予算の関係でボツになったとか。十四年式は1925年の採用です。もし四一式が存在してたら、十四年式はなかったかもしれないわけで。じゃあ次のはどんな拳銃になってたのかな?とかいろいろ考えると面白いですね。ちなみに、この六研製モデル、樹脂の材質がもろくてあちこちが欠けまくってボロボロです。もっと丁寧に扱ってたらよかった、、。

九四式と二式拳銃(頑住吉氏のレジン製ガレージキット)の比較。二式はあまり知られてないのですが、これも制式拳銃(1943年制式)です。とはいえ、ほとんど製造されなかったようで、現存する個体のシリアルも二桁台だとか。このキットは、レジンながらほんとよくできてます。ただ、各部がもろくて欠けたりしてるので、いつか全体的に修理・再仕上げしたいと思ってます。

二式の設計は民間の濱田文治氏。南部氏の設計とはまた違うスタイルですね。時代がひとつ進んでいる、ような。飛行機も戦車もそうなんですけど、1941-2年ごろから、日本軍の兵器のデザインになにかドラスティックな変化があったように思います。これまでのどこか和風な優雅なライン(笑)が影を潜めて、どっちかというと実用的・現実的な要素が大きくなったような。やっぱりそれは米英との開戦後、彼の国の兵器を直に見る機会が増えたというのも関係なくはない、のかも。とか。まあ、あくまでど素人の思いつき、なんですけどね。

で、その相手国のM1911A1(いわゆるガバメント。MGCのモデルガン)との比較。こうやって見ると、明らかに分が悪いような気もしますが(笑)、一概に断定はできないな、とも思います。兵器はなんでもそうですけど、クライアント(軍)の要求に沿って作られるものです。その要求が違うと、結果も違うわけです。なので、結果だけを比べるのはアンフェアじゃないかな?と。銃器の雑誌を見てると、古い拳銃やライフルの評価の基準として、ライターさんには「今の製品と比べたらどうか」という視点が少なからずあるようです。でも「当時の軍がどういう銃が欲しかったか」という視点がなければ、正確な評価にはならないんじゃないかなあ、と。軍が「これでいい」と認めて、制式化されたわけですから。何らかの不備があれば、不採用になっているわけで。昔の銃雑誌では、日本軍の拳銃全般についてはそういう視点がなく、基本的に「どこか変な、ダメな銃。でも味はあるよね」みたいなオチになるのが定番、みたいになってました(もちろん、そうじゃない記事もありましたけど)。

今は、いろいろと再評価する動きもあって、よかったなあと思います。それにしても、この2丁、零戦とグラマン、みたいな感じもしますね(笑)。これまたあまり評価されてないのですが、この頃の日本軍の銃器のデザインセンスって本当に凄いと思います。和洋折衷の極み、みたいな。デザイン的に他に例を見ないです。ガバメントと比べたら、実に優雅で綺麗だなあって思いませんか?

マルシンとマルイの十四年式拳銃の比較です。マルイのは、30年くらい前に発売されたものです。そのときは、ほんとうに飛び上がるぐらい嬉しかったですね。お店で買うときは手が震えたのをよく覚えてます(笑)。当時の十四年式のトイガンはハドソンのモデルガンか、エルエスのプラモデルガンしかなくて、ハドソンは高くて変えないし金色だし(笑)、エルエスのは欲しくてももう売ってないしで、物心付いたときから立体の十四年式が欲しくてたまらんかった私は暗澹たる日々を過ごしておりました。

そこで、マルイが発売してくれたわけです。しかも1900円という超破格値。エアガンとしての性能もかなりのものでした。壊れたら買いなおしたり南部式にカスタムしたり(メチャクチャ大変だった、、)とかで通算で4-5丁買いました。今持ってるのは最後に買ったやつで、グリップは一生懸命自作しました。頑張ってるなあ、昔の私、、、。

マルイのはちょっと大きいかな?という感じですが、全体的なフォルムとか雰囲気はグンバツ(笑)です。

そういえば、マルイは作るモデルガンでも十四年式のリリースを告知して、ホビーショーでも発表してた(MG誌で見た記憶が、、)のですが、結局発売されませんでした。モーゼルかM586の箱の横のラインナップにも印刷されてて(そういえば、ルガーもあったなあ、、)、絶対発売されるものと思って心待ちにしてたのですが、、、。今でも残念な思い出です。

こちらはエルエスのプラモデルガンとの比較。エルエスのは、15年くらい前にネットオークションで作りかけのジャンクを買って、きちんと再仕上げしようとして途中で止ったままです。しかし、パーツがなくなったりして、ドンガラのままになってます。製品ではダルマトリガーガードなんですけど、前期型にカスタムしてます。

こうやって見ると、エルエスの再現度は凄いですね。もう一個欲しいんですけど、今未組み立て品がオークションにでても、1-2万円はいくかもなあ、、。そもそも、出てこないでしょうけどね。でも欲しいなあ、、、。未組み立て、作りかけ、完成品に関わらず、持ってる方はご一報を!! 格安で買い取ります(笑)

前回のエントリーじゃないんですけど、このキットの箱も最高ですね。たまらんです。子供のころ、近所におもちゃ屋さんがありました。駄菓子屋さんみたいな日本家屋で、駄菓子じゃなくておもちゃやプラモデルをメインに売っているという、今から考えたら激シブなお店でした。そこに、このキットがずーっと棚にあったんですね。お店に行くたびにじーっと見てました。小2ー3年の頃だったと思います。でもちょっと高くて(1200円)買えなかったんですね。箱を開けたかったけど、店主のおじいさんがすぐ怒るので(笑)中を見ることもできませんでした。

その後、小5くらいには1200円くらいのお金なら何とかなるようになったのですが、その頃にはこの店にあまり行かなくなってて、なんとなく入りづらくなっちゃって、欲しいけど買えないなあ、とモジモジしてるうちに(私は昔からシャイなんです(笑))お店がなくなってしまいました。お店の建物自体はずっと残ってたのですが(先日取り壊されましたけど)、その前を通るたびにこのキットのことを思い出していました。これまた、実に残念な思い出です。でもまあ、小5の頃にこれをきちんと作れたかというと、ちょっと怪しいんですけどね、、。

でも、その後作りかけとはいえ、このキットを手に入れることができてよかったです。この作りかけは、ほんと何とかしたいんですけどねえ、、。

というわけで、十四年式にはなんだかんだでいろいろな思い出があり、拳銃としては自分の中で実に大きな位置を占めいています。デザインとか歴史とか、銃自体の魅力ももちろんあるんですけど、祖父の思い出も大きいんだろうな、と思ってます。これ、祖父(故人)が従軍してたときに使ってたんですね。

以前にも書いたとは思うのですが、私は祖父から軍隊(日本軍、じゃなくて「軍隊」なんですよね)のころの話を聞くのが大好きでした。その話の中に「十四年式」という拳銃が出てきたんですね。「どんな拳銃だったの?」と聞いたんですけど、ほとんど内容は覚えてないです。「撃針がよく折れて困った」というのだけ覚えてるんですが(これは、十四年式の欠点だったそうです。なんでこれだけ覚えてるかな、自分(笑))。祖父は幸い実戦を経験せず終戦を迎えたので、そのこともあって孫の私にもすらすらと話をしてくれたんだろうな、と思います。そして、その話が私の原点になっているんだな、と。日本軍スキーになるのは必然だったわけです(笑)

これは以前イラスト集にUPした絵です。これ、記憶だけで描きました。なんとなく鉛筆で描き始めて「あ、記憶だけで描けるかも」と思って、ペン入れしたものです。

あとで答え合わせをしたら、まあ、間違いはあるのですが、おおむね合ってました。うーん、ほんと好きなんだなあ、と。でも、モーゼルとかも記憶だけで描けるかもしれないんですが(笑)

というわけで、十四年式は「じいちゃんの拳銃」から始まって、いつしか「自分の拳銃」になってたんですね。今回、こうやって自分なりに頑張って再仕上げできてよかったです。小道具はコレクションのガラクタから。それっぽいものを集めて撮ってみました。こういうの、完全に自己満足の世界なんですけど、ほんと楽しいですね(笑)

でも、以前のようにパカパカ撃って、飽きたら本棚の隙間に突っ込んでおく、ということができなくなってしまいました(笑)できるだけ大切に保管するようにしたいと思ってます。

というわけでまた。



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十四年式拳銃の再仕上げ(マルシン製ガスガン)その2

2018年09月09日 | 銃の模型
マルシンの十四年式拳銃の再仕上げの続きです。今回は、金属パーツの仕上げを紹介します。

このトイガンは、本体以外の部位には金属パーツ(ほぼ全て亜鉛製)が多用されていています。バレル、ボルト、フレーム以外の外観を構成するパーツは全て金属です。しかし、トイガンの製品は基本的にどれもそうなんですが、「カスタム」などの上級機種ではない限り、金属パーツの表面仕上げは決して綺麗、というわけではありません。これはマルシン製品だけでなくて、一般的にそんな感じです。まあ、コスト的に仕方ないのですね。でも、私みたいに本体を再仕上げしてしまうと、バランスをとるべく金属パーツも再仕上げしないとあかんわけです。

上とこの写真は、再仕上げが終わって仮組みしてみたところです。ちょっと仕上がったら嬉しくなって、つい組んじゃうわけです(笑)

金属パーツの再仕上げの例として、コッキングピースで過程を紹介します。製品の段階では、金属の下地をさらっと研磨して(研磨をしていないと思われるものもあります)、黒い塗料を吹きつけて終了。となってることが多いです。十四年式の各パーツもそうです。でも、十四年式のように古い時代の拳銃は、実物は丁寧に下地を磨いてブルーイングなどの表面処理をしています。この辺をできる限り再現する、というのが目標なわけですね。

とりあえず、板に400番のペーパーを張って、表面の塗装を落としつつ平面を出します。亜鉛は鋳物パーツですので、平面にならすとあばた状の凸凹が出てきます。それが出来るだけなくなるまで研磨します。でも、研磨しすぎたら形が変わったり、パーツによっては機能を損なったりすることもありますので、その辺は適宜注意しながら研磨します。

大体平面がでたかな?というころあいを見て、ペーパーの番手を800番→2000番→6000番(これはクレオスの布ヤスリ)と上げていきます。

ピカピカになってきて、周囲が写りこみ出すと「ウッシッシ」とニヤニヤしてしまいます。アブナイです(笑)

次にガンブルー液を塗布します。ガンブルーは、表面を酸化させる処理(詳しくは知りませんけど、、)なので、どうしても表面はナシ地気味になってしまいます。あと、ブルー液にもよるのですが、亜鉛だと表面の酸化が激しくて、ナシ地を通り越して凸凹になってしまうものもあります。最初、スチール用のを使ったら見事にそうなったのです。これがその写真。スチール用のはやっぱり強いのかな?と。なので、また研磨をやり直してます(うう、、)。亜鉛によっては全然大丈夫なものもあるので、まあこの辺は事前に見えないところとかで試してみるのがいいのかな?と思います。

再チャレンジには亜鉛用の(G.スミス.S製)がちょっと残ってたのでそれを使いました。一回では染まってくれないので、綿棒や筆で刷り込むようにしていきます。この辺の感じは、もう感覚・経験によるものでなんとも説明の仕様もありません。

大体色が付いたら、モーターツールでバフがけします。そうすると、まあこれくらいの光沢がでてくれます。ブルーイングが甘かったら、この工程で角が剥げて下地の銀色がでてきちゃうので、そのときはもう一回染め直します。

ご覧の通り、ムラムラなんですけど、まあそれっぽく見えなくもないからいいや!というわけでOKです(ほんと、テキトーだなあ、、)

トリガーは、製品のままだと、指の当たる部分がちょっとアールが足りないような気がしたので、成型しました。

これも、前述のような工程を経ています。実銃のトリガーは、シルバー仕上げなので、このままにしておきたい、、、のですが亜鉛はいくら磨いても後に表面が酸化して灰色にくすんでしまいます。

この辺は以前から「どうにかならんか」と思ってはいたのですが、どーにもならんくてあきらめてました。でも、今回ふと「塗膜の強いクリアー塗料でコーティングして、塗面研磨してみたら案外ピカピカするかも」と思い、車用のクリアースプレーを吹いてみました。

すると、塗料が古かったのかクリアーがちょっと黄色気味に濁ってしまいました。吹きつけだけじゃなくて、最後に紙コップに塗料を受けて、それを筆塗りしたのも原因だったかもしれません。

うわちゃー!と思ったのですが、まあ一回研磨してみるか、とやってみました。すると、古い銃にありがちな、なんかくすんだ色合いみたいになってくれました。



車用なので塗膜もしっかり、かつ厚いので、割と強気(笑)でごしごし削れることもあって表面をならすのも比較的簡単でした。最後にコンパウンドで磨くと、下地と同じくらいのピカピカ感に。

カメラを構えた上半身裸の私がわかりますかね?(笑)この頃(8月下旬)はほんとに暑かったですからねえ、、、。

というわけで、こういう感じで金属パーツは大体仕上げが終わりました。コッキングピースの前の部品は、セーフティの反対側です。軸が実物と違って2パーツになってるんですね。反対側の先端はなぜかスチールになってるので、ピカピカに磨くだけにしました。後で錆びてくれたら嬉しいなっ(笑)

コッキングピース左側のブロック状のものはハンマーとかシアのユニットです。ランヤードリングのみ磨いてます。マガジンボトムは、残念ながらパーティングラインがありまして、それを落とすとメッキの下地の銅(?)がでてきちゃいます。でも、メッキ全体を落とすのは大変なので、ふわっと磨いてお茶を濁してます(笑)

コンパウンドの研磨は、バフがけ専用のビットも使いますが、綿棒も重宝してます。たまたまですがモーターツールのビットの軸径とほぼ同じで、普通に固定できます。これ、便利ですよ。コストがメチャ低いので、ポンポン変えられますし、バフがけの性能としても申し分ないです。コンパウンドを付けるのも、先端をチューブの穴に突っ込んだらOK!という気軽さです。


というわけで、先が見えてきました。これくらいの頃が一番楽しいですね(笑)

後は、ウェザリングを全体にちょっと施して、グリップもちょっと使い古した感じにしようかな、と。

再仕上げでずっと眺めて、いじってたら、十四年式がますます好きになりました。

うん、実にカッコいい拳銃です。次回で完成お披露目ができればいいな、と思ってます。

それでは。

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十四年式拳銃の再仕上げ (マルシン製ガスガン)

2018年08月26日 | 銃の模型
マルシン製のガスガン、十四年式拳銃(前期型)を再仕上げしています。一度塗装してたのですが、あちこちが剥がれてきたので、何年か前にバラして再仕上げしようとして途中でほったらかしていたのです。塗装寸前まで出来ていたのですが、そのままになっていました。先日、思い立って再開したというわけです。

数年前に出来てたのはこの段階。前の塗装を落として、表面をならしなおしたくらいです。バレルはちょっと太いのである程度削って細くしてます。もっと細いかな?という気がしますがまあこれでOKとしました。


トイガンの再仕上げは、平面とエッジをどれだけきちんと出せるかがキモじゃないかと思ってます。再塗装に当たって、もう少し詰めて頑張ってみました。

400番のペーパーを小さい板に両面テープで張って、コシコシと研磨します。トイガンは、プラスチック樹脂の射出成型品ですので、平面やエッジは微妙に凹みやゆがみがあって、厳密にはピシッとした平面やエッジではありません。この辺をちょっとでもなんとかピシッとするように頑張るのが、トイガンの再仕上げのキモなんですね。あー、でもほんとメンドクサイ(笑)

右側の刻印はちょっと浅いので、布団針で少し彫り込んでます。

上段左端のマークは名古屋造兵廠のもの。名古屋城のシャチホコをモチーフにしたものだそうです。うーん、粋ですねえ。隣の「南」は中央工業(旧南部銃器製造所)のマーク。民間の中央工業で製造した製品を、名古屋造兵廠で検定した、ということです。下の「條」は、東京の第一陸軍造兵廠(北区十条にあったとのこと(昔は「條」だったのかな?))の刻印です。この辺はよくわからんのですが、名古屋で一旦「仮OK」が出て、最終的に東京の造兵廠で「本OK!」と認定したということでしょうか。刻印の類ってわけわかめですね、ほんと。でも、ここまで細かい再現をしてくれてるのはたまらんですね。マルシンさん偉い!!書くのが遅くなりましたが、この十四年式は、全体のフォルムとかディテールの細かさ、トイガン自体の性能などなど、総合的にほんと傑作だと思います。

こちらが今回使用したスプレー。キャロムのメタルブルーコート。以前使ったブルーの塗料よりも新しい製品のようで、試しに買ってみました。3000円くらいです。キャロムの塗料は過去何度も使ってますが、色合いといい塗膜の強度(トイガンは塗装・完成後に何度も触るので(当然ですが)この点はとても大事)といい、ほんと文句ないです。亜鉛など金属パーツへの食いつきも全く文句ないです。いまいちな製品だと、後からはがれたりするんですよね。



トイガン用のスプレーは、ものによっては飛沫が凄いので、念の為外で塗装するようにしてます。あとで塗面研磨をするので何度も何度も重ね吹きします。そうしないとエッジから下地が出てきてパーになってしまいます。


数日乾燥させた後(缶に書かれた説明では24時間で完全乾燥とありますが、念の為)、板に張った2000番のペーパー、6000番のラプロス(クレオスの布ヤスリ)でムラや凸凹をならし、タミヤコンパウンドの仕上げ目で光沢を出します。


これでほぼ仕上がった状態です。ビール片手にためつすがめつしながら、いやー、なかなかいい感じ、と悦に入るたまらん瞬間です(笑)「軍用拳銃なのにこんなにピカピカなのはおかしい」という突っ込みが入りそうですが、日本軍の小銃や拳銃って、大戦末期の粗悪品を除けば、メチャクチャ綺麗な仕上げだったのでこれでいいのです(笑)ほんと、当時の製品を写真とかで見ると、日本の銃器って軍用銃とは思えないくらいの最高の仕上げが施されています。ピカピカの銃を大切に大切に磨いて磨いて大事に大事に取っておいた、ような。撃つのもはばかれるような、、、。「戦争とかする気なかったんじゃないの?」とすら思います(笑)

しかし、一方で、私の仕上げは実のところは順調にはできてなかったのでした。

研磨していたら、表面がまだら上になってしまったんですね。どうも、重ね吹きする際に缶をよく振らなかったせいか、吹くたびに色調が変わり、それが地層のようになってしまいました。

「うわっ!やべー!」と研磨を続けたら左面は、上の写真のように色調が落ち着いてくれました。でも、右面はとうとう下地が出てしまいました。スプレーは使い切ってしまい、缶のガスがなくなってプスーともいわなくなってしまいました。要するに完成寸前で窮地に陥ったわけです。まあ、あと3000円出して新しいのを買えば済む話なんですけど、それをやったら負けなわけです。しかも今月のお小遣いはとっくに底をついている、、、。アマゾンで「ポチッとな」したら、また嫁の森子(仮名)に怒られる、、、。ぐぬぬぬぬ、、、、どうするよ、俺!(アホですね)


で、こういうときはビールなどを飲んで(ヲイ)頭を冷やすのに限ります。ガスはなくなりましたが、缶を振ってみると中には割と塗料が残っているような感じがします。缶を缶切りで開けてみたら、やっぱり底にそこそこ(シャレ)残ってました。噴出すためのガスが無くなっただけなんですね。じゃあ、というわけでこれをエアブラシで吹いてみることにしました。

希釈はクレオスの溶媒液でできました。塗料の攪拌用のカラカラの元は、ビー玉でした。金属の球かな?と思ってたんですけどまあガラス玉のほうが安いですわね(笑)ちょっと青みがかってて綺麗です。記念にとっておきます(笑)。

エアブラシで吹いてみると、ムラもなく実に綺麗に塗装することが出来ました。エアブラシなので屋内でするしかないのですが、恐れていた飛沫の飛散もなくほっとしました。表面の凸凹もほとんどなくて、ラプロスからの磨きで十分光沢がでる仕上げに出来ました。スプレーよりもエアブラシの方がきちんと効率よく塗れるかもしれませんね。エアブラシだったら多分缶の1/3くらいで十分な塗膜に出来るかも。まあ、でもこの辺はまた缶を買って、別のトイガンで試してみないとわからないんですけどね、、。

エアブラシだとうっすらと確実に塗膜を重ねることが出来たのがよかったです。スプレーだと右側の刻印が消えそうで心配だったんですけど、エアブラシだと消えることもなく、かつ塗料も十分に層を作ってくれました。嬉しいので各パーツを仮に組んで、こんどこそ悦に入ります(笑)。いやー、きわどいところでありました、、。

とはいえ、厳密には表面の凸凹は綺麗にならされてないので、アップにするとザラザラした表面になっているのがわかります。もう少し塗料があればもっと厚く塗って綺麗にならしたいところですが、今回はもうギブアップです(笑)


というわけで「うん、こんなもんだろ。もういいや!」というところで手打ちです(笑)リアサイト側面にリューターが当たって凹んでしまいましたが、もう塗料がないので修正はお手上げ。ここはもうグッとこらえます。次に新しい缶を買ったときに何とかしたいと思います。

それでも、まあここくらいまで出来れば上等、かな、、、と、、、(歯切れ悪いな)


実は、十四年式のほかにも仕上げ途中で放置しているトイガンはゴロゴロありまして、私の悩みの種となっております。マルゼンのガスブロのP38もその一つ。今回十四年式をスプレーしていて変なスイッチが入ってしまい(笑)、塗料(キャロムのブラックスチール)が残ってることもあって余勢を駆って塗ってしまいました。

十四年式が仕上がったら、こっちに取り掛かりたいと思ってます。P38もほんとカッコいいですね。

というわけでお終いです。本体は大体目処が付いたので、次はコッキングピースやトリガーなどの金属パーツを再仕上げしていきます。

拙ブログはとにかく「その1」ばかりなので(笑)、なんとかこれは早いうちに「完成」エントリーに持ち込みたいと思ってます。

というわけでまた。

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モーゼルC96 1/1 (マルシンモーゼルM712の外観カスタム)

2018年07月15日 | 銃の模型
今回は、マルシンのモデルガン「モーゼルM712」の外観を「モーゼルC96」にカスタムした作品を紹介したいと思います。プラモデルなら、単に改造と書けばいいんですけど、「モデルガンを改造した」という時点で実にアブナイ感じがしてしまいます(笑)。なので、拙ブログでは「カスタム」という言葉で統一します。

製作したのは17-8年くらい前です。M712は着脱式マガジンで、C96は固定式マガジンなので、フレームの構成が外観・機構ともども違ってます。その辺がカスタムのポイントになります。

C96は1896年から1930年代後半まで(1937年ごろまでらしいのですが、正確にはいつ生産が終了したのかよくわからないんです)の長期間にわたって生産されたので、時期によって各部にいろいろと差異があります。この作品は、第一次大戦ごろのコマーシャルモデルをイメージして製作したものです。

最初に断っておきますが、この作品は外見を変えただけのもので、ベースにしたモデルガンの安全対策(インサート処理など)には一切手を加えておりません。私は、他にもいろいろこういうカスタムをやったことがありますが、その辺の安全対策についてはきちんとやっています。その点については何卒ご理解をいただければと思います。なんか真面目な話で恐縮ですが、こういう安全対策をきちんとすることが、この趣味を楽しむ基本だと考えているもんで、、、。

ベースとなったM712はご存知の通りマルシンの傑作モデルガンです。M712の原型となったC96は、MGCが金属モデルで出していましたが、プラスチック製では製品化されたことがありません。やっぱり、金色の金属製じゃなくて、黒いC96が欲しいなあと思っていたのですが、いつまでたっても製品化されないので、作ったというわけです。

それを以前ブログでちょっと紹介したところ、それを読んだ方から「私も作っているので、製作について不明な点を教えて欲しい」というメールが。「これこれこうで」と返信文を書いているうちに「昔の作品だけど、せっかくだし一度独立したエントリーで紹介してみようかな?」と思った次第です。

さて、本題です。実銃について簡単に説明しますと、C96はいわゆる「モーゼルミリタリー拳銃」のベーシックな形式です。Cはコンストラクションの頭文字で「1896年に作られた」という意味らしいです。最初期のオートマチック拳銃の中では、性能的に最も成功したものといわれており、世界中で使用されました。本体にマガジンが内蔵されており、クリップで弾丸を装填する方式となっています。M712はC96を元にした派生型です。M712は1932年に製造され、着脱式マガジンに変更し、さらにフルオート射撃も出来るようにしたものです。これまでトイガンで発売されたモーゼルミリタリーはM712が多いので、これがモーゼルのスタンダードかというような気がしてしまいますが、モーゼルミリタリーの歴史の中では、あくまで多数の形式のうちの一つ、なんですね。

外観はとてもよく似ているので、M712とC96の共通の部品は多そうに思えるのですが、一つ一つ比較してみると、同じ部品はほとんどありません。外観で共通なのはリアサイトとグリップの固定スクリュー、ボルトストップくらいです。内部も、ハンマースプリングの周辺程度。カスタムに当たって、比較してみたときにそれが分かって頭がクラクラしました(笑)。なので、カスタムは一見簡単そうに見えますが、かなり大変です。

カスタムの大まかなポイントとしては①マガジン部の加工②アッパーレシーバーおよびフレームの凹みの再現④トリガー、セーフティの形状変更⑤バレルの段差を消す といった感じです。どれもほんと実にメンドクサイです。しかも、マニア以外には大して違いがわからず、頑張った成果が表に出てこないという、非常に恐ろしいカスタムなんですね(笑)

「マルシンのM712をC96にカスタムする大変さは、マルシンのM712をC96にカスタムしたことのある人にしかわからない」という言葉は、マルシンのM712をC96にカスタムしたことのある人にしかわからないんじゃないでしょうか(何だこの文章)

C96やM712など、モーゼルミリタリーのフレーム側面は重量削減とデザインのために一部が凹状に掘り込まれています。それがモーゼルの特長となってます(C96には掘り込まれていない「フラットサイド」というタイプもあります)。C96とM712は凹の形状が違いますので、その辺の再現がキモのひとつです。

凹の掘り込みは、モーターツールを使いました。ビットは、円柱形のものです。M712よりC96の方が凹の面積が広いので、ベースの凹をモーターツールで広げてやります。ただ、定規などを使わずに直線を出すのはかなり難しいので、先にデザインナイフと定規であらかじめ想定するラインを薄く引いておきます。また、凹面は切削加工跡がそのままになっているのも特徴なので、ビットのあとをそれらしく残すのもポイントですね。でも、機械加工のような一定した跡にはならないので、あくまで雰囲気優先となってます。

後方の四角上の凸は、凹全体を掘ってから、四角に切ったABS板を張っています。こうすると加工もしやすく、比較的綺麗にできます。

こうやってアップにすると、ガタガタなのがよくお分かりになるかと(笑)アッパーレシーバーの細い溝は、一旦溝の底のレベルまで全て削り、溝の土手をABS板を張って再現しています。なので、溝の底の機械加工の跡が比較的それっぽく出来ているのがお分かりになるのではないかと。

塗装は、モデルガン用のスプレーを使用しました。メーカー名とかは失念。多分、キャロムとかのブラックスチール系だったかと、、、。どの面もABSの下地は平面を出すように心がけ、その後スプレーを出来るだけ塗面が分厚くなるように吹いて、1500番くらいのペーパーで磨いています。モデルガンって「平面とエッジが命!」なんですよね。結果的にできてるかできてないかは別にして(笑)、それを心がけるだけで仕上がりが違ってくるように思います。ペーパーの研磨後、タミヤのエナメル塗料「レッドブラウン」にミグのピグメント「赤錆」を混ぜたものを角に溜まるように塗り、乾燥後軽くエナメルシンナーでふき取って、錆の表現としています。この頃はまだ油絵の具を使ってなかったのでエナメル塗料を使っています。油絵の具の方が乾燥後の塗膜が強いので、今はそうしています。

こちらがマガジン部のUPです。マガジン部の変更はこのカスタムの最大の難所です。M712は着脱式マガジンですので、その分フレームのマガジンハウジング部が一回り膨らんだような形になっています。C96は内蔵式マガジンなので、そういう膨らみはありません。内蔵式マガジンを新たに作るのは、専門的な加工機械がない素人にはとても無理なので、M712の着脱式マガジンを流用し、どうにか収納するしか手がないのです。例えばLサイズのTシャツを着ている人がC96、2Lを着ている人がM712とします。この作業は、M712にLサイズのTシャツを無理やり着せて、あたかもM712に最適サイズのTシャツが、Lサイズかのように見せないといけないわけです。これは難しいですよ(笑)

マガジンの底板は、ABS板で製作しています。T字型の固定金具は、底板にビスをねじ込んでからプラリペアを盛って成型しています。ビスを内蔵させないと、底板にかかるマガジンスプリングのテンションをとても維持できません。見ての通り、そんなにキッチリと再現はしていません。結局隠れてしまうので手を抜いてます(笑)

こちらがマガジン。左がカスタムしたもの。M712の下部分を金属用ノコギリでゴリゴリ切って(これがまた大変)、スプリングの受けにABS板を入れ、そのテンションを受ける金属棒を入れています。なので、10発は入りません。無理やり押し込んで9発、発火させようとしたら7発が限度です。一応発火できるようにしてますが、調子がいまいちで、調整がめんどくさくて(コラコラ)ほとんど撃ってないですね。


上がM712、下がカスタムしたものです。左右の張り出し部は、M712がかなり広いことがお分かりになるのでは。これをあたかもなかったかのようにいかに誤魔化すのかがこのカスタムのキモなわけです(笑)

完全な平面にしてしまうと、マガジンの最厚部が入る部分が薄くなりすぎて強度を維持できません。なので、微妙なR状にして、一見平面に見えるような感じにしているわけです。また、マガジン底板固定用のロッドをアルミ棒で作って、ライブにしています。下の穴はそれ用に開けたものです。実銃は、このロッドのテンションはトリガー用の板バネと兼用されているのですが、それでテンションをかかるようにするにはロッドをほんとキチンと作らないといけないので、弱めの巻きバネを入れてお茶を濁しています。また、底板後方の半円がところどころ凸凹しているのは、マガジンの出っ張りを逃がすためのものです。

カスタムしたのは実は2丁目でして、これが1丁目です。20年位前に作ったものです。比べてみたら、それなりに進歩しています(笑)で、前述のようにフレームのサイドを削りすぎたために、マガジン後部のあたりがうっすらとひび割れてしまっています。

この辺の失敗を受けて、再度挑戦した、というわけです。

こちらはLSのプラモデルガンのC96との比較。キットを木工ボンドで仮止めしたものです。LSのはほんとよく出来てるのがお分かりになるかと。マルシンM712と寸法がほぼ同じですので、かなり正確なリサーチをしたんじゃないかと思います。開発時期を考えると(40年くらい前でしょうか)凄いなあと。当時資料もそんなになかったと思いますし、どうやって寸法とか調べたんでしょうね。

余談ですが、ハドソンの金属製モデルガンのモーゼルカービンは、当時国内で唯一実銃(狩猟用)を所持されてた方がいて、それを取材・採寸したものなんだそうです。詳細は忘れましたが、戦前から使ってたかなにかで、警察も「一代限りですよ!」ということで認められてたとか。なので、あのモデルガンはそういう意味でもかなり貴重な製品なんですね。でも、ハドソンのは着脱式マガジンなんですけど、オリジナルもそうだったのかな?という疑問もありますが。モーゼルカービンは基本固定式マガジンなので、製品化にあたってアレンジしたのかなあ?とも。以上の話は銃の雑誌でちらっと読んだうろ覚えの知識なので、参考程度にしておいて下さい。でも、この辺についてはほんと詳しく知りたいところです。

余談の余談ですが、ハドソンの社長のインタビュー(ミリタリートイズVol.4)で仰天したのが、昔は採寸のために自衛隊が武器学校の実銃を貸してくれてたそうです(!)マガジン抜きで、という条件付きだったそうですけど、今では考えられないことですねえ、、。例えばトンプソンM1A1はそうやって製品化したとか。

自衛隊だけじゃなくて昔はほんとにおおらかだったようで、警察も映画の撮影用に実銃を貸してくれてたそうです。例えば黒澤監督の「野良犬」に出てくる拳銃は全て実銃らしいのですが、みんな「それ」だとか。鑑識課で九四式拳銃を発砲するカットがありますけど、あれももちろん実包を発射してるんでしょうね。うーん、大らかだ、、。岡本喜八監督は学生の頃、警察から借りた拳銃を撮影現場に届けるというバイトをしていたそうです。イヤイヤイヤ、実銃をバイトに預けたらアカンだろ。大らかにもほどがあるやろと思いますが、官公庁であれ個人個人であれ、昔の日本は人が人を信頼するのが基本だったんだろうなあ、ということがよくわかるエピソードです。昭和は遠くなりにけり、ですね、、、。

余談が過ぎました。本題に戻ります。こちらがトリガーとセーフティです。M712のトリガーはフルオートセレクターと連動するパーツがあり、構造的にも形状的にも全く違います。トリガーの支点となる軸を残しながら、ABS板を挟むように接着して成型しています。セーフティの形状も違うのですが、こちらはM712のを削るだけでなんとかそれっぽいものになってくれます。


ボルト後方下部(ハンマーを起すあたり)の形状も違うのですが、もうここはお手上げなのでM712のままにしています。M712でも、C96と同じ形状のものもあって、どういう理由で変更されたのかよくわかりません。そもそも、ボルト自体M712とC96に互換性があったのかどうかもよくわからないのですが。

過去の月刊Gun誌のM712のレポートで紹介された個体は、C96と同じ形状のものでした。「第二次大戦ドイツの自動火器」(大日本絵画)という本で紹介されているM712は、マルシンのものと同じです。このことから、互換性があるのかな?という気もします。で、マルシンのはボルトをストップ(いわゆるホールドオープン状態)させるための凹みがあえて埋められてるようです。ここを削ると、ハンマー頂点のR部にカチッとはまってボルトがキチンとストップされます。でも、ここを削っちゃうとモデルガンのキャップ火薬では勢いが足りないので、発火したときに一発づつボルトが止っちゃうかもですね。なのでマルシンは埋めたのかな?と。

上記の本ではマガジンフォロワーではなく、ボルト自体がハンマーでロックされると書かれてます(P13・14)。長年、モーゼルにはボルトストップがなかったのかな?と思ってたのですが、この本を読んで初めてそういう機能があったことを知りました。C96タイプのボルトも、マガジンフォロワーとは別にロックできる機能があったんじゃないかと思うんですけど、過去のGUN誌などのレポートではそういう記述がなかったんですよね。いやほんと、わからないことだらけです。

また、この本ではM712をR713と表記してます。この本によると、R713はドイツ軍用の呼称だそうです。一方、「別冊Gun Part4」ではモーゼル社内ではR713は「ライエンフォイアー(連射)」と呼ばれるM712の一つ前の形式(不具合が多く、すぐ生産停止)で、M712は「シュネールフォイアー(速射)」と呼ばれていたとあります。でも「第二次大戦ドイツの自動火器」では、両方ともモーゼル社内で「シュネールフォイアー」と呼ばれていたと書かれてます。わけわかめのわからんちん、です(笑)

余談ですが、「第二次大戦ー」の著者のロバート・ブルース氏はコンバットマガジンで長年渋い銃(MG08とかルイスとかFG42とかショーシャとかジョンソンとか、たまらん銃ばかり)のレポートをされていた専門家で、氏の記事は実に素晴らしいものばかりです。私は今でも記事の切抜きを大事に持ってて資料として活用しています。ちなみにこの本は、コンバットマガジンの記事の中から、ドイツ軍の銃器のみを集めて再編集したものです。

これはマルシンのM712との比較です。ドンガラなのはご容赦下さい。いつかそのうちまたC96を作ろうと思ってまして、ABSのフレームとアッパーレシーバーをとってあるんですね。これを見ると、マガジン部の膨らみが違うのがよくお分かりになるかと。

また、トリガー上部のえぐれが全然違うこともお分かりになると思います。ここも、削りすぎるとトリガーの軸受けが露出してきますので、ギリギリまで削り込んでます。ほんと「C96とM712は似て非なるもの」なんですね。

右側面の刻印は残そうと思えば残せるかもしれなかったのですが、凹みを再現する際の切った張ったで「無理!」と判断して埋めてしまいました。

またいつかこのドンガラをベースにカスタムするときはなんとか残したいところです。ただ、書体が違うので残しても正確な再現にはならないんですけどね。今は個人用の彫刻用NC(っていうんですかね)がありますので、こういう刻印も難なくできるみたいですけど、そこまでの設備投資はとてもできません(笑)

こちらがLSとの比較。前述の通り、LSのはとてもよく出来ているのですが、それでもやっぱり各部がダレた感じがするのは否めませんね。とはいえ、これをベースにキッチリ仕上げるととてもよいものになるのは間違いないです。

ただ、基本的にスチロールプラスチックのため(ハンマーやトリガーはABS)、強度はありませんのであくまで観賞用という感じにしかできないでしょうね。

あと、細かいことをいえば、バレル基部に段差があったり、フロントサイトがボロモーゼル(C96のバレルを短くし、グリップも小型にして携帯しやすくしたもの。ソビエトのボルシェビキに愛用され、ボルがなまってボロになったとか)の仕様になってたりと「?」という箇所が散見されます。本体の再現度が凄いだけに、なんでバレル周辺だけ変なんだろうと不思議に思ってしまいます。

ちなみに、グリップもM712とC96は違います。C96の方が滑り止めの溝が多いですし、グリップで挟むフレーム部分の厚みがM712はグリップ前方と後方は同じなのですが、C96は前方の方が薄くなってます。ただ、M712と同じユニバーサルセフティを備えたM1930(セミオートのみで、固定マガジンのC96。でもM712のような段差バレル)は、M712のような溝の少ないグリップが付いてます。なので、ひょっとしたらM1930のフレームの厚みはM712と同じなのかもしれません。このカスタムは、実はグリップに手を加えてません。フレームを削るところで満足してしまって、最後のグリップは仮に着けてそのまま、となってます。フレームに合うように肉を足して、溝も彫り直さなきゃな、、と思ってるうちに10何年も経ってしまいました(笑)

というわけで、全部並べてみました。左から1代目カスタム、二代目、マルシンM712、LSのC96です。

いやー、4丁並ぶと実になんかいい感じですね(笑)

で、ここまで書いてふと我に返ったのですが、C96とかM712とかR713とかM1930とかボロモーゼルとかフラットサイドとか書いてますけど、どのくらいの方が付いて来れてるのか心配です。まあでも、しゃあないですね(ヲイ)。モーゼルミリタリーって、ほんと奥が深くて面白い拳銃なんですよ。とはいえ、私も全然詳しくなくて、入り口周辺をうろうろしてるだけなんですけどね(笑)

LSのキットをもう少し紹介します。10年位前にネットオークションで手に入れたものです。透明のパックが開封済みだったので、割と安く落札できました。前述の通り、とても素晴らしいキットです。私が子供の頃にはもう店頭から消えてまして、リアルに売っているのを見た事がありません(AKMだけ見た記憶が、、)

箱絵は、バレルはボロ仕様で、グリップはオリジナルという「?」なもの。キット自体は通常のバレル長です。さらに、カートリッジは9ミリパラなのに、グリップには「9」の彫り込みがない(9ミリパラ仕様はそういう風になってます)という、なんだかんだで大らかなキットです。

でも、基本的には凄い再現度で、たまらんです。作ってみたいんですけどもったいなさ過ぎてずっとそのままです。金属パーツもかなり多用していて、クリップまで付いてます。

LSのキットのラインナップは実に渋くて、今でも欲しいキットがたくさんあります。特に、AKMが欲しいです。あれ、日本のモデルガンでは唯一、カラシニコフの内部構造をキチンと再現してるんですよね。でも、未組み立てのが出品されても多分3,4万じゃ落とせないでしょうねえ、、。未組立てでも作りかけでも完成品でも、1万くらいで売ってもいいという方、ご一報をお願いします(笑)

LSのキットは「金型がどこかにあるなら、再販してくれないかなあ」とずっと思ってまして、そういう方も多いんじゃないかと。でも、詳しい方によると、こういう金属パーツの再生産が難しいんだそうです。プラパーツは金型があればいくらでも再生産できるんですけど、金属パーツは基本外注らしく(この辺はメーカーによるでしょうけど)、プレス型があったとて、まとまった量じゃなければ受け付けてくれないし、スプリングの類も同様だろうと。タミヤのリモコンのギアボックスとかも、同じような理由でまあ再生産の可能性はないとか。確かに、そう考えると納得です。なので、どうしても欲しければ必死で過去の生産品を手に入れるしかないでしょうね。そういう意味では、モデルガンはもちろん、ラジコン含め金属パーツを多用している製品は消耗部品込みで、手に入るうちに買っておくのが一番いいのかもしれません。うーん、実に因果な趣味でありますね(笑)

こちらはアクセサリーです。クリップは全部マルシン純正です。ダミーカートは実物(もちろん火薬と雷管のない合法品)です。ダミーカートをクリップに入れるとかなりきつくて、なんとか入りますけど装填は無理な感じです。この辺は実銃用に使うことができないようにマルシンが配慮したのかな?という気がします。例えばP38のカートって、9ミリパラより全長が短くて、マガジンには実寸のカートを入れることができません。それは、そういう配慮があったから、と何かで読んだことがあります。当時って、メーカーが関係各位にそういう気を使う時代だったみたいですね。クリップはいきつけの模型店で売れないままずっと残ってて(確か1個250円でした)、小遣いが入るたびに一つづつ買ってたら6個も持つことに(笑)。あと、実物のダミーカート、というとアブナイ感じがしますけど、薬莢と弾頭はただの金属片なので法的に全く問題なく、国内で普通に売っています。念の為。

上の革ホルスターとストックホルスターのホルダーは中田商店のレプリカです。ストックはマルシンの純正です。ストックホルダーに差しているクリーニングツールは、近所のDIY店で売ってたヤスリの柄にアルミパイプを差し込んだ「なんちゃって仕様」です(笑)。ホルスターは、日本軍仕様として売られてたものです。十四年式拳銃用みたいに、フラップがカップ状になったワンランク上のタイプも売られてたんですけど、ちょっと高くて買えませんでした(笑)。日本軍はモーゼルを準制式として採用しており、正規に輸入して支給してます。将校の私用拳銃(将校は拳銃を私費で購入することになってました)や、中国大陸での鹵獲品ともども、日本軍でもモーゼルは馴染みのある拳銃だったようです。

こちらが資料本です。左の「System Mauser」は「モーゼルミリタリーのバイブル」みたいな本です。何年か前にやっと買いました。1967年の発行の古典でオールモノクロですが、資料的価値では恐らく今でもナンバーワンじゃないかと。。モーゼルの多種多様な形式を網羅・紹介していて、いやほんと実に凄い本です。「別冊Gun Part4」はモーゼルはじめ、ルガー、ガバメント、ピースメーカー、P38、PP、ラドム、トカレフ、十四年式、ベレッタM1934、ウェブリーなどなど、実に渋い拳銃をカラーで歴史的経緯を含めながら詳しく解説しています。30年前の本ですが、いまだにこのクオリティに達するものは見たことがないくらいの素晴らしい本です。モーゼルの歴史的推移も実に分かりやすく解説されています。

あと、月刊Gunやコンバットマガジンの記事をばらして仮綴じした冊子も私の貴重な財産となってます。写真のはモーゼルの記事をまとめたもの。銃の雑誌はじめコート紙を使う雑誌って、とても重くてかさばるんですよね。引越しのときにダンボールに入れると死ぬほど重くなるということは、こういう趣味を持つ方々にはよくわかっていただけるのではないかと(笑)。なので、引越しの際に思い切って必要なページだけを抜き出して、まとめました。本棚にはこんな風にテーマごとに仮綴じしたものが何十冊もあります(笑)。

これが上の写真の資料を開いたもの。今はネット全盛ではありますが、こういう紙の資料も実に大事なものだなあとしみじみ思います。

「別冊Gun」は、中学生のときに買いました。定価は2500円で、中学生にとってはかなりの出費です。かなり悩みながらレジに行った記憶がありますが、いまだに第一級の資料として役に立っています。逆に、今はこういう上質な本ってあんまりないような気もします。頑張っていい本を出してもなかなか売れないんでしょうね。時代を感じますねえ、、、。

というわけで、わき道寄り道が多かったような気もしますが、これでお終いです。いやー、今回も長くなりました。でも、あれもこれも「書いておきたい!」ということばかりなので「これは一気には書けないな」と悟り、1週間コツコツかけて書きました(笑)。それくらい、モーゼルってカッコいい拳銃なんですよね。

先にも書きましたけど、いつかそのうち、3度目のカスタムに挑戦してみたいと思ってます。でもまあ、その前にどこかのメーカーさんでモデルガンにしてくれたら一番いいんですけどね(笑)

それでは。

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タナカの三八式歩兵銃を修理しました。 

2017年06月17日 | 銃の模型
手持ちのタナカ製の三八式歩兵銃のモデルガンが、長いこと壊れたままだったので修理しました。

壊れてたのは、機関部の後部。ここが折れてしまい、ボルトの操作ができなくなりました。いろいろと試行錯誤して、固定しようとしたのですが無理で、あきらめてたのですね。亜鉛は、材質的に溶接も接着もできませんので、一度折れたり割れたりすると、修理や再生は不可能なんです、、、。

でもどうにかしてみようと、アルミ板を細切りにして、ネジ止めしたりしてみたんですけど、強度的に無理なんですよねえ、、。

そこで、手持ちの四四式騎兵銃の機関部を移植することにしました。四四式は、どうも原材料の亜鉛の質が低かったようで、購入後各部がボロボロと壊れてしまい、完全品でなくなってて、しまいこんでたのです。例えばリアサイトはバラバラになってしまってます。瞬間接着剤でとりあえず付けてますが、もともとの素材が崩壊してますのでもうどうしようもないですね。

銃剣の固定金具もヒビが出て、内側から剥離し始めているような感じです。これも遠からずバラバラになるでしょう。

というわけで、作業開始です。機関部表面は酸化してガビガビになってました。まず220番のペーパーで、塗装を落とし、表面を滑らかにしていきます。


製品の状態だと、鋳型から出してある程度まで研磨したところで塗装していると思われます。なので、表面の凸凹がわりと残ってるんですね。例えば、ガス抜き用の穴はペーパーを軽く当てると穴の周囲に「めくれ」が残ってるのがよくわかります。

こういうのをできるだけ平面にならしていくわけです。220番だと、ガシガシ削れて、割と効率がいいです。
表面が平滑になったら、次は400番、800番、1500番と番手を上げて「削り」から「磨き」に移行していきます。

1500番まで磨いたら、次はモーターツールでバフがけします。研磨用のビットにタミヤのコンパウンドを刷り込んで、磨きます。モーターツールだとかなり早く綺麗に磨けるので便利です。以前はここを手でやってたので本と大変でした。

奥の青いボトルは、黒染め用の塗料のブルーイング液です。研磨後これを塗ると、金属が黒く染まってくれます。ブルーイングとは金属の表面を薬品でわざと酸化させ、赤サビを防ぐ処理のことをいうようです(ざっくりした解説ですいません)。

これがバフがけが終わったところです。かなりピカピカになるので、なんというかとても達成感のある一瞬です(笑)

このままで置いておきたい気もしますが、亜鉛はすぐ表面が酸化して曇ってしまうのが残念。

傷が多少は残ってますが、これを全部消したら刻印も消えてしまうかもしれないので仕方ないですね。


クリップの入る溝など、磨いていないところもあります。こういうのって、全部ちゃんとやろうとしたらほんと死んでしまうので、ある程度の妥協はしないといつまでも終わりません。と自分に言い聞かせてます。


とはいえ、ここまで磨けたらまあいいかなあと。しばしのあいだ、自己満足に浸ります(笑) うーん、うっとり。


これがブルー液を塗り終わったところ。ブルー液は筆で何度も塗り重ねるようにしていきます。最初はまだらになりますが、塗り重ねていくうちにムラ無く染まってくれます。こういうノウハウは、ガン雑誌を見て覚えたんですけど、記事のままでは上手くいかないこともあって、なんだかんだで自己流でやってます。なので、ほんとはちゃんとしたやり方があるんでしょうけど、答えがあるのかどうかもよくわからないですね。


ブルー液を塗ると、ピカピカの表面が曇って、ちょっとつや消しになってしまいます。液を塗ることで表面が酸化してるということなんでしょうね。この写真は一旦仮組みしてみたところ。


つやを出すために、またモーターツールとコンパウンドで磨いて、最後にシリコンオイルを吹いて布で磨いてやります。

そうすると、まあこんな感じくらいには光沢が出てくれます。

写真ではいまいちわかりにくいのですが、まあそれなりに光って金属感が出たように思います。


ただ、もっと青くならないかなあとは思うのですが、ほんと難しいですね。素材の亜鉛の材質に左右されるのか、それとも研磨が足りないのか。塗り重ねが足りないのか、よくわかりません。

せいぜい年一回くらいこういうことをやるだけなので、いつも行き当たりばったりにやってしまい、経験値が深まってません。もっとやりこんだらわかってくるのかもしれませんが、ほんとこの作業はしんどいのであんまりやりたくないというのが正直なところ。でも、一旦やりだすと止らなくなるのも正直なところで、作業中は一心不乱にやってしまいますね。お酒とか飲んでたら、ずーっとやってます(笑)。

個人的には気に入った仕上がりにできて満足してます。この弾は三八式に付いているものですが、九九式実包(7・7ミリ)を模したものです。タナカの三八式と九九式は機関部の多くのパーツが共用で、弾丸も九九式のものがそのまま流用されてます。

とはいえ、この当時にこれらの旧軍の小銃のモデルガンを出してくれてただけでも素晴らしいことです。タナカのこのシリーズはほんといいですね。というわけで、私の三八式歩兵銃は四四式歩兵銃になってしまいました(笑)

久しぶりにボルトをガチャガチャやってたら、エンドレスで装填排莢をやってしまいます(笑)でも、各部品がへたってきてますので、いまいちの作動です。でもまあ、これはもう仕方ないですね。

ボルトを引くと、シュポーンと薬莢が飛び出るのはほんと楽しいです。頑張って写真を撮ってみましたが、なかなか難しいです。

この三八式のモデルガンは、高校生のころに頑張って小遣いをためて買ったものです。近所の模型店に1丁だけ入荷して、売れるかもしれないとビクビクしながら半年くらいかけてお金をためました。確か58000円でした。このころはモデルガンはエアガンの人気に押されて青色吐息で、もう絶滅寸前と思われてました。そんなころにこの三八式が再販されて、恐らくこれが最後の入手のチャンスだと思ったんですね。初版のときは確か小学生で、もちろん買えるわけが無く、泣く泣くあきらめていました。高校生なら、無駄遣いをしなければまだなんとかなりそうな値段でした。なので「絶対入手しなければ!」と思ったわけです。

バイトもしてないのに、我ながらよく貯めたなあと思います。確か、昼ごはん代を削ったりしてたような、、。「学食の飯だけだとどうしても腹が減るから」とか言い訳をして、ご飯だけお弁当箱にギウギウに詰めて、毎日素うどんを食べてたような、、。「そこまでせんでも」と思いますが、ほんっとうに欲しかったんですよね。買ったときのことは今でもよく覚えてます。その後、8ミリフィルムで映画を撮ったときも、これが小道具として役に立ったりもして、自分にとってとても思い出深い大切なモデルガンです。今回、こうやって修理できてよかったです。っていうか、大事に思ってるわりに放置しすぎたなあと反省してます。

完成して嬉しいので着剣してみました。全長約165センチにもなります。ほんと、銃というより槍ですね。せっかくなので 64式(モデルガン)と89式(電動ガン)を並べてみました。三八式から60年後、日本はやっと自国製の自動小銃を装備することができました。そう思うと何か感慨深いですね。64式、89式ともども、とてもカッコいい銃です。なんといいますか、「血」なんだろうなあと思います。

で、部品取りをした上に、各部がボロボロになってしまっている四四式騎銃はもう無可動のオブジェにするしかないです。残念。今は四四式・三八式ともどもタナカからガスガンが出てるので、リアサイトなど共用部分のスペアパーツなら多分入手もできるはずです。でも、トータルすると多分ン万円になりますので(それなら最初からガスガンを買います(笑))、あせってスペアパーツを入手しようとせず、とりあえず寝かしておこうかと思います。

二丁を並べて写真を撮る際、ふと目に付いたAKのマガジンを四四式の弾倉辺りに置いてみたら、なんかとてもいい感じ(笑) 四四式自動小銃だっ!(平和だなあ、、) ストックなどオリジナルの部品を削ったりしないようにして(いつでも再生できるように)、ドンガラにしてからブローバックガスガンとかを仕込んでオリジナルの自動小銃を作ってみても面白いかなあ、とか考えてます。まあでも、考えてるだけの「ヤルヤル詐欺」なんですけどね(笑)

というわけでまた。





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 ベレッタ M1934 ウェスタンアームズ 

2015年11月29日 | 銃の模型
今日は再仕上げしたウェスタンアームズのブローバックガスガン、ベレッタM1934を紹介します。

このガスガンは、プラスチックですがヘビーウェイト素材なので、研磨すればブルーイングが出来ます。ブルーイングとは簡単に言うと防錆のための金属の表面処理です。ブルーイング液を塗布すると、金属が青色に染まって皮膜を形成します。青く見える銃は、この処理をしているからです。ヘビーウェイト素材とは、プラスチックに金属粉を混ぜたもので、金属粉がこの液に染まってくれるわけです。トイガンに多く使われるプラ材のABS樹脂よりも重くてリアルなのですが実は強度がなく、プラよりも折れたり割れたりしやすいです。なので、こういうトイガンには最適な素材です。

これが400番のペーパーで磨き始めた状態。

で、これがほぼ仕上がった状態。400番からはじめて、800-1000-1500-2000-6000-8000番と番手を上げていき、最後にコンパウンドの粗目から細目、仕上げ目で終了します。とにかくぴかぴかに磨くのがキモで、磨きが足らないとマット地に薬品が染み込んだような感じになって、リアルになりません。さらにエッジがだれると金属を削りだした銃の雰囲気が出ませんので、その辺も注意が必要です。小さな板に両面テープでペーパーを張ったものをたくさん作り、エッジを守りながら研ぎだしていきます。そして、平面もきちんと出します。トイガンはヒケが案外あるので、それがなくなるまで根性で磨きます。作業中は「なんで俺はこんなことをしてるんだろ」と1000回くらい思ってしまいますが、そんな感情にフタをして紐で固く縛っておくのが作業を完遂する大切なコツです。

本体だけでなく、トリガーやハンマーなども綺麗に磨いていきます。これらもブルーイングしようかと思っていたのですが、銀色がいいアクセントになるので、そのままとしました。ただ、亜鉛合金は磨いたままだとそのうち灰色に酸化してしまいます。でもまあいいかな、と。


頑張って磨けば、ライトに当てるとピカピカしてくれるくらいまでになります。プロがやると、綺麗にブルーに染まってくれるのですが、私はまだまだなので、あんまり青くなってくれません。でもまあ、青いか青くないかというと、青いかな?くらいにはなります。錆色のピグメントと油絵の具を混ぜたものを薄めて、全体に塗り、さらにふき取って凹みに錆がちょっとだけ浮いたような感じにしました。トイガンは、あとで手で触るものなので、基本的に塗装はいくら念入りにやってもはがれてしまいます。なので、この錆表現のように、あくまでアクセント程度にとどめておきます。


そして木製グリップを自作しました。デザインは創作で、実物にはこういうグリップはありません。が、ありそうといえばありそうな感じになって、満足しています。

この拳銃はオリジナルの黒いグリップの印象が強いので、かなり印象が変わりますね。


材料はブナです。最初タモで作ってみたのですが(左のがそれ)、ちょっと硬い上に目が粗く、彫刻すると欠けてしまうので没にしました。ブナだと、やわらかくて目も細かくてちょうどいい感じでした。ほんとは、ウォールナットが一般的なのですが、ちょっと色が黒くて好みではないのでやめました。


滑り止めのチェッカリングは彫刻刃で一本一本彫っていきます。初めて取り組んだということもあり、どうしてもいびつになってしまいますが、まあ仕方ないですね。ほんとは、専用の刃物があるみたいです。うまく彫刻するためには、きちんと下書きの線を引くのがキモのようです。



こういうのをコリコリ彫るのは、ほんと楽しいですね。木を彫るサクサクとした手ごたえは心地よいです。また別の銃用も作ろうかな、と思ってます。

このガスガンはとても再現度が高く、かつブローバックのキレもよく、マガジンのガス漏れもありません。ずっと放置していると、普通はガスが抜けてしまうのですが、この製品はいつまでもガスが漏れません。小さいのに重量があり、手に持った感じが心地よいです。傑作だと思います。こうやって再仕上げすることで、とても大切なコレクションになった気がします。写真は、グリップを製作する前のものです。夏の撮影なので、バッシバッシブローバックしてます。たまらんですね(笑)



私はもともとモデルガンマニアだったのですが、今のガスブロはとてもリアルで部品の構成がモデルガン並みの再現度ですし、撃っても楽しいので、モデルガンと同じくらい好きになりました。モデルガンと違っていくら撃っても基本的にメンテナンスフリーなのも嬉しいです。モデルガンを撃った後のあのめんどくさいクリーニング作業(もちろん、それも楽しみでもあるのですが)なしにブローバックを楽しめるのはほんといいですね。このベレッタの性能で、もっと古い拳銃が出てくれると嬉しいのですが。というわけで、とりあえず絵に描いてみました。

M1934の二つ前のタイプのM1915/17とか、いいと思うんですけどね。ハンマーを内蔵した後ろの丸いところがいいですねえ。あと、アストラM100とかも出てくれないかなあ、、。これは日本海軍がパイロット用に購入しています。長いマガジンがいいですねえ。これで12連発です。マガジンが長いからガスブロに最適かと。   、、、、無理か。モーゼルC96と南部式は出てもおかしくないのになあ、、。南部式の乙型のストック付き(少数はストック用の溝があるタイプもある)は夢ですねえ、、、。

で、このベレッタは手持ちの日本軍用のブローニングホルスターにピッタリなんですね。中田商店のレプリカです。確か3000円くらいだったような。買ってから25年はたってるのですが、皮も縫製もしっかりしてるのがさすがです。予備弾倉のポケットにはちょっときつくて入らないのが残念。

そんなわけで日本軍的な小道具で記念撮影しました。こうしてみると、なんか日本軍の拳銃に見えなくもないですね。実際、日本軍の将校が使ってたこともあるみたいです。「MILITALY PISTOLS OF JAPAN」(FRED L.HONEYCUTT,JR.著)という本には、陸軍大尉が持っていたというこの拳銃が掲載されています。特別な例ではなくて、時期的に見て日本に輸入されて流通していた可能性もあります。値段もそれほどでなかったと思うので、案外使ってた将校さんはいたのかも。また、イ式小銃と抱き合わせで軍が購入していたら、、などと妄想も膨らみます。「イ式拳銃」っていかにもありそうなネーミングです。



うーん、いいなあ(自己満足)。昔の道具は、レプリカでなんであれ、写真映えするような気がしますね。弾丸などの剣呑系の小道具はもちろん合法品です。念の為。

というわけでまた。

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