ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

京都、大原にある天台宗の「魚山 大原寺 実光院」へ。秋から春に咲く「不断桜」の可憐な姿

2016-12-02 | 寺社仏閣

京都の洛北、大原に来ているミモロ。「魚山大原寺 勝林院」の本堂のまわりの落ち葉を掃き集める美化活動に参加した後、みんなとお別れして、すぐそばにある「実光院」を訪ねることに。
  
ここは、「勝林院」の僧坊のひとつ。かつては、「勝林院」の西には、多くの僧坊があったのです。
応永年間(1394~1428)に復興され、もとは、後鳥羽天皇、順徳天皇の大原陵のある場所にあったそうですが、大原陵の整備にともない、大正時代に現在の場所に移転したのだとか。明治時代になって、普賢院と理覚院に住む人がなくなり、それを統合する形で、旧普賢院の敷地に移転したのです。

敷地内は、大正期に建てられた客殿を中心に、南と西に庭が開けています。

ミモロは、先ほど一緒に美化活動に参加したお友達と一緒に、拝観することに。

まずは、受付で700円を納めます。「お抹茶とお菓子が付いてるんだって~」と、ちょうど喉が渇いていたミモロは、ひと休みできると客殿に進みます。

「わ~素敵なお庭がある~」
このお庭は、江戸時代後期の作庭。そばを流れる川から水を引いた心字池を中心にした池泉回遊式のお庭は、旧普賢院のお庭です。

「大原も時代と共に、その形が変わってるんだ~」と思うミモロです。
まずは、お庭を眺めながら、お茶とお菓子をいただきます。
「お先に~」
緋毛氈の上で、くつろぐミモロたち。

ふと上を見ると、欄間には、「三十六歌仙」の絵が…。江戸中期に狩野派の絵師が描いたもの。


「あ、木琴・・・違う・・・石でできてる」
天台宗の法要儀式に行われる仏教声楽の「魚山声明」に使われる楽器です。「1つ音階がずれています、どれかわかりますか?」と書かれた表示が添えられています。さっそくミモロは、音階に耳を澄ませます。「あ、わかったこの音・・・」周囲に響く軽やかな音・・・。

「これも楽器だ~」
小さな鐘が下がった楽器も声明で使われるもの。

「声明って、なんか心が洗われる感じするよね~」と。大原は、まさに声明を研鑽する僧侶が集まり、僧坊を構えた場所なのです。
「きっとその時代は、この辺りには、いつも声明が聞こえていたかもね~」と想像します。
山深い大原の里。町中では感じられない、澄んだ気にあふれているようです。

お茶をいただいたミモロたちは、お庭を歩くことに。
客殿の南側には、大原のひなびた景色が広がります。「わ~こんな景色が眺められるんだ~」
 「柿がなってる…なんか絵になる景色だね~」

庭をトコトコ歩くミモロ。
「あ、アケビ~」 
棚に実るのはアケビ・・・「パッションフルーツみたい…」

他にも、めずらしいお花がさりげなく咲いています。花に詳しいお友達がお花の名前を教えてくれましたが、しばらくすると「忘れちゃった~」とミモロ。どうも花より団子のよう。お友達によると、とても珍しいお花なのだそう。
 

さて、珍しいといえば、お庭には、なんと今も桜の花が咲いています。「え~こんな時期に咲くの~」と不思議そう。
 
この桜は、「不断桜」(ふだんさくら)という初秋から春にかけて花を咲かせる、珍しい桜です。
「絶え間なく桜から不断さくらっていうんだ~」と、花が少ない時期に可憐に咲く花を見つめます。
冬は、この桜の花に雪が積もることも…。「頑張ってる桜なんだね~」春、ほかの桜が咲き始めると、葉を茂らせはじめるのだそう。「みんなが寂しくないように、冬に咲く桜を神様が作ってくれたのかな~」と思うミモロです。

苔が美しい石段・・・「大原って、『三千院』が有名だけど、こういう静かなお寺もいいね~」


敷地内の一角には、茶室が。「理覚庵」という昭和50年に建てられたもので、建材のほとんどが、実光院の山林から切り出されたもの。
  

躙り口のそばには、鉈(なた)がつけられています。「なんでここに~」と不思議がるミモロ。

この鉈は、法然上人が、「勝林院」本堂で、行った大原問答に負けた場合、相手を討とうと、法然に帰依した蒲生直実が用意したもの。しかし法然に諭され、その鉈を近くの川に捨てたと伝えられています。その話にちなんだ茶室の趣向なのでした。

「なんかこの時期、お花見ができて感激・・・」

ぜひ、大原を訪れたら「三千院」だけでなく、ちょっと足を延ばして、ほかの僧坊へ。

*「実光院」の詳しい情報はホームページで
人気ブログランキングへ
ブログを見たら、金魚をクリックしてね ミモロより

ミモロの通販ショップ「ミモロショップ」はこちら
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする