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ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」などを務めたライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。

仏具や数珠のお店が連なる西本願寺の門前町。明治・大正のレトロな建物が多い七条通エリア

2014-02-21 | アート


西本願寺から堀川通を、渡ると、門がある門前町が始まります。
 
町家が連なる古い京都の佇まいを留める通りです。「通りなのに門がついてる…」実は、この辺り、もともと本願寺の境内だったところだそう。「なんか同じようなお店がいっぱいあるー」と、道の両脇をキョロキョロ見回すミモロです。
この通りは、西本願寺と東本願寺の間にある道。そのため、仏壇、仏具、数珠などを扱うお店が集中しています。
 浄土真宗の仏具や数珠を多く扱っているのが特徴。全国から、多くの門徒さんが参拝に訪れた後、この通りで、必要なものを揃えるそう。

さて、通りの中ほどに、一際目立つレンガ造りの建物があります。「なんだろう?」 
ドーム状の屋根をもつ、洋風?中東風?和風?いろいろなデザインが混ざり合ったような建物です。これは、京都市指定文化財になっている「本願寺伝道院」。明治28年に設立された真言信徒生命保険株式会社の社屋で、明治45年に建築家・伊東忠太により設計され、竹中工務店が施工しました。

建築家・伊東忠太は、東京帝国大学の教授で、数多くの斬新な建造物を残しています。京都では、東山の祇園閣、平安神宮の設計にも携わったそう。また東京では、築地本願寺や大倉集古館なども設計しています。

「なんか不思議な感じがする建物…」現在は、本館のみが残っています。「浄土真宗と、イメージが結びつかない…」と、首を傾げるミモロでした。
不思議なものは、建物の周りにも…「これ、なんだろ?鬼かな?それとも龍?」奇怪なオブジェが、建物を守るように並んでいます。

さて、京都駅方向に門前町の通りを歩いて行くと、突き当りに。そこは東本願寺の壁。なぜか、迂回しないと、東本願寺には、行けません。「ここに門があれば近いのに…」きっと、長い歴史の中、なんらかの理由があるのでしょう。

そこから、七条通りに出ると、白い石造りの建物が。七条通には、レトロな洋館建築が今もいろいろ残っています。
これは、昭和2年に造られた旧鴻池銀行の社屋。現在は、結婚式などを行うイベントビルに。

その向かい側にも、「富士ラビット」と書かれた洋館が。
これは、大正12年の建物で、かつてT型フォードの輸入代理店やタクシー業をしていた会社の社屋だったもの。車に関係した会社のビルらしくタイヤなどの装飾も見られます。現在は、飲食店などが入ったビルに。

以前、ミモロが訪れた「龍谷大学」の本館も明治期の建物です。

門は、明治12年に造られたもので、鉄扉は、当時のものを最近修復しました。
龍谷大学は、江戸時代に西本願寺境内に作られた教育施設に由来し、明治12年に本願寺大教校などが建設され、校内には、今も、当時の建物が、そのままの姿で多く残っています。

ミモロは、京都の古い洋館が大好き。
「お寺や神社もいいけど、洋館って、日本人が西洋の文化や技術を吸収し、学ぼうとする意欲の表れだと思うの。それに今のように建築基準法なんかが厳しくないから、建築家が自由な発想で、いろいろデザインできたでしょ。だからデザインがスゴク面白い…」と。

京都には、レトロな建物が、数多く残っています。明治から昭和にかけて、急激に変貌を遂げた京都の町。その時代を訪ねる旅もおすすめです。


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鉄道マニア憧れの老舗鉄道模型店「マツモト模型」。正確なスケールと部品が示す本物へこだわり

2014-01-27 | アート

京の冬の旅で、「寺町 阿弥陀寺」を訪れ、「大黒屋鎌餅本舗」で名物の鎌餅を食べたミモロは、バスに乗るため、寺町を今出川通へと向かいます。「あ、ここなんだろ?」と突然、ミモロの足が止まり、店の中を熱心にのぞいています。
 
  
店の外のショーケースには、鉄道の行き先を告げるプレートが。

ここは、創業60年を越える鉄道模型店「マツモト模型」です。鉄道模型マニアなら、だれでも知っている老舗。
乗り物好きのミモロ…京都の梅小路に蒸気機関車を見に行ったり、また山口では、SLの「やまぐち号」にも乗車しています。だから、興味津々。思いきって店の中へ進みます。

「あのーちょっと見せてください~」鉄道マニア、特に模型マニアご用達のお店だけあって、どう見ても鉄道ファンに見えないミモロにお店の方やそこにいらしたお客様も、関心はなさそうに…。

それでもミモロは、お店の中を歩き回り、次々に置かれた品々を見て行きます。
 
「なんか今まで見たことある模型よりも、精密…本物みたいーすご~い」

  
小さい模型は、近くで見ても、迫力満点。線路を走る音が、想像できそう。

ここで、主に扱うのは16番ゲージの鉄道模型。これは、鉄道模型の縮尺と軌間を示す規格名称で、左右のレールの間隔が、16.5ミリのものを指します。

また、創業者である松本正二さんが戦前から戦後にかけて製作した35ミリゲージの蒸気機関車などの模型も店内に展示されています。
さらに木と紙でつくられたペーパー模型は、紙とは思えない質感。今も、オリジナルのペーパー模型として、訪れる人たちを魅了してやみません。

ところで、鉄道模型というのは、まさに大人のディープな趣味の世界。この店には、蒸気機関車をはじめ、今も現役で走るさまざまな電車の模型部品が揃っているのです。「これなんだろ?」
ケースの中には、小さな車輪。ここには、さまざまな種類の鉄道模型のためのあらゆる部品が用意されています。

鉄道模型マニアは、鉄道ファンの中でも、まさに自分の好きな車両に惚れ込んで、自分で組み立てたいと思うほどの熱意をもっています。プラモデルとは、全く違い、組み立てキットになっているものでも、組み立て方の懇切丁寧な説明はないそう。模型マニアは、まさにその車両の構造を熟知する、豊富な知識が必要です。

ひとつの車両を組み立てるまでにかかる時間も相当なもの。でも、ひとつひとつ部品を組み立てる楽しさは、模型マニアには、たまらない時間。

「あれー新幹線ないんですか?」とミモロ。「新幹線は、模型マニアには、あんまり人気がないんです」と。模型マニアにとって、新幹線は、あまりに機能性を重視したデザインで面白みにかけるそう。「確かに、外側の部品少ないかも…」。模型マニアが心惹かれるのは、どこか温かみや表情のあるもの。
 
「うん、わかる気がする~」とミモロ。

大人のディープな趣味の鉄道模型というのには、知識の豊富さだけでなく、模型自体の価格の高さから。
小さな部品ひとつでも、正確さが求められ、当然、高価に。それがいくつも必要ですから、比較的初心者むけのキットでも、10万円は下りません。すでに組み立てられた完成品に至っては、40万円以上するそう。
だから、子供の頃からの憧れを、大人になってお金に余裕ができてから、実現する人も多いそうです。

全国の鉄道模型マニアから、問い合わせがあり、必要な部品などが、送られます。
 

店内には、模型の部品だけでなく、懐かし鉄道の写真や、常連さんから寄贈された貴重な品々なども展示。
 
 
「ここにいると、時間がたつのを忘れちゃいそう…」とミモロ。ここを訪れる鉄道マニアは、共通の話題や情報交換などで盛り上がり、何時間も過ごす人も多い、まさに鉄道マニアの社交場に。

ミモロも、調子にのって、「あのねー前に『やまぐち号』に乗ったの…」「電車の線路って、どういう風に作られているの?」「アプト式の電車って楽しいよねぇー」と、お店の方や、そこにいらした常連の鉄道模型マニアの方と、いつしか話が弾みます。

「これなんだか、わかりますか?」と、常連さんにお店の外へ。 赤いボックスのようなものが。「これは、単線の鉄道が、それ違う時に使うものです」。それ違う鉄道の乗務員が、それぞれに位置を知らせ合い、スムーズに、無事に走行できるようにする、一種の運行安全装置です。「へぇー知らなかったー」とミモロ。

「鉄道マニアじゃないのに、こんなに一緒に話ができるなんて、初めてです」と、常連さんに褒められ、うれしそう。「ミモロ、マニアじゃないけど、乗り物みんな大好きなのー。ここに来ると、鉄道のこといろいろ教えてもらえるから…また、来ちゃおう…楽しかったー。ありがとうございました」と、すっかりお店の方や常連さんとも親しくなった、ちょっと鉄子ちゃんのミモロです。

お店にある行き先を告げる金属製のプレート。今は、多くが、電気式のロールや電光表示になっています。「こういう鉄道グッズも、新しい車両にはないねー」。機能、効率を求める現代の鉄道、「ちょっと味気ないねー。でも、いくら風情があると言っても、京都と東京の間を、在来線でいったら、1日かかるし、背中バリバリで疲れちゃうし、やっぱり新幹線がいいなぁー」と。

でも、一方で、豪華車両も一般の旅行者に人気。鉄道の旅を楽しむゆとり世代も急増。鉄度模型マニアも、増えるかもしれません。

*「マツモト模型」のホームページもぜひご覧ください.出町柳駅から徒歩10分。今出川寺町上ル。



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アーティスト衣笠泰介さんのファブリック ペインティング展、『ギャラリーミラクル』で12月25日まで

2013-12-23 | アート

中京区の小川通三条上ルにある「ギャラリーミラクル」。
 
そこは、さまざまな企画展と共に、アーティスト衣笠泰介さんの作品を常設展示するギャラリーです。
12月25日まで、布バッグやクッションなどに作品を描いた「タイスケファブリック ペインティング展」が行われていると聞いた、「京のおもてなしリーダー」となったミモロは、バッジを胸に、さっそくリポートに出掛けることに。
「わーなんてカラフルなんだろ…」
ギャラリーの中は、オレンジや黄色、青、ピンクなど、見ているだけで楽しくなってしまうカラフルな世界が広がっています。
「あ、ミモロちゃんいらっしゃーい」ギャラリーのオーナーでもある、衣笠泰介さんのお母様とお姉さまが、ミモロを迎えてくれました。「泰介の作品楽しんで行ってねー」「はい、ミモロも大好きな色彩でーす。だからスゴク興味あるー」と。

今回の展示は、布の上に直接、描いたという作品。言うなれば1点もの。衣笠泰介さんが夢中になって描いた作品です。
 
動物が大好きな泰介さん。「どの子もカワイイー」と、ミモロは楽しそうに作品を見て行きます。
「わートートバックやTシャツもステキ~」
   

衣笠泰介さんは、2歳ごろから絵を描くのが大好きだったそう。自閉症の彼にとって、絵は、言葉にするより、自分の気持ちを伝えやすいものなのです。小学校の時から、毎日描いた「絵日記」。そこには、彼の心に残ったものが、のびのびと描かれてゆきました。その絵日記は、高校生になっても続いていたそう。
  


絵が得意な泰介さんが、本格的に油絵を習い出したの中学1年のころ。絵具の美しい色彩は、彼の世界を大きく広げることに。中学3年の時に、初の個展を開催。独特のカラフルな色使いと大らかな表現は、多くの人を魅了します。
2009年には、全日本アートサロン絵画大賞展に入選をはじめ、以後、さまざまな作品展で入選し、その作品は、国内だけでなく、ハンガリー ブタペストでの交流展や現代美術展などにも出品し、海外のファンも増やしているのです。

また、京都御苑内にある「白雲神社」には、作品が奉納されているという新聞記事。「みんなに愛されているんだねー。すごいねー」と感心しきり。

「これ、ステキー」と、記事を読み終わったミモロは、じっと何かを見つめます。
ギャラリーには、泰介さんの油絵の作品も多数。
訪れたニューヨークやブタペストの町並を描いた作品
 
「ニューヨークは、夜のイメージだったみたい…。そしてブタペストでは、温泉が気に入って、その建物を描いたの」と、衣笠さん。「なんか楽しくて、ワクワクした気持ちが伝わって来るねー。こういう絵が家にあると、みんな楽しい気分になるかも…」と。

ギャラリーのテーブルに並んだ、作品がプリントされたカレンダーやマグカップ、カードやバッジ。どれも素敵な品々です。
 
 

「このソファ座り心地がいいよー。こんなのがあると、家の中が明るくなるねー」
伏見に本店のある「大東寝具」とのコラボ作品です。

「これもいいなぁー。あ、あれもいいなぁー」 
時間が経つのも忘れて、ギャラリーの中を見て廻るミモロでした。

*「ギャラリーミラクル」京都市中京区小川通三条上ル 075-252-2389 地下鉄烏丸御池駅から徒歩7分
「タイスケファブリックペインティング展」は、12月25日まで。12:00~19:00 
 
 

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信長が襲撃された本能寺の跡地にある「信長茶寮」。コミック「いくさの子」ファンの心躍るスペース

2013-11-24 | アート

今年の祇園祭で、ミモロは、丁髷姿のお侍に会いました。
「あのーどちら様?」と、恐る恐る伺うと…。実は、信長さん。「えーあの織田信長?」そう、このお侍は、今年6月にオープンした「信長茶寮(しんちょうさりょう)」のマネージャー、渋谷善博さん。
「今度、一度来てくださいー」と言われたミモロ。「行ってみたいよー」というので、お邪魔することに。
 西洞院通と蛸薬師通の交差点そばにある「信長茶寮」。この店のある場所は、まさに天正10年(1582)、織田信長が天下統一を目前に、家臣の明智光秀により襲撃された「本能寺の変」の舞台。「ここで、信長公は、自害したの?」とミモロ。そう、本能寺は炎に包まれ、遺体は発見されぬまま…。「えーでも、本能寺って、御池通のところにあるんじゃないの?みんなあっちにお詣りに行くよー」と。現在の本能寺は、天正20年に秀吉の命で、移転したもの。だから、その場所は、「本能寺の変」とは関係ないんです。かつての本能寺があったエリアには、今、石碑がその場所を示します。

さて、今年6月2日の信長公の命日にオープンした「信長茶寮」は、月刊コミックゼノンで連載中の「いくさの子~織田三郎信長伝~」の漫画家・原哲夫さんと原作者の北原星望さんらがプロデュースした信長の世界に浸れるスペースです。この店のオーナーは、京都の老舗呉服屋小田章で、かつて社員寮があった敷地に、地上4階、地下1階の展示室やギャラリー、お食事処、ショップ、バーなど、すべて信長をコンセプトにしたエンターテインメントビルを作りました。

入ると、まずは入口で拝観料500円を払います。「あ、こんにちはーミモロちゃん…」と、声をかけた方が…「え?どなたー?」「もしかして、信長さん?わかんなかったー」久しぶりの再会?でも丁髷がないとわからかなったミモロです。
渋谷さんに案内されて、最初に行ったのは、地下1階の慰霊碑スペースです。
大きな龍の墨絵は、画家、柏原晋平作。その前には、丸い石が…。「これ、なあに?」

「それは、信長公が安土城を留守にする時に身代わりに置いたと言われる『盆山』を見立てたもの。その下は、本能寺の変で、亡くなった人の慰霊碑です」と。『盆山』は、安土城焼失後、行方不明の謎の秘宝。実際、どんなものだったの記録はないそう。
また、慰霊碑の周りには、水がはられ、そこに入館特典で、願掛けロウソクを浮かべることができます。
ミモロの足元のガラス越しに見えるのは、本能寺の焼土。炎に焼かれ変色した土が、火の強さを物語るよう。

「では、上からご案内しますね」と、次に向かったのは、4階の特別展示室。

金箔の屏風絵や、貸切可能な「金の間・銀の間」、「本能寺の変」のDVDの放映が楽しめるスペースが広がります。
 
「コミック誌も読めるんだよー」と、信長のお話をマンガで学ぶミモロです。


3階は、ギャラリーに。
 
イケメンの信長公をはじめ、勇ましい武将を描いた「いくさの子」の複製原画展が常設展示されています。

2階は、ランチやディナーが味わえる食事処。「信長カレーや信長が好きな湯漬け御膳なんかも食べられるんだってー」。ミモロが訪れたのは、ランチが終わった時間…「残念・・・」。
一角には、茶室の設えも。「では、一服進ぜましょう」とミモロ。

「コミック誌の『いくさの子』ファンには、見逃せない場所だねー」とミモロ。建物内部の急な階段もお城の感じを出すためにだそう。

1階は、 
オリジナルのお土産品が揃うショップ。Tシャツやお守りなども並びます。

再び地下1階へ。実はここにはカフェバーがあり、「ここで名物わらび餅(抹茶セット1000円)が食べられるだって」と、すでにチェック済みのミモロは、テーブルへ。そして、ふわふわトロリとした3種類のわらび餅が、運ばれました。
 
「ここには、千利休が愛した名水と同じ水脈の湧水があって、それでお料理や飲み物作るから、美味しんだって」
喉越しなめらかなわらび餅。「はい、ごちそうさまー」とペロリ。

バーの営業は、夜20:00~26:00「遅くまでやってるんだー。こんど来よう・・・」と。

  
戦国時代を代表する武将 織田信長。その強烈なキャラクターは、今も多くの人を魅了しています。教科書で見る信長を描いた絵は、線が細く、おとなしそうな感じで、とても延暦寺を焼き討ちにしたり、豪華壮麗な安土城を造ったり、西洋文化、技術を積極的に取り入れたりと…そんな大胆な行動をするとは、思えない肖像画です。秀吉の絵は、そうかも…と思えるのですが、信長に関しては、「あれ、ホントに信長なんだろうか?」と違和感を覚えます。これって、私だけでしょうか?


「信長茶寮」で、しばし戦国時代に思いを馳せる時を過ごしたミモロ。
「では、そろそろお暇つかまつるーさらばー」と、侍口調に。わらび餅についていた織田軍を示す小さな旗を背中に。
「いざ、出陣…」そういうと、出口へと向うミモロでした。

*「信長茶寮」の詳しい情報は、ホームページから、どうぞ…

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「世界一小さな浮世絵博物館」。浮世絵・木版画の摺師 市村守さんの工房兼お店へ。

2013-11-17 | アート

京都の祇園の南に位置する「建仁寺」の南門の向かい側に、古めかしい雰囲気の建物があります。壁には、浮世絵の額がさがっています。
   
「へえーいろんな浮世絵や絵が、飾られてる・・・美術館みたい…」
 
役者絵の額や仔犬の絵も。「この仔犬、知ってる…神坂雪佳のだー」京都で有名な仔犬です。

ここは「世界で一番小さな浮世絵博物館」という浮世絵・木版画の摺師、市村守さんの工房兼お店です。
「こんにちはー」とミモロは、中へ。
町家の入口部分には、棚が置かれ、その上に木版画の絵葉書や小さなサイズの浮世絵が並べられています。
 
「いらっしゃいませー」「こちらにもありますよ」
家の中にも浮世絵がいっぱい。

市村守さんは、今は数が少なくなった浮世絵や木版画の摺師(すりし)。浮世絵は、絵師が描いた絵を、彫師が版木を作り、それを摺師が、摺りあげる分業制の仕事です。それぞれの分野のスペシャリストの技が集約して、初めて優れた浮世絵が完成するのです。
市村守さんは、今や数少なくなった摺師のおひとり。「おじいさんが、摺師で、14歳くらいから、お菓子屋のラベルなど簡単な摺りを手伝うようになりました。その後、工房にいた摺師さんたちを見習い、浮世絵など美術作品の複雑な摺りの技術を修得しました」と。
店の奥には、絵具などが並ぶ工房が…。


「あのー浮世絵って、どうやって摺るんですか?」ミモロは、興味津々。

例えば、北斎の「富岳三十六景」の場合を…
この作品を復刻するには、版木は7枚、絵具は7色使います。版木は、硬く、なめらかな材質の桜の木です。
そこに絵具を程よくのせて…。絵具の置き具合が、細かい線やグラデーションの美しさを左右します。
まずは黒で絵の輪郭から  そして、絵具をのせた版を摺り重ねて行きます。一度に摺るのは、多いもので100枚ほどだとか。
「わーずれないように摺るのって、すごい技術だよねー」と、ひたすら感心しきりのミモロ。

江戸時代の浮世絵の復刻のほかに、京都の景色を描いた絵はがきや木版画もいろいろ。
京都の名所の四季の風情を映した絵はがきは、昭和までの人気のみやげ品。江戸時代に発達した浮世絵は、今のグラビアのような役割。そこに表現された人気役者や小町は、まさにグラビアアイドル的存在。また、景色を映した作品は、旅情をさそう各地のPR写真的な役割を持っていました。

昭和期は、木版画やシルクスクリーンの作品が、インテリアとして人気を博した時代です。
京都の四季を表現した作品のなかでも、昭和11年京都市生まれの日本画家、加藤晃秀さんの作品は、大胆な構図と色使いが、ニューヨークで開催した個展で高く評価され、今も外国人観光客に好評。
  
「モダンな感じが、ステキ…」とミモロも憧れる作品。「でも、すごーく細かい表現がされてるー。これ摺るのって、すごいねー」と。点描画のような表現もほどこされている作品に、絵具を同じようにのせる技術に驚きます。

ここ数年で、カラーコピーの技術は、飛躍的に発達。1枚1万円を越える手刷りの浮世絵は、昔ほど観光客は買わなくったそう。「今、一番、関心を示すのは、外国人観光客ですね。日本の浮世絵など、手刷りの作品の価値をよく知るのは、外国人の方が多いですねー」と市村さん。手刷りの作品には、カラーコピーでは、表現できない、絵具の盛り上がりや和紙への染み具合などの温もりと風情が漂います。日本の木版の技術は、他に類を見ないほど優れた技。
「いつか、こういう技術も廃れて、摺師もいなくなる時代が来ると思います」と市村さんはポツリ。

確かに、カラーコピーの質の向上により、絵具などの質感も表現できるようになりました。
「そのうち、美術館に飾られる、歴史的美術絵画のほとんどが、劣化を防ぐために、カラーコピーになっちゃう時代がくるかも…」と、ミモロは、ちょっと心配に…。

店の外には、英語の表示も。
「朝起きてから、寝るまでお店やってるんだってー。休店日は、休みたい時だってー」

市村さんに、浮世絵などのお話を聞きながら、日本に伝わる優れた技術を改めて感じたミモロでした。

*「世界一小さな浮世絵博物館」市村さんのお店は、京都市東山区八垣通大和大路東、「建仁寺」南門前 電話075-561-7355 午前中から夜まで、不定休
 


 



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