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~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

萩原慎一郎「滑走路」

2018-11-26 23:39:27 | 日記

気になっていた本を買いました。

萩原慎一郎さんの『滑走路』です。

歌集など、友達に借りて読んだぐらいで、自分で

買ったのは初めてかもしれません。

三十一文字の中に、込められた感情の深さに

驚き、短歌というものを初めて知った気がしました。

先日、悩み苦しみを抱えている友人の話を

聴いて、私は一生懸命前向きになるような

言葉かけをしている自分に気がつきました。

その時、初女さんはこうではなかった…

初女さんは、その人の悲しみや苦しみに唯々

寄り添っていた、何も言わずに黙って…

私は、話を聴きながら頭の中で、励ます言葉を

探しているのです。

これでは聴いている事にはならないのです。

そんなことがあった後に、この「滑走路」を

買ったのです。

読んでいて、人の心の深さを感じました。

初女さんは、人の心は深いものだから癒せるなんて

ことは出来るものではないと言われていました。

この歌集を読んで、その心の深さを感じました。

人生の先輩面して、励まそうとした自分が

恥ずかしくなりました。

でも、萩原さんは、なぜ32歳の若さで死を選んで

しまったのだろう…

 「滑走路」から

『きみのため用意されたる滑走路きみは翼を

 手にすればいい』


『草をかき分けてゆくごと文章を書いてゆくのだ

 乗り越えるため』


『消しゴムが丸くなるごと苦労して

 きっと優しくなってゆくのだ』


『空を飛ぶための翼になるはずさ

 僕の愛する三十一文字が』


『箱詰めの社会の底で潰された

 蜜柑のごとき若者がいる』


『占いの結果以上にぼくたちが信じるべきは

 自分自身だ』


コメント
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