熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

白愁のとき

2009-01-26 18:50:27 | Weblog
夏樹静子の「白愁のとき」を読みました。

推理小説ファンの私は、古くは松本清張から夏樹静子、山村美沙、西村京太郎、内田康夫等の推理小説が大好きで、よく読んでいます。

図書館で夏樹静子の「白愁のとき」を借りて読みましたが、この本は推理小説ではありませんでした。

ランド・スケープ・デザイン(造園設計)事務所を経営する51歳の主人公は、ある日物忘れが気になり、友人の医者を訪ねます。
そこで、「はっきりとは言えないが、アルツハイマー病の初期段階の疑いがある」と、告げられます。

現役バリバリで実績のある主人公は、かなり悩みます。
アルツハイマー病に関する多くの本を読みましたが、悩みは解決しません。
主人公の心の葛藤が良く描かれています。

同じ病気の老人も登場します。
この老人、実は薬の飲み過ぎが原因で一時的な健忘症になり、薬を飲むことを止めることにより症状は良くなりましたが、依然としてアルツハイマー病患者のように装っています。

それは、老人の周囲の人の本心が分かり面白いため、そのようにしているという事でした。

仕事の絶頂期にありながらアルツハイマー病に侵された主人公と、仕事の第一線を退いてアルツハイマー病を装って楽しんでいる老人とが対照的に描かれています。

老人が間接的に主人公に言った言葉、「自分のために仕事をしたらどうか、他人の営利や娯楽のためではなく、自分自身の魂を安らがせるような庭を造れば、仕事の充実と、心の安らぎと、両方を満たすことができる。それができる幸せな立場にいらっしゃるのだから・・・」が心に響きます。

この老人の考え方に私も賛成です。

幸い、私も自分のために仕事ができる幸せな立場にいますので、これからも自分の好きな仕事を選んでいくことにします。

定年後の生き方として参考になる小説でした。



ブログランキングに参加しています。よろしければ、以下のURLから投票して下さい。
日記@BlogRanking



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 司法試験 | トップ | 司法試験 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事