ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

京都大学「吉田寮」見学。日本最古の学生寮。今も学生が暮らす場所…

2016-09-06 | 歴史・史跡

京都大学の学生寮「吉田寮」で、9月3日、4日の両日、演劇やライブ演奏が行われたり、食べ物の出店などがある「吉田寮ワンダーランド」というイベントが開催されました。
 
ミモロは、日曜日に自転車に乗って、出かけました。

京大のキャンパスの一角にある「吉田寮」。その周辺では、音楽のライブや演劇が始まっていました。
「本屋さんもある~」

近くで営業しているというたこ焼き屋さんも出店。タコ焼きを作っているアルバイトさんは、京大の学生さんでした。「かつぶしいっぱいかけてね~」
ミモロは、着くなり、まずは、タコ焼きをいただきました。

「へぇ~キレイなモダンな寮だね~」
そこは新館。本来の「吉田寮」は、もっと奥です。タコ焼きを食べ終わったミモロは、古い寮へと向かいます。

「これ?古いね~」古いながら、今も現役で、学生さんが100人以上暮らしている学生寮です。

この「吉田寮」ができたのは、1913年という大正時代。旧京都帝国大学のもので、日本最古の現役学生寮なのです。

木造2階建てで3棟あり、部屋数は150室ほどあり、今も、100人以上の京大生が暮らしています。

「すごい歴史ある学生寮なんだね~」と、ミモロは興味津々。
入口にこんな張り紙もでるほど、見学者が多いのかも。

正面から中に入ります。入口付近は、ここに暮らす学生たちの共有スペース。そこには炬燵があって、その上には、弁当の空き箱や、ペットボトルの空き瓶が。グジョグジョの布団などが散乱しています。
「わ~汚~い~」とミモロはビックリ。

インターネットに掲載されている「吉田寮」の記事の写真とは全く異なる姿がそこに…。
その記事には、「レトロでカオスの寮・・・」とありましたが、今は、「ちょっとゴミ屋敷の寮・・・」という感じの場所も・・・。
「え~ここに、ホントに学生さんたち住んでるの?」と、ミモロはあまりの汚さに、床に立てず、バッグの中から覗くだけ。

あまりに汚く、掲載するのに差支えがあると思われるので、ほどほどの部分だけご紹介します。

「え~ここで、日本の将来を担う優秀な人材が暮らしているの?」と、不思議に思うミモロです。

う~この状態の中で暮らせたら、きっとどんな辺境のエリアに行っても、暮らせる耐久力が備わるのではと思われます。

歴史と共に、積み重ねられた不用品やゴミ・・・。使われていない部屋には、山積みに。
「共有部分は、掃除をしてくる人がくるんですよ」と、寮生は言います。確かに、廊下などは、あまりゴミは少なく、掃除している感じはします。

個室や2から4人くらいが共同で暮らす部屋などタイプはいろいろあるそう。
男女で暮らすこともできるのだそう。長い人で、10年以上いるのだとか。条件は、唯一、京大生であること。
シャワーの施設などは、新館の方のを使うのだとか。
使用されてないようなトイレ。使用禁止を示すテープがカラフルで、ちょっとアートな感じ。

部屋の中を覗くと、2段ベッドがあったり・・・でも部屋の中は、いろいろなものが散乱している感じです。

「ここでお勉強できるんだ~。さすがすごい集中力だよね~」と変なことに感心するミモロ。

廊下には、部屋に入りきれない荷物や靴が出ていたり、「なんか強烈・・・」。でも、それなりの秩序はあるよう。

歴史を物語るのが、階段。
「この付近だけキレイだね~」

ミモロ、注意して歩いて…ときどき床が抜けそうな場所もあります。
 

木造2階建ての建物が、中庭を囲む構造。
  
まったく手入れがされていない中庭は、原生林のようなワイルドさ。

「キャ~すごい~こわいよ~」とミモロが震えたのは、建物の枠に密着しているセミの抜け殻。
何十個とあり、あまりの多さに恐怖すら覚えます。
「これ、今年のものだけじゃなくて、長年あるんじゃないの~」と、そばで見学していた人。

「なんか怖いよう~ここ…」と、あまりの汚さに、震えるミモロ。今時、こんな場所が・・・と思えるワンダーランドです。

学生寮の家賃は、1年間で3万円だそう。雨風がしのげる空間としてはいいのかも…。

「ここは、とても自由だから、気に入ってるんです」という寮生も。
自治運営の寮で、その管理も学生の手にゆだねられています。

寮の良さは、いろいろな人と知り合いになれ、卒業しても、その絆があるのだそう。

「でも、ここで暮らしたら、美的感覚なくなっちゃわないかなぁ~」と心配するミモロ。
寮生の中には、自分の部屋を美しく改装しているという噂もあるとか。

「冷暖房はないの?」「エアコンをつけてる部屋もありますよ」と。

「奥に、アヒルがいるとこあった~」という見学者の声。「え?どこ?」とミモロは、その人に案内してもらって、荷物が並ぶ廊下をぶつからないように気を付けながら歩いて、建物の西側へと進みました。

「あ、アヒル~」
いいえ、アヒルだけはありません。烏骨鶏や鶏などがまさに放し飼いの状態。
「こんなところにサンクチュアリがあったんだ~」
「あ、ヒナもいるよ~」学生が飼っているのでしょう。みんなノビノビと暮らしています。

「これ、若冲のモデルみたい…」
 
立派な羽の鶏は、まさに若冲の絵画を思い出させます。

「ここって、人間も、動物も、一緒に暮らしてるんだ~。もう帰る~」とミモロ。

あまりにここは、ミモロには強烈すぎたよう。
「日本の未来を担う頭脳が、こんな汚いところで暮らしてるなんて、ショック・・・」と。

きっと、もっとキレイな時もあるんじゃないの…。
お部屋の中には、キレイなところもあるんじゃないの…。

「う~ん」とあまりのショックに言葉も少ないミモロです。

ここがいい…って思う人もいるんだから、気にしないの…。「うん…」

現在、大学側は、耐震性の不安から「吉田寮」に住む学生の新館への転居をうながしているのだそう。そのため、新たな入寮者の募集の停止を提案。しかし、それが寮の福利厚生の縮小につながるとして自治会はそれを拒否。また、老朽化に関して補修を大学側がせず、廃寮に追い込もうとしていると抗議しているのだそう。
2016年も新規入寮者の募集は行われました。

「なんかすごいところだね~」と、ただただ思うミモロです。


京都大学には、ほかに、とてもキレイな寮もあることを、お忘れなく…。



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