探し物をしていたら、初女さんの
「おむすびの祈り」の単行本が出て来ました。
ずっと、文庫で読んでいたので自分が単行本の方も
持っていたなんて、すっかり忘れていたのです。
本の中に挟まっているものを見て、今なぜ
これらのものと対面するのだろうと、考えて
しまいました。
初女さんから初めて頂いたお葉書のコピーと、
その返事を書いた手紙の下書き
そして、初めて初女さんの講演会に行った時の
メモ書きが、本の間に入っていたのです。
A4の用紙に書かれたメモは、殆どおむすびの
事だったのに、驚きました。
初女さんが「おむすびは心のふるさと、
ソールフード」と言われたことが、心に深く響いた
のを、15年経った今でもハッキリ覚えています。
中学2年だった息子が、元気に学校に行ったのに
友達とリレーをした後に、疲れたと言って
何がどうしたのか、心臓が止まってしまい
私が駆け付けた時には、脳死状態でした。
1日半の時を経て、息子は天に召されて
しまいました。
まわりの人から、言葉を交わすことなく逝って
しまったことに、どれほど後悔が残ったことかと
言われましたが、言葉より息子が最後に食べた
食べものが、おむすびだったことをずっと
悔やんでいました。
もっと美味しいものを食べさせたかった
最後に食べたものが、おむすびなんて…と
私の中で消えない傷となっていたので、
初女さんの言葉は、一条の光の様に私を救って
くれたのです。
「息子が食べた最後の食べ物は、おむすびで
良かったんだ!」と心から思えたのです。
そのことを手紙に書いて、返事をもらえるとは
思わず出したのです。
初女さんから「どんな思いでおかき下さいました
事か、読むほどに涙しております…」という
お便りを頂き、私は息子の祭壇に飛んで行き
「母さん、嬉しい!」と初女さんのお葉書を
息子の写真にみせたようです(下書きの手紙に
そうかいてありました)
そして、夢の中で、創(つくる)に会いたいと
叫んでいたようで、自分の声に驚き目覚め、
まだ肉体あるあの子を求めている自分がいるのかと
何とも言えない気持ちになりました。と書いて
ました。
初女さんが、その後すぐに呼んで下さり
初めてお会いした時に「あなたとは普通のご縁じゃ
ないわね」と言われた意味が、ずっとわかりません
でした。
でも、昨日見つかったメモや手紙を見て、
初女さんと私は、おむすびで結ばれたご縁
だったんだ!初女さんは最初からそのことが
分かっていたんだと、15年の時を経て
納得しました。
息子が、おむすびで結んでくれたんですね。
初女さんは天に召されたけれど、初女さんの
おむすびを結んでいると、至福の時に
包まれるのです。
おむすびは、私と初女さんを出会いの時から
しっかりと結んでいてくれたのですね。
これからも、初女さんのおむすびを伝えて
行きたいと、心から思いました。
おむすびは、ソウルフードだから
心を…魂を…結んでいくのですね。