mitumine 夢幻庵日記

夢うつつで過ごしている日々、趣味の絵・旅行・写真・ハイキング・読書などを写真を交えて気ままに記しています。

「日本軍兵士-アジア・太平洋戦争の現実」 吉田 裕 中公新書 を読んだ

2018-08-22 08:24:18 | 読書
 

表記大戦の期間中(1941-45年)の戦没者数は、日本の軍人・軍属が230万人(日中戦争期を含む)民間人が80万人、合計310万人に達する。-本書「はじめに」から

全戦没者(310万人)のうち、1944年から敗戦(45年8月15日)までの1年8ヶ月間で91%の人が亡くなったという。これは日本政府、軍部、昭和天皇を中心とした宮中グループの戦争終結決意が遅れたためという(25頁)。

軍人・軍属230万人のうち、広義の餓死者(マラリアなどに感染して病死した者を含む)が140万人(61%)に上る(31頁)。

無能な指導者層によって、かくも多くの若者、民間人が非業の死を遂げている。
本書では、この戦争の実態を多岐にわたって考察していて余りの悲惨さと、参謀本部の無能さに呆れることばかりだ。この参謀本部は陸・海軍とも官僚制で、いまの防衛省に当たるところのようだ。

日本の官僚制は優れていると一時いわれていたが、昨今の財務省・文科省・防衛省のていたらくを見ると、先行き大丈夫だろうかと思わざるを得ない。




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