ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

「智積院」で毎月行われる「阿字観会」。リニューアルされた宿坊「智積院会館」でのお茶タイム

2023-02-21 | 寺社仏閣

2月12日の日曜日、ミモロは、京都七条にある真言宗智山派総本山「智積院」で瞑想体験の「阿字観会」に参加しました。


「京都国立博物館」のそばに位置する「智積院」は、弘法大師に平安時代に開宗された真言宗。その後、一時衰退し、戦国時代に中興の祖 興教大師が、和歌山に根来寺を創建、多くの門徒を持つお寺に。天正13年(1585)、豊臣秀吉に全山を焼き払われ、当時の学頭であった玄侑僧正らは、難を逃れ、身を潜めます。元和元年(1615)に、豊臣家を滅ぼした徳川家康は、昔、秀吉の愛児鶴松の菩提を弔うために建立した「祥雲禅寺」を、根来寺ゆかりの僧、智積院能化に寄進、ここを真言宗智山派総本山と定めます。

全国に3000の末寺を擁し、「成田山新勝寺」「川崎大師平間寺」「高尾山薬王院」を大本山とし、信徒は約30万人におよぶと言われます。

「根来寺を焼き討ちした秀吉が、大切にしたお寺が総本山になるって、歴史の皮肉だね~。でも、豪華好みの秀吉が作ったお寺だから、障壁画やお庭なんか見事なの…桃山時代の華やかさが感じられるお寺だよ」とミモロの説明でした。

境内には、梅も多く、白梅がほころび春の訪れを告げています。


ミモロが参加する「阿字観会」の会場は、境内の中心部にある「金堂」の地下スペースです。
ご本尊、大日如来をお祀りする「金堂」では、毎日、ここで修行する若き僧侶たちの読経の声が響きます。


さて「阿字観」とは、弘法大師空海が、修行のひとつにされた真言宗の瞑想です。本尊を映す梵語の「阿」と描かれた紙の前に座り、印を結んで、目を半分閉じて、呼吸に集中。光が体をすっぽり包むようなイメージを抱きつつ、静かな時を過ごすのです。

京都では、坐禅、止観、阿字観など、心を鎮める時間が過ごせるのが魅力。しかも、それぞれの宗派の総本山や大本山という、言い換えれば本店で体験できるのです。ミモロも「南禅寺」「天龍寺」「建仁寺」「聖護院門跡」などでも、静寂の中、自分を見つめる時間を過ごしてきました。「観光だけじゃなく、本店で過ごす時間も、京都ならではなんじゃないの!」と、東京や海外から来るお友達をよく誘うミモロです。

事前に申し込みをしていたミモロは、受付へ。ご志納として500円を納めます。
会場である金堂の広い地下スペースは、絨毯敷で快適。お座布団と「阿」の梵字が置かれた場所に座ります。
僧侶の説明を伺い、お清めの「塗香」をして、「阿字観」の作法を教えて頂きます。
参加者には、初めて…という方も多く、気軽に参加できるのも魅力。

まずは、ウォーミングアップとして「清浄体操」というストレッチをして、背中、肩、腕などの緊張をほぐします。
そして、静かに座り、体全体の邪気を外に出すように、「あ~」とお腹から低い声を出し、さらに深い呼吸を繰り返します。

「阿字観」の間、ずっと穏やかなBGMと僧侶の声がミモロの耳に届いていました。

30分ほどして、「阿字観」は終了。「なんかすっきりしたいたい~」というミモロです。

この「阿字観会」は、毎月開催され、その日を楽しみに大阪や滋賀などから通う方も…。
事前申し込みは、「智積院」のホームページからできます。

「阿字観したら、喉渇いちゃった~」というミモロ。「お茶しようよ」ということで向かったのは、一昨年リニューアルされた宿坊の「智積院会館」です。
 
「すごいキレイになってる!」としばらく来ていなかったミモロはビックリ。

エントランスは、まるでホテルのよう。違うのは、フロントのスタッフがお坊さんだったことでした。

「なかなかロビーも快適だね~」


ここは、誰でも利用可能で、ベッドタイプのお部屋や大浴場など揃う快適なひとときが過ごせる宿泊施設です。
宿泊特典として、朝のおつとめに参加できたり、庭園など無料拝観も…「朝食の精進料理も美味しそうだね~」とミモロ。

ここは、宿坊としての宿泊施設と共に、だれでも利用できる食事処やお土産店があります。
 
「ランチや夕ご飯も食べられるんだ~」京都の味が楽しめるお膳なども…。

「あの~京の冬の旅のスタンプラリーでお願いします」とミモロは、またスタンプが3つ押された台紙をお店の方に渡しました。
「はい、ちょっとお待ちくださいね~今、ご用意しますから…」とお店の方。
やがてミモロの前には、お抹茶と焼き菓子が運ばれました。


「頂戴します~」と挨拶してお菓子を一口…「う!美味しい!なんか洋菓子みたいな味…」と目を丸くします。
焼きまんじゅうかと思って口にしたところ、なんとそれは洋菓子のようなクリームのお味。
「そのお菓子、洋菓子の「バイカル」さんとの提携の品なんですよ。売店でもお求めいただけますから、後でどうぞ~」と。

食事処の隣りにあるお土産物ショップには、京都らしい品がいろいろ。


その中に、「智積院特製」の品があり、ここだけでしか購入できない限定品。先ほど食べたお菓子「月水鏡」や

お寺の寺紋の桔梗の花がついたサブレーなどもあります。


修学旅行などでここに宿泊する人には、洋菓子の味の方が親しみやすく、人気なのです。
「バイカル」の店舗でも似たような品はあるものの、寺紋入りは、ここだけでしか買えません。
「今度、お土産にしようかな?」というミモロ。
「お寺の大切な紋を食べちゃって、バチ当たらないよね?」とちょっと心配そうですが、お寺のパワーを体内に入れると考えれば、ありがたさもいっそうなのでは?!

4月には、宝物館も完成。「また、来なくちゃね~」と、春を楽しみにするミモロでした。

「お庭も拝見していこうよ~」と「阿字観会」の参加者に配られた庭園拝観券を持って、境内を進みます。

*「智積院」の詳しい情報はホームページで

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