
1990年代に入るとカワサキ「ゼファー400」の出現を期に「ネオクラッシック」スポーツモデルが「一世を風靡」する事となるのですが、その流行り
の根源には「カスタムする」ってのがありました。この「カスタム」の流行は、他のモデルへも「派生する傾向」があり、「カスタム」を好むユーザー
の矛先は、同じ様に「カスタム出来るオートバイ」へと目を向ける様になります。そこで新しく注目されたのが「国産からなる中型排気量のアメリカン
(クルーザー)」だったんですよね。また時代として1996年に突然それまでの「限定解除」が終了し、誰もが簡単に教習所で大型免許を取得できる様
になるのですが、それが一般的になるのはまだ先で、2000年代に入るまでオートバイの主軸は、まだまだ「若者を中心」とした中型排気量(250cc〜
400cc)にあり、この「国産からなる中型排気量アメリカン(クルーザー)」ブームもそんな時代だったので、特に「メインは400ccモデル」に集中して
る感がありました。で、まず先陣を切った車両がホンダ「スティード400」でした。そもそも、この車両は1988年から登場してたのですが、1990年代
の中盤辺りから「再注目」を集める様になります。もちろん購入者の目的は「カスタム」でした。残念ながらそのままノーマルで乗る方はほとんどいなくて、
いわゆる憧れの「ハレーダビットソン」のカスタムを真似た「チョッパー」や「ボバー」スタイルなど「見た目的なカスタム」が流行って行くんですよね。
特に他のモデルではなくこの「ステード400」が注目されたのは、間違いなくスタイルで、最初からかなり「ハーレーダビットソン」に近いフォルムを
持ってた事にあったと考えられます。で、これに目をつけた各国内のオートバイメーカーは、それを追従する車両の開発に乗り出し、1997年にホンダから
追加モデルとして「シャドウ400」の販売が開始されます。またヤマハからもそれまでの「ビラーゴ250/400」に次いで1996年より「ドラッグスター400」
を新たに販売開始、さらにその派生モデルとして1998年には「ドラッグスタークラッシック400」を登場させます。カワサキからも同時期の1996年より
「バルカン400」を登場させ、同じくその派生モデルとして翌年の1997年には「バルカン400クラッシック」を登場させます。またスズキからは1987年
より登場してた「イントルーダー400」に次いで、1996年より新たに「デスペラード400」や、少し遅れた2005年より「ブルーバード400」を登場させて
行く事になります。この手の国産アメリカン(クルーザー)はあくまで「ハーレーダビットソン」を「模倣したスタイルが売り」だったのでどの車両を
見てもそのイメージを強める「カスタム」が一般的でした。この流行りは2000年を少し過ぎた頃まで続くのですが、いわゆる「オートバイ氷河期」と言う
時代が訪れると誰もオートバイに目を向ける事が無くなり、それと同時に一瞬にして衰退してしまいます。ただ、この流れを一部の若者がドラマなどの影響
も手伝って何となく継承するカタチで、今度は「シティーバイク(ヤマハ・TW200、ホンダ・FTR、カワサキ・250TRなど)」のカスタムへと繋げて行く
事になって行きます。現在この手の「国産アメリカン(クルーザー)」も少しだけ注目を集めていますが、残念ながら大型バイクが一般的になり、憧れだった
「ハーレーダビットソン」を手に入れるユーザーが増えると共に「ハーレーの偽物」とか「ハーレーが買えない貧乏人が乗るバイク」と言うイメージが定着
してしまい、不人気者になってしまいます。オートバイの流行って不思議なものであれだけ人気を誇ったモデルも時代が変わると見られ方まで変わってしまい、
何となく乗るのが恥ずかしい感じになってしまうんですね。(笑)
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