私は、夏の夕暮れに吹く風が好きです。
その風を感じると、人はふっと優しくなれる様な
気がするのです。
よしもとばななさんの「海のふた」という小説にも
そんな風を感じます。
風が好き
見えないけれど、確かに在る
その世界を感じさせてくれるから…
人間の眼は、大き過ぎても小さすぎても見えない
私たちの見ている世界は、ほんの一部なんだ
息子が亡くなった後、このことを自分に言い聞かせ
見えないけれど、あの子はいると信じたかった
そのことの確かさを、風は感じさせてくれて
いるから、風が好き…
森のイスキアの風に吹かれてみたいな~
お日様が出て、風が吹いていると、イスキアの
庭には梅干しさんが干されるのです。
木々の緑と赤い梅干し、抜ける様な空の青さ
その風景の中で、ひと粒ひと粒の梅干しに、
話しかけるようにひっくり返していく
初女さんが居た…
ずっとこの風景はあるものだと思っていた…
始まりが終わりで、終わりが始まり
きっと何かが始まっているのだ
昨日と同じ今日はいやだと言っていた
初女さんだから…
心を鎮め、風を感じてみよう
何かが始まっているはず…
ねぇ、初女さん