友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

何十年ぶりかで話を聞いた

2019年05月10日 17時41分00秒 | Weblog

 友だちの家から出てきたところで、バッタリと昔の知り合いに会った。何十年ぶりかで話を聞いた。以前だって、「やあー」と言うくらいで、親しく話したことはなかったのに、今朝はいきなり、「女房の戸籍を抜きたいんだが、どうしたらいい」と言う。「どうしたの?」と聞いたことから、路上で30分以上の立ち話になった。

 話の筋が見えなくて、「ふん、ふん」と聞いていたが、なかなか理解できなかった。「弁護士が必要な時は紹介するよ」と言って別れたが、波乱に満ちた人生を送ってきたようだと推測できた。なかなかキツイ、しっかりしたカミさんだと思ったが、「戸籍上は夫婦だが、夫婦関係はない」という不思議な話だった。

 「子どもは社会人になったが、未だに金をせびりに来る。これ以上親子でいたら、ワシが食えなくなってしまう」と話す。「でも、自分の子でしょう?」と言うと、「誰の子かはわからん」と答える。夫婦関係もなく、誰の子ともわからない、そんな家庭をよく何十年も続けてきたことの方にビックリした。

 もうすぐあの世が目の前だというのに、今更、離婚だ除籍だと言わずに、このままでもいいじゃーないかと思うが、他人だからそんなことが言えるのだろう。高校の教師を定年まで勤め、退職してからも合唱団の育成に尽力してきた人が亡くなった。彼は離婚していたので、家族は彼の葬儀はしないと言い、卒業生との話し合いも拒否した。

 それではあまりにみじめだと、卒業生が中心となり葬儀を行った。二百人近い参列者があった。彼の遠い親戚の者が「遺骨は故郷の寺で預かります」と持って行った。葬儀の中心メンバーは、その寺に行き経を挙げてもらったという。生徒にずいぶん敬愛されていた人柄がよく分かった。それでも、家族としてはうまくいかなかった。難しいねえー。

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