~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

奈良美智とあおもり犬

2015-01-26 23:42:17 | 日記

弘前出身の世界的画家&彫刻家の奈良さんの作品を

私は、あまり好きではありませんでした。

いつも怒った様な顔をした子供は、観ていると

こちらの心を見透かされているようで、落ち着かない

のです。

この絵のどこがいいのだろうと思っていました。

ベルギーの古い文房具屋さんで、奈良さんの

ポストカードを見た時は、やっぱり世界的な人なんだ

と、驚きました。

一緒にいたイスキアのスタッフが、「奈良さんの

絵葉書よ」と言って買っているのを見た時、

ふる里愛みたいな同郷の繋がりを感じました。

私には、そんなふうに奈良さんの絵を親しく

感じることはなく、奈良さんとの距離を感じた

ままでした。

それがです。今回、初めて青森県立美術館で

奈良さんの「あおもり犬」を観て、言葉を失った

のです。

あおもり犬は戸外にあり、私たちは室内から

ガラス越しに観るのですが、雪に埋もれた

真っ白な「あおもり犬」は、沈黙の中の祈り

そのものでした。

私たちは、大いなるものに祈られている存在だと

感じる時がありますが、奈良さんの「あおもり犬」は

その祈りを感じさせてくれるものでした。

ベルギーの教会で、アダムとイブが苦しんでいる様な

木彫があり、初女先生は涙ぐむばかりに感動され

なぜ、貴方たちは何も感じないのと言われたことが

ありました。

私が、この「あおもり犬」を観た感動と、あのときの

初女先生の感動は、近いものがあるような気が

しました。

「あもおり犬」を見上げていると、「あおもり犬」に

深く、深く祈られている気がしてきました。

ランディさんも衝撃を受け、「負けた、負けた

完全に負けた」と言っていました。

もう一度、雪の中の「あおもり犬」に

会いに行きたいと思いました。

苦しい時、あの「あおもり犬」を思い出したら

頑張れそうな気がしてきました。

たった一人の時も、「あおもり犬」が

遠い北の地で、祈っていてくれると、思うと

また歩き出せそうな気がします。

やっぱり、奈良美智は凄い!

有り難う、奈良さん

有り難う、あおもり犬

 

 

コメント
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