1990年代の4スト400ccマシンで「レーサーレプリカ」と言われる中でも個人的にフォルムが好きなのが、このスズキ「GSX-R400R/SP」の
「GK76A型」です。登場は1990年式からで最後にマイナーチェンジされたのが1995年式まで。そもそも1990年代の中盤までは勢いのあった
このクラスのスポーツバイクでしたが、同じコンセプトで売られてた2スト250ccクラスと共に2000年に近づくにつれて人気を失って行きます。
その要因は多分ですが「単に飽きられた」ってのが1番で、その次が1996年から始まった「教習所で大型バイクの免許取得が可能」になった事
で一部のオートバイファンが一斉に大型バイクへと移行し始めた(後に来るオヤジライダーからなるハーレーダビットソンブームの先駆け)事に
あったと考えられています。またこのタイミングで、それまで絶大な人気を誇ってた「中型バイクの人気低迷」と共にオートバイ全体の人気が、
どんどん下がしてしまい、次の若い世代が「オートバイに興味を持たなくなった」ことも大きな要因と考えられる気がするんですよ(笑)。現在
は徐々に回復を見せて若い世代や女性にも受け入れられているオートバイですが、この時代は本当に「ヤバい」ぐらいオートバイって人気を失って
いました(笑)。まぁ、そんな時代もあったってお話ですが、本題のスズキ「GSX-R400R/SP」に戻しますが、その前にあった「GK73A型」から
大幅なデザイン変更がなされ、ぼってりしてたフォルムから一気に「スマートでシャープ」な印象を与えるデザインに変わります。また、フロント
の倒立フォークや、オールアルミ製のフレーム、そしてスイングアーム、はたまた当時としてはかなり太めのリアタイヤや(160/60R17)などが
標準装備されてて、全体的に贅沢な作りとなっていたんですよね。もし今この仕様で新型が売られるとしたら確実に100万円超えですね!(笑)。
で、更に独特のフォルムを生み出してる「フレーム形状」は、1980年代からカスタムメーカーで有名な「ヨシムラ」が独自で制作してたものを
あえてスズキから近づけたもので、大きくアーチを描いたデザインは、ヤマハの「デルタボックス」やホンダの「バックボーン」などと同等の強度
と適度なしなりを確保しており、高い戦闘力を誇るものだったりしていました。たらればですが、デザインや電子制御が搭載されていない事を
退けて考えれば現在の400cc最高峰スポーツバイクにあたるカワサキ「ZX-4R」とも、いい勝負が出来るマシンだったと言えるかも知れません(笑)。
まぁ、今振り返って考えて見て驚くのはこんなバイクが「30年以上前にあった」と言う事です(笑)。以前にもこんな事を書いた気がするのですが、
いわゆる機械的な構造や設計は、もう既にこの時代で「完成を見てる」傾向があり、後に出て来た現在に通づるモデルたちは「デザインと電子制御
があるか無いかの違いだけ」って事も少なからず言える気がするんですよね。まぁ、これはあくまで個人的な印象ですがこのスズキ「GSX-R400R/SP」
でも十分なパフォーマンスを今でも味わうことが可能ですよって言いたいんですよね(笑)。実際、4スト4気筒からなる最高出力で59psに抑えられた
エンジンパワーはキャブレターのセッティングもしくは大型のものと交換し、排気管(マフラー)の交換で70ps近いパワーを引き出すことが可能と
言われています。実際に「テイストオブツクバ」と言うレースで、独自に改造されたマシンがそのレベルに引き上げられています。で、最後に中古市場
を見てみますと、他の車両と比べ比較的安く売られており、安いものだと70万円あたりから高いものでも100万円以内で売られています。この価格差
はもちろん程度と走行距離ですが、中型で本気に速いマシンを求めるなら、やはりこの時代の「レーサーレプリカ」になるんじゃないかって思いますし、
異常なほど高騰してる中古にあって比較的「現実的な価格で購入出来る」のもスズキ「GSX-R400R/SP」の魅力じゃないかって思うのですが、いかが
でしょう!(笑)