内視鏡検査のため、朝8時前に家を出る。久しぶりに通勤時間帯の電車に乗るが、半世紀前と変わらない混雑ぶりだ。ドアからのわずかな隙間に入るが、このままドアが閉まるだろうかと心配していると、私の後ろから若い男が飛び込んで来て、無理やり背中を押してくる。
混雑した車内では、前の背中に身体を寄せることになる。しかし、私の前は少し高齢の女性が、客席ではなくドアの方を向いているので、私と女性は正面から向き合っている。このままでは顔と顔、お腹とお腹を突き合わすことになるので、迷惑をかけないように踏ん張るしかない。
「両手を上に挙げている」ことが、男たちが痴漢疑いを免れる方法だというが、荷物があれば手は挙げられず、女性たちの尻を触ってしまう。まだあの、好景気の頃の混雑が続いていることに驚いた。電車が地下鉄の乗換駅に到着し、向き合った女性は平然と降りていった。
内視鏡検査は無事に終わった。来週の水曜日にCTとMRIの検査があり、再来週の水曜日に医師から検査結果が言い渡される。病院内の喫茶店に寄って、のんびりして帰ろうかと思ったが、そんな気力も無く帰路に就いた。電車はガラ空きだった。
私の向かいに、ミニスカートの黒ずくめの若い女性が座った。化粧はしているが中学を卒業したばかりだろうか、女の子はカバンから何かを取り出し、眼球に張り付けた。目がパチリときれいに見える。マスクを外して缶コーヒーを飲む。マスクしていた方が魅力的に見える。
私が見つめていても全く気にならないようだ。結局、私と同じ駅で降りた。えっ、じゃあー、彼女は女子大生だったのか。脚は艶があってとてもきれいだった。マスクを外した顔は若干大きめで、ミニスカートにそぐわなかった。けれど、声をかけてくる男性はきっといるだろう。青春はいいなあー。
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