水曜日に予定が入らなくなったカミさんのために、今日は名古屋市美術館で行われている『マリー・ローランサンとモード展』(9月3日まで)を観て来た。私の卒業生がFacebookに、同展を観たとを書いていたので、「行ってみないか」と誘ってみたのだ。
私は『マリー・ローランサン展』とばかり思い込んでいたので、初めはちょっと違和感があった。『とモード展』の後半の部分を見落としていたのだ。会場に置かれたガイドには、「この展覧会では、ローラサンとシャネルのふたりを中心に、1920年代パリの美術とファッションを見ていきます」と書いてあった。
画家として名を残したマリー・ローランサンと、ファッションデザイナーとして活躍し化粧品も手掛けたガブリェル・シャネルは、同じ1883年生まれ。ローランサンがパリ生まれなのに、シャネルは田舎のどちらか言えば貧しい家なのも皮肉。けれど、1914年から始まった第1次世界大戦がふたりの運命を大きく変えた。
大戦後、美術界ではデカダンスなダダが興隆し、その後を受けたシュールリアリズムが主流になった。ローランサンもピカソたちと交流し、パリ在住の金持ち婦人を淡い色調で描いて人気の画家になっていく。シュールの詩人・アポリネールとの恋愛も彼女の作風に影響したのかも知れない。
また、大戦後は女性の社会進出で、女性の生き方も大きく変わった。ファッションも貴婦人たちの装いから、一般市民が好む活動的なデザインへと移った。パリに店を開いたシャネルはそんな時代を読み取り、新しいファッションを創り出し大金持ちとなった。
展覧会ではローランサンの作品だけでなく、シャネルがデザインした服やファッションショーの映像も観られ、来場した女性たちの関心を集めていた。卒論でシュールレアリスムを課題とした私は、そんな時代のパリを想像し、なぜか身近に感じた。面白かったのは、シャネルはローランサンに自分の絵を依頼したのに、似ていないと受け取らなかったという。エッ?
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