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肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

エレルサ・グラジナ併用療法 C型肝炎1型用 3例開始 2016年12月15日作成

2018年01月27日 | C型肝炎ウイルスの治療
 
経口C型肝炎治療薬「エレルサ?」(エルバスビル:NS5A阻害剤)および「グラジナ?」(グラゾプレビル水和物:NS3/4プロテアーゼ阻害剤)といいます。
下の図の左の二枠に属する薬になります。
 
2016年9月28日製造販売が承認されて、11月18日発売。これまた、1日1回エレルサは1錠、グラジナは2錠、12週間、飲めばいいタイプの薬です。薬の値段は3ヶ月で390万弱、ヴィキラックスと同じくらいの値段ということで決まったようです。
C型肝炎ウイルス治療薬として、ダクルインザ・スンベプラ、次にハーボニー、次にヴィキラックスと登場してきました。こんどは、この薬です。今まで、高齢者(80歳の方まで治験に参加しています)や、腎臓の働きの悪い人、高血圧の薬(カルシウム拮抗薬高血圧では飲んでる方が多い薬)を飲んでる人に注意が必要だった部分が比較的安心に使えるという薬になっています。
その他の併用薬に注意が必要な部分はこの間の薬で共通してる部分が多いので大丈夫かと思いますが注意が必要です。
とくに透析を受けている患者さんでも99.1%の効果があったと言うことはすごいことです。

飲み薬中心の薬での耐性ウイルスへの配慮はほとんど必要ないとは言われていますが、この間耐性がでてきている患者さんへどのくらいの効果があるかなど今後のデータの集積が望まれるところです。それにしても、約97%が治癒するということで、こうなると本当に差がないと言える時代になっています。2016年12月15日作成 2018.1.27更新

2016.12.14 1例目処方開始
2017.2.15 2例目処方開始

記号の意味 ◎治療中の陰性化 ☆注意を要した場合 △陽性化 ○SVR24達成

2016年12月14日処方 内服開始確認後追記 順調なら 3月8日終了予定
◎1例目 68女性 genotype1b 高ウイルス量 耐性無し 腎機低下 カルシウム拮抗剤のんでいるので 地元の院外薬局にて取り寄せ開始
2017.2.8追記 2017.1.11陰性化確認
肺炎合併して入院するも治療にて改善

2017.2.15処方 2月16日から開始 5月10日終了予定
◎2例目 63才女性 高ウイルス量 耐性無し IFN治療歴あり副作用ひどく終了近くで中止となったと 腎機能心配にて
2017.2.22追記 頭痛吐き気4日くらいあったがその後落ち着いたとのこと

2017.11.29処方 11月30日から開始 3月7日終了
3例目 88才女性 1b高ウイルス量 5.1 耐性無し
2018.1.10 陰性化確認 少しふらつき倦怠感あるが変化はないので大丈夫と

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