~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

夏葉社の本

2019-03-05 19:04:02 | 日記

今年も「ポトラ」で夏葉社の島田さんにお会い

しました。

島田さんに「去年も会いに来ました」と言うと

覚えていて下さったのです。

夏葉社は一人出版社です。

ポトラで、夏葉社のブースへ行くと置かれておる

本を見ただけで、島田さんが愛して紡いだ本たちだ

という思いが伝わってきました。

私は「さよならのあとで」という本に

支えられたので、ご主人を亡くし悲しみの中に

いる友人に、この本を送ろうと思っていました。

キッチン班の仕事を抜けて島田さんに

この本、後で買いに来ますと言い残して

台所に戻り、最終日の夕方に行くと売り切れて

しまったのか本がなく、がっかりしていると

島田さんが「取ってありますよ」と出してきて

くれたのです。

この誠実さが、島田さんであり夏葉社なんだと

嬉しくなりました。

「他におススメの本がありますか」と聞くと

1冊の詩集を差し出してくれました。

「子どもを亡くした人が書いた詩で、泣けます」

渡された詩集を見ると「早く家へ帰りたい」という

題が目に飛び込んできました。

うちの子も、どんな家に帰りたかったろうと

息子のことがこの本に重なってきました。

家に帰って読んでみると、泣けました。

小さい頃のあの子が、この詩集の中にいるのです。

       『パパのまま』

  パパ、ママ

 なんていやだったけど

 どうしても

 おとうさん の五文字が言えず

 仕方なく

 パパで折れることにした

 パパ、ブーブー

 パパ、うんうん

 パパ、あっち

 パパ、ねんね

 パパ、おっき

 

 まあいいか

 もう少し大きくなったら

 徐々におとうさんに変えていこう

 と思っていたのに

 突然

 おまえはこの世から消えて

 ぼくは

 パパのままで終わるしかなくなった

 あんなにいやだったパパなのに

 今はもう

 パパと

 呼んでもらえないことが

 つらい

             高階 きいち

        (早く家に帰りたい)より 』

 

 

 

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