mitumine 夢幻庵日記

夢うつつで過ごしている日々、趣味の絵・旅行・写真・ハイキング・読書などを写真を交えて気ままに記しています。

4月に読んだ本2冊 「地球星人」 村田沙耶香 新潮文庫、「海と毒薬」遠藤周作 新潮文庫

2022-04-29 16:23:34 | 読書
 「地球星人」 村田沙耶香
 小三だった奈月(魔法少女だと思っている)はお盆の時、おばあちゃんが住む山へ行ったとき従兄弟の由宇(宇宙星人だと思っている)と正式な恋人になり、そして後、結婚の約束まで交わす(40頁)。

 奈月は小五のころ性教育をうけて、やっぱりそうだったのかあ、と思った。『私は、人間を作る工場の中で暮らしている。中略 ずらりと整列した四角い巣の中に、人間のオスとメスと、その子供がいる。ここは肉体で繋がった人間工場だ』(48頁)。

 奈月は31歳の時、私は「工場」の部品に上手くなれないであろう自分を感じていた。私の身体は故障したまま、大人になっても性行為はできなかった(136頁)。そこでネットで「性行為なし・子供なし・婚姻歴あり」の条件に合った智臣と結婚することになり、縁あって由宇がひとり住まいをしている”おばあちゃんが住む山の家”へ同居することになる。

 この後も事件が次々起こるが省略。読み終わっての感想は「変な小説」、現実世界を逆転させて観ればこうなるのか?

 因みに、佐藤優氏は「危ない読書」127頁で、もし会社の同僚に「面白い小説があるよ」とすすめたら、人間性を疑われるかもしれない。しかし、私はあえてすすめたい。と、言っている。実は、私もこれを読んで早速買い求めたもの。

「海と毒薬」遠藤周作 
 あの戦争末期の九州の大学付属病院での「アメリカ人捕虜生体解剖事件」をテーマとした作品。読後、暗澹たる気持ちになるのは、氏原作の映画化「沈黙」と同様。日本人とは何か、と考えさせられる。

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