友々素敵

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福田康夫総理の誕生

2007年09月26日 22時51分12秒 | Weblog
 福田康夫さんが総理大臣になった。「総理になりたいと思ったこともない」と発言していた福田さんも、河野衆議院議長が憲法の規定により、「福田康夫君を総理大臣に指名する」と言った時は、嬉しそうに少し笑った。71歳でまさか総理大臣のイスに座ることになるとは、思いもしなかったであろう。福田さんはテレビで見ている限り、サラリーマンのような政治家だ。与えられた仕事はキチンとこなすが、自分からは欲を出さないタイプに見える。

 今のところの福田さんは自分の役割を心得ていると思う。だから自分で「背水の陣内閣」と言ったのだろう。このままでは自民党は政権の座を失うことになる。できる限り引き伸ばすことが第一の目標だ。それがダメなら、いつでも復活できるように、できる限り数を温存することコレが第二の目標だと思う。いずれにしても自民党の後退は避けられないが、衆議院の解散権は福田さんが握っている。だから、どこで解散・総選挙を行うことが自民党にとって有利なのか、その判断をすることに全神経を集中させているのだろう。

 もし仮に、衆議院選挙で自民党が負けなければ、その時はたとえネジレ国会が続くとしても、福田さんも少しは色気が出てくるのかもしれないが、こんな難しい国会で命を削るような使命感に燃える人ではあるまい。当面の課題である「テロ対策特別措置法」の問題、多分新法で民主党に揺さぶりをかけるのだろうが、石破茂防衛大臣をその矢面に立たせたことからも、福田さんの性格が見える。高村正彦外務大臣と一緒になって「頑張ってください」ということなのだろう。年金問題は引き続いて、舛添要一厚生労働大臣にお任せしておけば、票の減少を食い止められるとの判断だろう。

 新鮮味がないとか、派閥の復活だとか、世間がなんと言おうと、とにかく衆議院選挙までの内閣なのだから、この「緊急避難」内閣は自民党の全ての派閥が参加する挙党一致を内外に示さなくてはならないわけだ。福田さんにとっては世間の揶揄などどうでもよいことだろう。「総理の息子」と言われながら、政界に出たのが遅かったから、総理になれるとは思っていなかった。思いがけないタナボタである。コレで自分も父親と同じになった。しかも、日本の憲政史上初めての親子での総理が実現できたのだ。充分に満足していいと思っていることだろう。

 二世三世議員はたくさんいるが、親子で総理を務めたのは福田家だけだ。この自負だけでも71歳の皮肉屋の政治家には大きな力になっている。福田さんがこれから、どんな発言をするのか、どんな行動をするのか、しっかり見たい。何しろまだ福田ビジョンというようなものは何もないのだから。今度の施政方針演説で福田さんは自分の思いを語るのであろうが、安倍晋三前総理と変らないような総花的なものなら、やはり短命で終わるような気がする。

 民主党は妥協することなく、自民党政治の悪癖を暴き出し、追求し、国会解散に追い込めるかが問われる。そんなわけで、これから先は目が離せない事態が続くかもしれない。戦後62年、やっと何かが変ろうとしている。いや多分、変らざるを得ない状況になってきているのだろう。
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