夏樹静子の「白愁のとき」を読みました。
推理小説ファンの私は、古くは松本清張から夏樹静子、山村美沙、西村京太郎、内田康夫等の推理小説が大好きで、よく読んでいます。
図書館で夏樹静子の「白愁のとき」を借りて読みましたが、この本は推理小説ではありませんでした。
ランド・スケープ・デザイン(造園設計)事務所を経営する51歳の主人公は、ある日物忘れが気になり、友人の医者を訪ねます。
そこで、「はっきりとは言えないが、アルツハイマー病の初期段階の疑いがある」と、告げられます。
現役バリバリで実績のある主人公は、かなり悩みます。
アルツハイマー病に関する多くの本を読みましたが、悩みは解決しません。
主人公の心の葛藤が良く描かれています。
同じ病気の老人も登場します。
この老人、実は薬の飲み過ぎが原因で一時的な健忘症になり、薬を飲むことを止めることにより症状は良くなりましたが、依然としてアルツハイマー病患者のように装っています。
それは、老人の周囲の人の本心が分かり面白いため、そのようにしているという事でした。
仕事の絶頂期にありながらアルツハイマー病に侵された主人公と、仕事の第一線を退いてアルツハイマー病を装って楽しんでいる老人とが対照的に描かれています。
老人が間接的に主人公に言った言葉、「自分のために仕事をしたらどうか、他人の営利や娯楽のためではなく、自分自身の魂を安らがせるような庭を造れば、仕事の充実と、心の安らぎと、両方を満たすことができる。それができる幸せな立場にいらっしゃるのだから・・・」が心に響きます。
この老人の考え方に私も賛成です。
幸い、私も自分のために仕事ができる幸せな立場にいますので、これからも自分の好きな仕事を選んでいくことにします。
定年後の生き方として参考になる小説でした。
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推理小説ファンの私は、古くは松本清張から夏樹静子、山村美沙、西村京太郎、内田康夫等の推理小説が大好きで、よく読んでいます。
図書館で夏樹静子の「白愁のとき」を借りて読みましたが、この本は推理小説ではありませんでした。
ランド・スケープ・デザイン(造園設計)事務所を経営する51歳の主人公は、ある日物忘れが気になり、友人の医者を訪ねます。
そこで、「はっきりとは言えないが、アルツハイマー病の初期段階の疑いがある」と、告げられます。
現役バリバリで実績のある主人公は、かなり悩みます。
アルツハイマー病に関する多くの本を読みましたが、悩みは解決しません。
主人公の心の葛藤が良く描かれています。
同じ病気の老人も登場します。
この老人、実は薬の飲み過ぎが原因で一時的な健忘症になり、薬を飲むことを止めることにより症状は良くなりましたが、依然としてアルツハイマー病患者のように装っています。
それは、老人の周囲の人の本心が分かり面白いため、そのようにしているという事でした。
仕事の絶頂期にありながらアルツハイマー病に侵された主人公と、仕事の第一線を退いてアルツハイマー病を装って楽しんでいる老人とが対照的に描かれています。
老人が間接的に主人公に言った言葉、「自分のために仕事をしたらどうか、他人の営利や娯楽のためではなく、自分自身の魂を安らがせるような庭を造れば、仕事の充実と、心の安らぎと、両方を満たすことができる。それができる幸せな立場にいらっしゃるのだから・・・」が心に響きます。
この老人の考え方に私も賛成です。
幸い、私も自分のために仕事ができる幸せな立場にいますので、これからも自分の好きな仕事を選んでいくことにします。
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