北風が吹いてきて、ちょっと肌寒い。私が書斎にしているのは北側の部屋で、ルーフバルコニーに面した西側は大きなガラス戸になっている。そのガラス戸越しに、植木鉢のバラやアジサイやキンモクセイが見える。「ソメイヨシノが咲いた」と狂い咲きを新聞が報じていたが、我が家の鉢植えのスミレも小さな花をつけている。
こんな地上30メートルもあるルーフバルコニーなのに、秋には虫の音が聞こえる。先日もカタツムリがいたことをここに書いたが、今日は私の書斎でトカゲを見かけた。飢え死にしては可哀想と思い、捕えようとしたが逃げられた。トカゲやカタツムリやスズムシなど、いったいどこからやって来たのだろう。そういえば近所に、虫が好きな子どもがいる。その家から逃げ出してきたのかも知れない。
虫が好きな子は女の子で、4つ上に男の子がいるが、兄の方は虫を見るのも嫌だと言う。女の子だから、男の子だから、と決めつけてはいけないようだ。埼玉県和光市のマンションで、祖父母が中学3年の孫に襲われ、祖父は死亡する事件が起きた。中学生の孫は同じマンションの別の部屋に両親と暮らしていたのに、どうして祖父母の部屋に来て、殺傷してしまったのだろう。
報道では、「学校に許せない生徒がいて殺すつもりだったが、家族に迷惑をかけたくないので、まず家族全員を殺してから実行するつもりだった」とある。なんという頭脳なのだろう。人の命をそんなに軽く考えてしまうのは何故なのだろう。祖父は小学校の図工教師だった。殺害した孫は「おとなしくて真面目」とある。祖父母は孫をとても可愛がっていたともあった。
「許せないから」「迷惑をかけたくないから」、だから「殺す」とはあまりにも思慮がない。中学生にもなれば悩みもあるだろう、怒りもあるだろう、他人には相談できないこともあるだろう。けれど、もっと考えることも出来るはずだ。本を読み、こういう時、人はどうしてきたのかを探る、そしてもっと悩んでさらに考える。人が生きている意味を。
電車などに乗ると、本当に痛感するが、若い子たちはみんなゲームをしている。ゲームに飽きる、いやゲーム以上に本が楽しいと思わせないと、彼らはゲームをやめないだろう。人生はゲームと違うことを教えるにはどうしたらよいのだろう。人を裁くのは人ではないと、伝えなくてはならない。
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