
4ストロークからなる「V型4気筒エンジン」はオートバイエンジンの中でも比較的「新しく開発されたエンジン」じゃないかって印象があったり
しますが、実はそこそこ歴史があって、まず最初に市販車ではないレーシングマシンとして開発し登場させたのが、英国の「AJS」と言うメーカー
だったりする様です。時代は1930年代から1940年代あたり。勿論、空冷式の冷却方式で作られてた代物です。その後には「ドゥカティ」からも
1960年代に、これまた市販車ではないレーシングマシンとして空冷式の「V型4気筒エンジン」を搭載したマシンを送り出しています。そこから
さらに時代は流れ、1980年代(1982年〜)になって遂に「市販車」として初登場したのが、ホンダ「VF750Cマグナ」だった訳です。ホンダは
それまでにも、WGP(ワールドグランプリ)で「V型4気筒エンジン」を搭載した「NR500」を実戦で投入しており、他のメーカーとは違い、この
「V型4気筒エンジン」に「強い将来性」を感じて開発に勤しんでいたと言う経緯があったんですよね。これが見事に開花するのが、1987年に登場
した「VFR750R(RC30)」の存在からで、その後のオートバイ耐久レースを中心に「VFR750R(RC30)」は多くのレースで優勝を果たしており、
そのポテンシャルの高さを見せつける結果となって行きます。また、市販でも1989年には400ccモデルにも「V型4気筒エンジン」を搭載したモデル
として水冷式の「VFR400R」を投入、その後「RVF」へと進化を遂げ、その速さは中型排気量の領域を超えるものとして絶賛されて行きます。また
見た目のデザインも良かったですしね!(笑)。で、この「V型4気筒エンジン」ってのが、どう一般的な「並列4気筒エンジン」と違うのか?その
メリットあげて行きますと、まずは「コンパクトに作れる」と言う点、さらに2気筒と同様レベルの「短いクランク」で4気筒を動かす事ができる為、
高回転時のブレ(ねじれ)が少ない点、それによる耐久性の高さなどが挙げられます。逆にデメリットを挙げてみますと、部品点数が多くなる事から
重量が重い点、構造が複雑なので製造コストが掛かる点が挙げられます。また今となっては「懐かしい」になりますが、ホンダ「NR750」は、さら
に楕円形をしたピストンを搭載しており、実質、V型8気筒と言うものを世に送り出してたりします。そう、当時は驚きと異次元のオートバイと言う
イメージで圧倒されましたが、結果的には登場させたタイミング悪く、バブル期(好景気)が弾けたと共に「注文時には殺到した」お客様から次々に
キャンセルを受け、在庫がたくさん余ったって事がありました。現在では市販車からなる「V型4気筒エンジン」はホンダからは登場しておらず、逆に
イタリアのメーカーである「ドゥカティ」から「パニガーレV4」をメインに水冷式「V(L)型4気筒エンジン」の作られてるって感じになっています。
ホンダが開発を辞めた切っ掛けは様々な理由が挙げられますが、新しい排気ガス規制をクリアさせるコスト面の問題や、並列4気筒エンジンが270度
クランク(昔は180度)へと進化した事で容易に高出力を生み出す事が可能になった事などが挙げられます。しかし今後のスポーツバイクを考えた場合、
もしかしたらホンダも「新しいV型4気筒エンジン」を搭載したモデルを開発し登場させて来るかも知れません。その理由はまさに現在の市販車改造
レースの最高峰「世界スーパーバイク選手権」でも「V型4気筒エンジン」を搭載した「ドゥカティ」の速さが目立って来てるからです。まぁ、先の事は
想像するしかありませんが、個人的には期待して見ていきたいなぁって思ったりします。(笑)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます