しをり戸

ささやかな庭の山野草と
散歩・旅で出会った草木。 
季語・拙い俳句、
折々の写真などの記録です。

水芭蕉 ( みずばしょう ) <夏> 初夏

2013-05-15 |  夏の草木・その他 の 俳句

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石狩の雨おほつぶに水芭蕉 ・・・・・ 飯田蛇笏 [雪峡]
花と影ひとつに霧の水芭蕉 ・・・・・ 水原秋櫻子 [晩華]
水芭蕉どこかに青き痣をもつ ・・・・・ 山田みづえ 

水のきれいな湿地や水辺に群生します。
花序を包む純白の仏炎苞は
花弁のように見え美しく、
小さな葉が寄り添うように生えています。
雪解けの頃、一面に白い清楚な花(仏炎苞)が咲いる光景は人々を魅了します。
群生地は各所にあり、
低地では3月下旬~4月上旬に開花し、
春の訪れを告げます。
尾瀬のような高地では、
5月下旬に花苞をのぞかせ6月上旬が花の盛りとなり、
唱歌「夏の思い出」にも歌われているように
夏の花として考えられています。
「季語」の扱いとしては、歳時記(編者)により異る場合があり、
或る歳時記では「晩春」とし、
他の歳時記では「初夏」」としています。

   [ サトイモ科ミズバショウ属の多年草 ]
   
奥社詣でてもう一度水芭蕉 ・・・・・ みなみ

ミズバショウ (水芭蕉)
日本では、
本州の兵庫県・中部以北~北海道、
(および千島~東シベリア)にかけて、
高地や山間の低地の湿原・疎林の湿原などに自生し、
しばしば大きな群落をつくります。
草丈は、葉の長さ約1m。
地下茎(根茎)は、太く独特の匂いがあり、
雪解けと共に、葉に先立って地下茎から花茎を伸ばします。
葉は、淡緑色、無毛で花茎より少し後れて生え、
花の後長い楕円形に大きく成長し、1mにも達します。
花期は、4~7月。
花は、葉が開くより前か同じころに生じ、肉穂花序で、
黄緑色棒状の穂の軸の外側に
多数の黄緑~黄色の小花を密に付けます。
両性花で、花被片4枚、雄しべ4本、雌しべ1本。
仏炎苞(ぶつえんほう)は、純白の先が尖った卵状楕円形で、
花序を包むように抱きかかえます。
果実は液果で、熟すと穂の軸は地上に倒れます。
地下茎(根茎)と全草に毒があります。
名は、水湿地に生え、葉が大きくなり、
芭蕉の葉を思わせるので付いたそうです。


2011/05/17 撮影…戸隠森林植物園のミズバショウの群生
〃 


 


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