友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

また一人旅立ってしまう

2019年05月20日 17時27分27秒 | Weblog

 大雨の予報だったが、午前中は風が強かった。その風が静かになったように思い外を見ると、シトシトと雨が降っている。今晩は通夜が行われる。雨降りは嫌だけれど、土砂降りや強風交じりでなければありがたい。亡くなったのは同年の男で、私は同年の集いで知り合った。ちょっと偏屈なところがあり、同年の集いに出てこなくなった。

 彼は写真が趣味で、集いの時は集合写真はもちろん参加者個々のスナップ写真を撮り、アルバムにして渡してくれたこともあった。そういう技術を身に着けているのは頭がいい証拠でもある。子どもの時の彼がどんな子だったのか私は知らないが、中学校から有名な私学へ通っていたようだから、親にそれだけの財力があり、彼はそれに応えられる学力があったのだろう。

 私が生まれ育った所はここよりも幾分大きかったが、彼が通った有名中学校へ進学した同級生はひとりしかいない。その友だちは、「席は成績順でとても厳しい」と嘆いた手紙を送ってきた。彼もまた、成績重視の学校の中で苦労したのだろうか、それとも逆手にとって楽しんでいたのだろうか。同年の集いが初対面だったのに、同好の仲間と思ったのか、処分に困ったDVDをプレゼントされた。

 彼が同年の集いに来なくなったのは、「写真は集合写真の1枚でいい。もらっても遺影にもならない。女性たちは、毎年衰えていく自分を見たくないと言っている」と幹事のひとりが彼に話したのがきっかけだった。彼は激怒して、写真にどれだけお金がかかるか、明細をプリントして来た。彼としては言わばボランティアでやっているのに、ケチをつけられたと思ったのだ。

 彼は区長として堂々と苦言を呈したり、あるいは恵まれない人たちのために働いたりしていた。独特の価値観や美意識は、なかなか広く皆さんに受け入れてはもらえなかった。そういう点でも、私に同じ体質を感じたのかもしれない。


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