実務家弁護士の法解釈のギモン

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共同相続人間の担保責任(2)

2019-04-17 14:52:59 | 家族法
 債権法改正前までは、一応これで問題はなかった。おそらく、実務は売主の瑕疵担保責任の法的性質について法定責任説で理解していたためである。最高裁の判例は、種類物につき570条が適用されるか否かにつき若干分かりにくい判旨のものがあるが、契約責任説を採用してはいないと理解できると思われる。
 そして、法定責任説では、売主の瑕疵担保責任が法定無過失責任であり、その代わり賠償の範囲は(少なくとも)履行利益には及ばず、一般的には信頼利益の賠償だといわれていた。これを遺産分割時の相続分に応じた責任に当てはめれば、前回のような結論になるだろうと思われる。のである。

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