mitumine 夢幻庵日記

夢うつつで過ごしている日々、趣味の絵・旅行・写真・ハイキング・読書などを写真を交えて気ままに記しています。

「ドン・キホーテ 1-6巻」 セルバンテス 作 牛島信明 訳 岩波文庫 を読んだ

2018-08-18 13:33:25 | 読書
 



 マドリッドのスペイン広場(1930年にセルバンテスを記念して造られた)にあるセルバンテス、ドン・キホーテとサンチョ・パンサの像

 知らぬ人はいない有名な小説だが、初めて通読した。何といっても面白い。トーマス・マンもナチの迫害に追われてアメリカに渡る船旅の友として本書を読んだという(解説 第6巻434頁)。
前編が49章、後編79章の構成になっていて、スペインで発刊されたのは前編が1605年、後編が1615年だったという。

ドンキホーテの狂気によって引き起こされる様々な事件、忠実な従士サンチョの機知に富んだ応答が面白い。更に後編では前編を下敷きにした様々な物語が展開して、偽書までが出版されてその作者がキホーテと会話を交わす様子までもある。

最終章でキホーテは病に倒れ、死の間際正気を取り戻し遺言状を作成して、その場の人々の深い同情と涙に見守られながら、魂を神に捧げた。つまり死んだのである(411頁)。

上の本の表紙にあるように、精密に描かれた挿絵が随所にあり楽しませてくれる。


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