◉ 木芙蓉 (ふよう)・白芙蓉 (しろふよう)・紅芙蓉 (べにふよう)・花芙蓉 (はなふよう)・酔芙蓉 (すいふよう)
反橋の小さく見ゆる芙蓉かな ・・・・・ 夏目漱石 [漱石全集]
朝な梳く母の切髪花芙蓉 ・・・・・ 杉田久女 [杉田久女句集]
おもかげのうするゝ芙蓉ひらきけり ・・・・・ 安住敦 [古暦]
古く中国から渡来したと言われる花木で、
観賞用として庭木などに植えられ、秋になるとよく見かける花です。
掌状の大きな葉に、淡い紅色の大きな五弁花を開きます。
楚々として艶やかで美しい花は、しばしば美女にたとえられ、
詩歌や絵画などの題材として親しまれています。
朝に開き夕方には萎んであっ気なく落ちてしまう風情にも、
美人薄命を感じます。
一日花ですが、次々と咲いて花期は長いです。
白い花の「白芙蓉」、
咲き始めは白で次第に紅色に変わる「酔芙蓉」などがあります。
* 芙蓉の実(仲秋)・枯芙蓉(三冬)
[ アオイ科フヨウ属の落葉低木、中国原産 ]
お手前の始まる前の白芙蓉 ・・・・・ みなみ
フヨウ (芙蓉)
古く渡来した栽培種が野生化し、
自生したものと言われています。
本州関東以西~沖縄の、
暖温帯の川原などにやや稀に野生化しています。
古くから観賞用に栽培され、関東以西では庭木・公園樹として用いられています。
樹高は、1〜4m。
幹は直立し、また分枝し、星状の毛で厚くおおわれています。
葉は、長い柄を持ち、長さ幅とも10〜20cmで掌状に浅く3〜7裂します。
裂片は三角状卵形で先は尖り、基部は心臓状で、縁には鈍い鋸歯があり、互生します。
葉の表面は、星状毛や微毛があってざらつき、
裏面や葉柄は、星状毛や腺毛が多く生えています。
花期は、7〜10月。
枝の上部の葉腋に、径10~14㎝の淡紅色または白色の5弁花を付けます。
花弁は5個で、基部は互いにくっっき、回旋状に巻いて、縦に脈があります。
多数の雄しべは単体雄しべとなります。1個の子房の上の花柱は長く飛び出し、
柱頭は5つに分かれます。
花の下部に小苞葉が10枚あります。萼は鐘状で5片に裂けます。
果実は、さく果でほぼ球形で毛があり、5片に開裂し、子に毛があります。
白花の品種や八重咲きの品種があります。
名は、芙蓉は漢名の木芙蓉に由来し、芙蓉の音読みとのことです。
2021/08/20 撮影