「保険を見直しませんか」という会社の人がやって来た。どうして我が家に来たのか分からないが、立て板に水のようによく喋る人だった。私は保険に関心がない。我が家が入っている保険が幾つあり、支払っている金額がいくらなのか、それもハッキリ知らなかったので、話だけは聞こうと思った。
私が教員になった時、保険のおばさんが職員室にやって来て、生命保険を勧められた。「自分が受け取れないのに、お金を払う気はありません」と断った。ところが結婚するとどこかで聞いたのか、「今度、結婚されるんでしょう。だったら奥さんのために、保険に入らないとダメですよ」と説得され、以来ズーと払い続けている。
私がまだ子どもだった頃、母は自宅で洋裁学校を開き、昼夜を問わず働いていた。教えるながら、頼まれた洋服や和服を縫っていた。母が休む姿を見たことが無い、とにかく働き者だった。ある時、母が生徒さんに愚痴を零しているのを聞いた。「保険のお金を払うために、働いているようなものね」と。
保険は掛け金を毎月支払わなければ、保険金を受け取ることが出来ない。そんなにまでして母は掛け金を支払い続けたのに、母が亡くなった時、保険金は降りたのだろうか。父から何も聞かされなかったし、父が亡くなった時も何も無かった。私は保険に対して、助けてもらった思いは無く、嫌いだった。
万が一に備えたものが保険なのに、そんな時が来るはずはないとか、来た時は来た時などと無思慮だった。世の中には保険に入っていたおかげで助かったという人もいる。カミさんは「やっぱり見直した方がいいのかな」と考え込んでいる。カミさんの決断に従うが、カミさんは結構、優柔不断なところがある。
娘たちが連休にやってくるから、「判断を仰ぐといい」と話しても、まだ悩んでいる。さて3日から6日まで、ブログは休みます。
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