徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

ドイツ情報、ヨーロッパ旅行記、書評、その他「心にうつりゆくよしなし事」

フランス横断旅行記(1)— ロワール地方&ポワトゥー・シャラント地方

2016年06月25日 | 旅行

今からちょうど4年前車でフランス各地を回りました。最終的な目的地がボルドーでした。ドイツ・ボンから車でボルドーを目指すと、必然的にフランス中部を横断することになります。だから『フランス横断旅行記』というタイトルにしてみました。それ以外に大した意味はありません。

2012年6月24日に出発し、最初の宿泊地はロワール川沿いのブロワ(Blois)でした。

ブロワは15世紀から16世紀末までフランスの王都でした。残念ながら到着した頃かなり激しい雨に降られ、さほど街中を見て回ることはでませんでした。泊まったホテルはibis styles Blois Centre Gare Hotelという三ツ星ホテル。その名の通りブロワ中央駅の近くに建っています。現代的でシンプルすが、ビジネスホテルというほどそっけなくはない庶民向けのホテルです。ツインで一泊一人当たり45ユーロでした。値段はシーズンや曜日によって変わります。

翌日も雨がぱらついていてあまり外を歩く気にならなかったのですが、天気が良ければきっとそれなりに美しい街なのでしょう。

   

宮殿シャトーロワヤル・ド・ブロワは王様が変わるたびに増築されたようで、13-17世紀の建築様式の宝庫のような感じです。

     

     

ブロワからほど近い、ロワール川支流コソン川沿いにロワール地方最大の有名なシャンボール城(Château de Chambord)があります。シーズン中は常に観光客でごった返しているところですが、いかにもメルヘンチックな宮殿は確かに見る価値があります。もともとその場所にはブローニュの森での狩りのための居城があったそうですが、1519年にフランソワ1世が取り壊しを命じ、その後レオナルド・ダ・ヴィンチのものと思われる設計図に従って礎石が置かれたそうです。400室を擁する宮殿はルイ14世の時代、1685年に完成しました。よくそんなお金があったものだと感心する次第です。

               

シャンボール城見学後はまたブロワに戻ってディナー。

   

翌日6月26日はブロワからロワール川沿いに西へ35km、アンボワーズ(Amboise)へ。 アンボワーズはルイ11世の居城があり、またシャルル8世の生誕地でした。フランソワ1世及びカタリーナ・ディ・メディチの10人の子どもたちもここで育ちました。レオナルド・ダ・ヴィンチが晩年を過ごし、またフランソワ2世に対するユグノーの陰謀が失敗した場所でもあります。

  

あまり時間がなかったので、アンボワーズ城には入らず、近くのレオナルド・ダ・ヴィンチ博物館クロ・リュセ(Clos-Lucé)へ。通り道には崖を刳り抜いたような家が何件かありました。ぜひ中を見て見たかったのですが、博物館で時間を取られると思ったので断念。

 

ここからクロ・リュセ。フランソワ1世が1516年にレオナルド・ダ・ヴィンチをアンボワーズへ招き、このクロ・リュセ城を与えました。彼はモナリザ、洗礼者ヨハネ、アンナ・メッテルツァの3点の絵をここへ持ち込み、1519年に亡くなるまでここで過ごしました。

       

ここからレオナルド・ダ・ヴィンチのデザイン画から再構した様々な機械のモデル。

       

これらのモデルの他、ダ・ヴィンチグッズや本などが置いてあるショップは下の写真のようなかわいらしい建物の中に納まっています。レオナルド・ダ・ヴィンチのお墓も近くにあるということでしたが、お墓参りは省略。

この日の宿泊地ラ・ロシェルに向かう途中でニオール(Niort)によりました。ニオールもラ・ロシェルも既にロワール地方ではなく、ポワトゥー・シャラント地方で、ラ・ロシェルは大西洋沿岸の地です。アンボワーズから南西へ200km近く走るとニオールに辿り着きます。

ニオールには12世紀にヘンリー2世とリチャード獅子心王によって建てられたダンジョンがあります。このダンジョンは100年戦争で随分重要な役割を果たしたそうです。

 

中世にセーヴル川の港町として栄えただけあって、いまでも水路が美しい街並みです。

  

 

ラ・ロシェルのホテルに着いたのは夜遅い時間でした。「光の海岸」編へ続く

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ドイツ:世論調査(2016年6月24日)~ドイツ人にとってはEUはメリットの方が大きい

2016年06月25日 | 社会

ZDFの世論調査ポリートバロメーターが6月24日に発表されましたので、以下に結果を私見による解説を加えつつご紹介いたします。

まずは昨日世界中で話題となったイギリスのEU離脱ーBrexitについて。

BrexitとEU

イギリスのEU離脱をどう思いますか?:

いい 7%(前回比-1)
悪い 69%(+2)
どちらでもよい 22% (-1)

 

Brexitはドイツにとって大きな経済的損害?:

はい 34%
いいえ 56%
分からない 10% 

 

Brexitは今後数年でEUの崩壊に繋がる?

はい 31%
いいえ 63%
分からない 6% 

どうやらドイツ人の大半はイギリスのEU離脱の影響力を大して大きく評価しておらず、EUの存続に比較的楽観的であるようです。

 

EUの未来:今後10年で加盟国間では…?:

より強い団結 16%
独立性が強まる 32%
変化なし 54%
分からない 7% 

 

EU加盟国であることはメリット・デメリット?:

メリット 45% (2月:37%)
メリットとデメリット 38%(42%)
デメリット 14% (19%)

今回初めてEU加盟が「どちらかというとメリットをもたらす」が「メリットとデメリット」を上回りました。Brexitをめぐる議論の中で、EUのメリットを改めて自覚したという人が増えたのかも知れません。あくまでも個人の捉え方ですから、実際にドイツがどれだけEUで得をしているのかはまた別問題ですが。

下のグラフは2004年1月16日以降のEUに関する世論調査の結果を表したものです。ずっと水色の線(メリットとデメリット)が一番上だったことがよく分かります。

 

NATOとロシア

ロシアの攻撃性(?)に対抗するため、東欧のNATO加盟国の要請により、NATOの東欧駐屯軍が増強されました。

東欧の加盟国を守るためのNATOの駐屯軍増強は正しいと思いますか?:

正しい 34%
正しくない 56%

 

各政党支持者の間で「正しくない」と答えた人の割合:
CDU/CSU 48%
SPD 55%
左翼政党 79%
緑の党 60%
FDP 63%
AfD 70%

 

ロシアはポーランドやバルト3国にとって深刻な脅威ですか?

はい 45% (2015年3月:59%)
いいえ 43% (32%)
分からない 12% (9%)

去年の3月に比べると、ロシアはそれほど深刻な脅威とは捉えられていないようです。ロシアがウクライナやシリアを除くと大した軍事的動きをしていないことも影響しているのでしょう。クリミア半島併合、ウクライナ東部の分裂と続けば、次はバルト三国か?!とホラーシナリオが描かれるのはある意味当然の帰結ですが、ロシアとしても本気でNATOと一線を交える気はなく、ちょっと挑発して、外交的に有利なポジションを得ようとしただけなのでしょう。

 

ウクライナ紛争:対ロシア制裁措置はどうすべきですか?

緩和すべき 40% (2月:33%)
現状維持 29% (40%)
強化すべき 24% (21%)

今週、EUは対ロシア経済制裁の延長を決議しました。それは必ずしもドイツの民意とは一致していないようです。もともとドイツはロシアとの経済協力関係が密だったので、ロシアに経済制裁を与えれば自分で自分の首を絞めることにもなるので、消極的にならざるを得ないのですが、アメリカとイギリスの意向が強く反映された結果が対ロシア経済制裁延長となりました。

 

政党・政治家評価

CDUとCSUは重要な政治問題で…?:

意見が一致している 21%
袂を分かっている 67%

両党の関係は今後?:

改善する 14%
悪化する 17%
変化なし 59% 

 

政治家重要度ランキング(スケールは+5から-5まで)

  1. ヴィルフリート・クレッチュマン(バーデン・ヴュルッテンベルク州首相、緑の党)、2.2 (前回比-0.2)
  2. フランク・ヴァルター・シュタインマイアー(外相)、2.2(+0.2)
  3. ヴォルフガング・ショイブレ(内相)、1.9(+0.2)
  4. アンゲラ・メルケル(首相)、1.3(-0.2)
  5. グレゴル・ギジー(左翼政党)、0.9(-0.2)
  6. トーマス・ドメジエール(内相)、0.7(変化なし)
  7. ジーグマー・ガブリエル(経済・エネルギー相)、0.7(+0.2)
  8. ウルズラ・フォン・デア・ライエン(防衛相)、0.6(変化なし)
  9. アンドレア・ナーレス(労働相)、0.4(変化なし)
  10. ホルスト・ゼーホーファー(CSU党首・バイエルン州首相)、0.3(変化なし)

 

 

連邦議会選挙

もし次の日曜日が議会選挙ならどの政党を選びますか?:

CDU/CSU(キリスト教民主同盟・キリスト教社会主義同盟) 34%(+1)
SPD(ドイツ社会民主党)  22% (+1)
Linke(左翼政党) 9%(変化なし)
Grüne(緑の党) 12%(-1)

FDP (自由民主党) 6%(変化なし)
AfD(ドイツのための選択肢) 12%(-1) 
その他 5% (変化なし)


1998年10月以降の連邦議会選挙での投票先推移:

 

政権に対する満足度(スケールは+5から-5まで): 0.8(変化なし)


この世論調査はマンハイム研究グループ「ヴァーレン(選挙)」によって行われました。インタヴューは偶然に選ばれた有権者1.224人に対して2016年6月20日から6月23日に電話で実施されました。

次の世論調査は2016年7月8日ZDFで発表されます。

 

参照記事:ZDFホイテ、2016.06.24、「ポリートバロメーター