「趣あるお庭だね~」とミモロが眺めるのは、臨済宗大本山「妙心寺」の塔頭「壽聖院」の狩野永徳作と伝われるお庭です。
冬のある日、ミモロは、「京の冬の旅」で初公開される「妙心寺」の塔頭「壽聖院」を訪れました。
「京の冬の旅で初公開だって~見逃せないね~」と…。
「壽聖院」は、慶長4年(1599)に石田三成が、石田家の菩提寺として伯蒲禅師を迎え創建。当時は、今の4倍以上の敷地を有し、石田家の京都屋敷でもあったそう。
関ヶ原の戦いで敗北した西軍…石田正継は、佐和山城で、領民を逃がした後、自刃します。敗軍の将となった石田家の創建した寺も縮小され、現在の大きさに…。
佐和山城から「壽聖院」に逃れた三成の長男重家は、開祖である伯蒲禅師により、家康へ助命を嘆願され、以降、三世住職として、石田家の菩提を弔い、その生涯を閉じます。享年は、なんと100歳を超えていたとか。
創建当時は、書院だった本堂…令和2年に約400年ぶりの大改修を経て、蘇ったばかり。
その座敷には、正継、三成の姿が描かれた軸や三成の自筆の書状などが展示されています。
*お寺の許可を頂き、撮影させてもらいました。あしからず…
庭の中央部には、秀吉の馬印である瓢箪を模した池がある狩野永徳作と伝わるお庭。
「この景色、桃山時代から変わってないんだって~三成も見たんだね~きっと…」。そう思うと、いっそう心に迫るものがあります。
さて、本堂の令和の改修に合わせ、襖絵も新しくなりました。
この襖絵は、文化財を作り出す若い人材を育てる「襖絵プロジェクト」により、絵師である村林由貴さんが、なんと10年の歳月をかけて手掛けたものだそう。お寺に暮らしながら、その制作に没頭なさったと。
「稲穂に雀図」をはじめ、画面から躍り出そうな躍動感みなぎる「風浪双鯉図」など、見るものを惹きつける襖絵です。
「これから、何百年もここに残ってゆくんだね~」とミモロ。人の一生をはるかに超える歳月を過ごす文化財…「ミモロの一生なんか、あっという間のことなんだよね~」と、襖絵に対しながら思うミモロです。
絵師の村林由貴さんの絵をモチーフにした御朱印は、このお寺ならでは…
「あれ?この御朱印帳、襖絵そのものだ~」と驚くミモロ。御朱印帳の扉を合わせると、まさに襖絵そのものになります。
「すごくいいアイディア…」とミモロ。「そうでしょ!襖絵の迫力が伝わってきます」と第16代の若きご住職。
禅の心や文化を若い人たちにも伝えてゆきたいと、さまざまな体験イベントなども積極的になさっています。
最後に、ミモロは、敷地内にある「石田三成一族の供養塔」に向かいます。
「どんな思いで、その時代を生きたんだろう?」と思うミモロ。
いかなる人でも、幸せを願って行動するもの…それが結果的に望まぬ不運なことになろうとも…。
「悲運な〇〇って、あくまで結果論だよね~どんな人もその時は、それが一番ふさわしい行動だって思ってするんだもんね~」とミモロ。
どんな最後を迎えようと、みんな一所懸命に生きたんです。必ず訪れる「死」。だから誰の墓所や供養塔でも「よく頑張りました!すごいです!」と言いながら祈るミモロです。ネコなのになかなか深い…と、感心した矢先…
「わ~京の冬の旅の参拝で集めたスタンプ3個になった~どこでお菓子とお茶頂こうかな?」と嬉しそう。ミモロの当面の幸せは、「京の冬の旅」のスタンプ集めにあるようです…
「壽聖院」の公開は、3月19日まで、10時から16時の受付ですが、木曜日は、13時まで
*「壽聖院」の詳しい情報はホームページで
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