ミモロが、最近、「行きた~い!」と言い出したのが、滋賀県の信楽にある「山田牧場」です。
陶器の町で知られる信楽の山里にある、明治時代から酪農に携わる山田一族が営む牧場です。
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ここは、観光牧場ではなく、本物の牛乳を生産すると共に、酪農教育ファームとして一般に公開されています。
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「わ~牛さん、いっぱい~」暑い夏、牛もなんとなくのんびり。「ここの牛さんたち、自由に好きなところで寛いでる~」とミモロは、以前行った酪農家で、牛がみんな同じ方向を向いて並んでいたことを思いだしました。
ここでは、搾乳の時間になると、順番に牛が搾乳の場所に移動するのだそう。
搾乳体験というプログラムもあって、毎日11時に、申し込むと体験できます。
「あ、ここ牛さんの幼稚園?」別の場所には、仔牛たちが集められ、思い思いに時間を過ごしています。
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「仔牛って、なんか鹿に似てる~」つぶらな瞳がかわいい仔牛です。
「こんにちは~ようこそ、ミモロちゃん」と、笑顔で出迎えてくださったのは、牧場長の山田さん。
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さて、「山田牧場」の歴史は、日本の酪農の歴史に重なります。
明治になり、文明開化は、日本の食生活にも大きな変化をもたらしました。食の西洋化が始まり、明治後期、横浜や北海道など乳牛が飼育され、人々も牛乳を飲むようになりました。
その時代、「山田牧場」の創始者である石川県出身の山田豊次郎さんは、牧童として、全国をまわり酪農技術を学び、乳牛の飼育技術で一目置かれる存在に。
そして昭和初期に、京都の百万遍で「山田牧場」を創業します。
「え~京大がある百万遍に牧場があったの?」と、その辺りは、よく自転車で通る場所。
そこで、京大農学部の牛の世話もしていたそう。そんなご縁で、京大の教授の助言で、乳酸菌飲料や飲用牛乳の商品開発を行い、京都の市内で宅配販売もしていたのだそうです。
戦後、百万遍エリアは、急激に宅地化が進み、そこから、修学院エリアへと移転することに。
しかし、そこも宅地化が進み、昭和48年に、滋賀県の信楽に移転し、今日に至ります。
「え~修学院から、何も信楽まで移転しなくても、もっと近くになかったのかな~」と、思うミモロです。
でも、乳牛には、良質の水が必要。「良質の牛乳のためには、良質の水を飲まないといけないんだ~」と。信楽は、水にも恵まれた場所なのです。
現在、「山田牧場」では、オリジナルブランド牛乳が生産されています。それは、低温殺菌による、ノンホモ牛乳で、牛から絞ったそのままの状態を味わえる牛乳なのです。
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「美味しいね~。なんか味が濃い気がする~」と、牛乳好きのネコらしく、なかなか味にうるさいミモロです。
ちなみに、ノンホモ牛乳とは、乳脂肪中の脂肪球を細かく砕き、安定した状態にするホモライズ(均質化)をしていないノンホモライズ牛乳の略です。
ところで、乳牛は、仔牛を産んだお母さん牛。つまり、仔牛を産まないと、おっぱいは出ないわけで、本当は、仔牛に与える乳を人間は分けてもらってることになります。
仔牛は、成長し、2歳になる前に、人工授精で妊娠します。仔牛が生まれるとしばらく乳を与え、仔牛に抵抗力をつけさせ、その後は、仔牛は、別の場所で、育てられます。仔牛たちには、健やかな成長を促す飼料が与えられるのだそう。
「え~ママと別れて暮らすんだ~。ママのおっぱい、ずっと飲めないんだ~」と、ちょっと複雑な思いを抱くミモロです。
母牛は、しばらくすると乳の出が悪くなってきます。そこで、また人工授精で妊娠へ。
つまり、子供が産める期間は、何度も妊娠を繰り返すことになります。
「乳牛さんって、大変なんだね~。仔牛にあげるおっぱいをミモロたち、もらってるんだ~。牛さんに感謝しなくちゃ~」と、いっそう味わいながら牛乳を飲むミモロです。
ここ「山田牧場」では、牛舎の中で、牛たちは自由に動き回れる飼育法をとっています。でも、この方法は、実は、それほど多くの酪農家が行っている方法ではありません。手間もかかるし、また生産性も高くないということからかも…。
良質の牛乳は、ストレスの少ない乳牛から…。そんな思いが、ここの牛乳にはあるのです。
「ホント、牛さんたちのんびり寛いでる~」牛舎のあちこちにいる乳牛たち。
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「つまりここって、ママ会みたいなところなんだ~。仲良しのママ友でおしゃべりしてるみたい~」
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山田牧場長の手は、ものすごく大きくて、厚みがたっぷり。
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「ずっと乳搾りしてきましたからね~」と山田さん。「大きいけど、柔らかい~」と、触らせてもらったミモロ。
「お相撲さんより大きいんですよ~」と笑います。
「この大きな手で牛さんを大切に育ててるんだ~」と思うミモロでした。
「ミモロちゃん、チーズ工房見学に行きましょ!」とお友達。
「うん、行く~」と、牛舎から駆け出しました。
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