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04胃静脈瘤

2007年12月29日 | 門脈圧亢進症 食道静脈瘤

肝硬変などの門脈圧亢進状態で出現してくる静脈瘤にはいろいろあるのですが、この写真は胃にできてきた静脈瘤のものです。写真の左が正常の胃の頭側、右が胃静脈瘤の部分です。右の写真のさらに左側にもこもこした盛り上がった形の静脈瘤がわかるかと思います。黒い棒みたいにみえるのは、胃カメラの部分です。反転といって、胃カメラの先端を180度曲げることで食道と胃の境目を見上げてる写真です。

この部分にできる胃静脈瘤を特に孤立性胃穹窿部静脈瘤(こりつせいいきゅうりゅうぶじょうみゃくりゅう)といって出血(破裂)すると、大量になるため出血死が起こることがあり、命に関わる静脈瘤といわれていました。現在では、内視鏡的静脈瘤硬化療法や血管造影による治療(B-RTO)などにより、内科的な治療が可能な静脈瘤となっていますが、それ以前は手術しか対応できない、治療が困難な静脈瘤の一つでした。

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