ハワイは自然もきれいだけど、食べ物もすごくおいしく、真奈はすっかりハワイが気に入っていく。
おばぁちゃんからは、庭仕事を言いつかる。幅広い帽子、サングラス、長袖シャツ、手袋は必須。
庭仕事をしてて、おばぁちゃんから教わる:植物を育てるということは、心を育てるということ。
あなたは庭をとおして、花たちをとおして、天地とつながれる。空から雨が降って、陽が降りそそいで、地面の植物が育つ。植物には虫が集まり、小鳥が集まり、小鳥は種を遠くに運んでいく。庭をととのえるということは、心をととのえるということ。
レインボシャワーツリーは一本の木なのに、ピンク、赤、クリーム、白、黄色など、いろんな色の交じった花を咲かせているから不思議だ。
庭の雑草取りに汗を流すと、日本での嫌なことを忘れてしまう。
庭の隅に石仏を見つける。これは? とおばぁちゃんに尋ねると、古いアルバムを持ち出して、日本人の移民の話を始める。
さとうきびプランテーションの労働者は一日10時間の過酷な労働に耐えた、ホレホレ節を歌いながら。
♪ ハワイ ハワイと 夢見てきたが 流す涙はきびの中
いこかメリケン 帰ろかニホン ここが思案の ハワイこく ♪
ホレホレとはさとうきびの茎から枯葉をおとす作業で重労働だった。
移民:1924(大正13)年に日本からの移民は禁止される。それまでに広島・山口・熊本・沖縄などから約13万人が移住した。
そして1941年12月8日、あのパールハーバーが。
日系人は敵対国だというので、大勢が収容所に移された。
ただ、二世はアメリカ市民権を持っていたので、辛い経験でありながらも、自分たちのアメリカに対する忠誠心を見せることができる最大のチャンスとして欧州戦線に駆り出され勇敢にドイツと戦い、その働きは大きく評価された(ダニエル・イノウエ上院議員など)。