ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

驚異の繊細さ。切り絵とパーチメントの作家による「奇跡のコラボ展」京都、ギャラリー空・鍵屋にて

2015-02-22 | アート


2月20日から24日まで、京都、祇園の「ギャラリー空・鍵屋」で開催されている「奇跡のコラボ展」。
それは、切り絵の切り師 長屋明さんと、パーチメントクラフトクリエーターの大嶋史子さんのお二人による、信じられないほど繊細なアート展です。

 
レースにしか見えないパーチメントの作品とペンで描いたとしか思えない切り絵…それはまさに奇跡の世界です。

パーチメントクラフトというのは、以前もミモロは、大嶋さんに見せてもらったり、実際に自分でやってみたことがあります。とレッシングペーパーに、小さな点をくり貫いて、それを連続させたりしながら、まるでレースのような感じを作ってゆきます。 「ミモロちゃん、いらっしゃい~見に来てくれてうれしい~」と、ギュッと抱きしめてくれた大嶋さん。久しぶりに会ったミモロも嬉しくて、思わず頬ずりしています。

額の中に飾られたレースのような扇。これも全部トレペ(トレッシングペーパー)でできたもの。
 

「近くで見ても、まるでレースみたい…紙だって信じられない…」とミモロ。
ポチポチとひとつずつ小さな穴をあけてゆく作業…まさに根気と根性が欠かせません。
 
大嶋さんは、長らく小学校の先生をなさっていて、その傍ら、パーチメントに出会ったのは、40代の半ば。以来、その魅力にはまり、10年ほど前に、小学校を退職してから、本格的な創作活動へ。さまざまな美術展にも出展。パーチメントの指導も行っています。華麗でどこか可愛らしさが漂う、独特の大嶋さんのパーチメント。そのファンは、全国に…。

「わ~天使みたい…」羽のように見える部分も、トレペを削ったもの。

「このウエディングドレスのレース部分は、パーチメントなんだよ~」


以前も個展を見せていただいたミモロ。「あれ?この作品、いつものと違う…」
 
パーチメントと共に、カラフルな金魚やお花が一緒に額に…。

これが今回の見どころのひとつ、パーチメントと切り絵のコラボ作品です。
どちらも繊細で、細いラインなどが絡み合うような複雑さ。

「なんかすごいコラボだね~。両方とも、すごく細かい…」

ギャラリーは、1階に大嶋さんの作品、2階は、長屋さんの作品が展示されています。ミモロは、階段を上り、2階へ。
「ギャーここもなんか細かい…」
まるで絵のように見える作品は、実は、紙を切って作ったもの。

2階に展示されているのは、今、注目の切り絵作家,長屋明さんの作品です。

長屋明さんは、若いころ、寿司職人のお店でみた「笹バラン」の細工に魅せられたそう。笹バランというのは、お寿司に添えられる笹で作った飾り物。亀の形など、包丁で笹を刻んで作り、盛り寿司の区切りなどに使われるもの。
それを見た長屋さん、包丁ひとつで作るその技にのめりこみ、カッターを使い、細かい切り絵の技を独学で学び、その技を高めていきます。まるで、線描きのように見える細い線…。それは従来の切り絵のイメージを大きく変えるもの。その究極の技から生まれた作品は、現在、世界的に注目されているのです。
 
「これ描いてるの?」とミモロは、作品を見ながら…。
「いいえ、それは、切り絵なんですよ~」と長屋さん。「うそ~」と細い線で形どられた作品は、どう見ても、ペンで描いたもののよう。

「ほら~」と手の上にのせてくれたまるでネットのようなもの。
「え~これ紙からできるのよ?」と、目を丸くするミモロです。

「これは、カッターだけで作るんですよ」と回転する円盤の上に切る紙を置き、円盤を回転させながら、カッターひとつで紙を切ってゆきます。
カッターもごく普通の品。それで生まれる、まさに「奇跡の切り絵」なのです。

墨絵や書なども長屋さんの作品のテーマに…

「どれだけ本物の書のように見えるか、それが面白いんです」と。

「これも切り絵…」ミモロがかぶせてもらったのは、紙からできた冠。


「スゴすぎる~」と、作品を前に立ち尽くすミモロです。

パーチメントクラフトクリエーターの大嶋史子さん、そして切り師の長屋明さん。お二人とも、従来のそれぞれの世界を、独自の感性と究極の技で、究極のアートへと高めています。

「細かい作業って、気が遠くなりそう…。大変じゃないの?」とミモロが聞くと、お二人とも「好きなんです!」とキッパリ。

お二人とも、もともと細かい作業はお得意で、結構好きだったと…。

ひとつの作品を仕上げるのには、何か月もかかることもあるそう。
「これを、他の人からやらされていたら、きっと嫌になっちゃうと思います。絶対に無理!」と。

作品を製作してゆく過程で、もっともっとと自ら思ってしまうそう。
「まだまだいろんな作品に挑戦したいですね~」とお二人。
「人間の技ってすごいね~」とただただ感心するミモロでした。

「奇跡のコラボ展」は、2月24日まで、11:00~18:00(最終日~15:00)
会場:祇園のギャラリー空・鍵屋 京都市東山区祇園町南側花町570-107
大和大路通を四条通から南へ。1本めの筋を東に入って、ちょっと行ったところにあります。





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