友だちが1冊の本を貸してくれた。「返すのはいつでもいいから」と言われると、やっぱり早く読まなくてはと思う。三橋貴明氏の『明治維新の大嘘』である。インターネットに広告がよく出ていたので書名は知っていた。
友だちはどうして私に読ませたかったのだろう。NHKの大河ドラマ『青天を衝け』が、明治維新を扱っているからだろうか。文字が大きく、行間も広いのでサッと読める。著者の三橋氏は1969年生まれで若い。丁度、私たちの子どもの世代だ。
三橋氏の思考の中心は、縦軸つまり連綿と続く歴史を受け止め、横軸である現代に生きる国民の象徴である皇統を受け入れるなら、「将来のために、自分は何をするべきか」が分かる、そのため著した本のようだ。
日本人の99%が、明治維新で歴史を断絶し、開国を近代化と称賛し、小国意識を持ってしまった。けれど、日本は世界一歴史の長い国であり、江戸時代の生産力は世界一であり、人口も多い大国だったと説く。
江戸時代は殿様がいて専制国家の形をとっていたが、不思議なくらい合議で決めていた。村も町も寄合で決めていた。そんなことは中学の歴史で学んでいる。明治維新は歴史の流れである。三橋氏は戦後の自虐史観を嫌うが、反省しなければ進歩は無いと私は思う。
三橋氏よりもさらに若い、白井聡氏の『武器としての「資本論」』や、斎藤幸平氏の『人新世の「資本論」』の方が私は共感出来た。
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