「昭和天皇実録」は宮内庁書陵部が24年余を掛けて編纂し、2014年9月に公開されたもの。本書はその半年後に発刊、歴史研究家の4氏の対談をまとめたもので読みやすい。
あまり知られていない幼年時代の記録、そして最も関心のあるあの太平洋戦争の顛末が、かなり詳細に語られている。開戦に疑問を感じていた天皇が、徐々に開戦やむなしから、戦時色に引き込まれやがてはポツダム宣言受諾に至る陛下の苦衷の程が痛々しい。
何と、開戦間もなくから、陸海軍とも戦況について嘘の報告があげられていて、天皇は外国の短波放送を聞いて状況を把握していたという。
実録全文は膨大でとても読むことは出来ないが、専門家が読み解く本書で主要な部分が理解でき、とても有益な本だった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます