徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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ドイツ:2015年度憲法擁護庁白書 — 過激派犯罪急増

2016年06月28日 | 社会

世間ではイギリスのEU離脱の話題でもちきりです。日本語メディアでもかなり取り上げられているので、私なんぞが出張って私見を述べるまでもないと思いますので、地味ですがドイツで本日発表された2015年度憲法擁護庁白書について書きたいと思います。

憲法擁護庁白書は自由民主主義的原則にとっての脅威について報告するもので、政治的過激派、テロリズムあるいはスパイ行為による危険を明確にします。2015年度白書の概要(Kurzfassung des Berichts)は内務省サイトからダウンロードできます。

英語版(34p)    ドイツ語版(38p)

オリジナル白書(317p)

ドイツ連邦刑事庁は2015年、38,981件の政治的動機による犯罪を確認しました。これは前年比19.2%増加です。うち民衆扇動罪は13,687件(35.1%)。2014年の12,543件(38.4%)に比べて絶対数は増えているものの、政治的動機犯罪全体に占める割合は減少しています。それに対して暴力行為の割合が明らかに増えています。どの方向性であれ、過激派シーンは人気が高まっており、暴力犯罪も激化しているとのことです。

「…外国人排斥的な扇動が我々の社会の中心に到達するのが心配される。憲法擁護庁は警戒を強め、連邦および州の公安機関との協力を密にしている。」とドメジエール内相。

 

 

右翼の犯罪

右翼過激派をバックグラウンドとする犯罪は21,933件(2014年:16.599件)で、うち暴力行為は1,408件に上り、2014年度から42.2%増加しています。外国人排斥的な暴力行為は918件(2014年:512件)で、「政治的動機犯罪」の定義を2001年に導入以来の最高記録となりました。

左翼に対する暴力犯罪は252件で、前年比82%増。それ以外の政敵に対する暴力犯罪は82件、36.7%増。

殺人未遂は8件ありました(2014年:1件)。

 

左翼の犯罪

左翼過激派をバックグラウンドとする犯罪は5,620件(2014年:4,424件)で、うち暴力犯罪は1,608件(2014年:995件)。左翼過激派による警察や公安局に対する暴力犯罪は1,032件に登り、前年比62%増加しました。また右翼などの政敵に対する暴力も883件で、前年の約2.3倍でした。

国あるいは国の象徴に対する暴力犯罪は572件(2014年:326件)でした。

殺人未遂は8件(2014年:7件)。

 

外国人による政治的動機犯罪

外国人過激派による犯罪は1,524件、うち暴力犯罪は235件でした。このカテゴリーでは前年比24.3%減少しましたが、暴力犯罪に限った減少率は9.3%に過ぎません。

殺人未遂は3件(2014年:6件)。

ドイツからシリアやイラクの戦闘地域に向かうイスラム原理主義者の数は減少しましたが、国内のサラフィー主義者は18.7%増加し、過去最高の危険人物数となりました。

「公安当局は引き続きシリア・イラクへの出国計画を徹底的に阻止する構えだ。現地で戦闘経験を積み、最悪の暴力行為を体験しかつ自らも行った人たちは、ベストケースで幻滅して、ワーストケースで非常に過激化してドイツまたはヨーロッパに帰還してくる。彼らが我々の社会に戻る道を探している場合は我々の支援を必要とする」とドメジエール内相。

 


ドイツ:難民の犯罪、右翼の犯罪


フランス横断旅行記(5)- 銀の海岸:アルカション

2016年06月28日 | 旅行

2012年7月4日夕方にちんたらドライブをしながら目的地のアルカション湾に到着しました。

泊ったのはHôtel Le Nauticという三ツ星ホテル。ツインルームに二人で一泊80ユーロプラス朝食1人当たり9ユーロ。アルカションのホテルの中では比較的お手頃なお値段です。

まずはちょっと港を見学。

    

 

翌日の7月5日はショッピングモールやマルシェのある商店街を回り、また豪華なヴィラなども見て回りました。街の地図にはヴィラ巡りができるように有名なヴィラがきちんと記載されています。

    

       

丘の上の展望台からの眺め。

   

バシリカ・ノートル・ダム。中には18世紀に設営されたちょっときんきらした感じの船乗りチャペル、シャペル・デ・マラン (Chapelle des Marins)があります。大火事で一度焼け落ちたそうで、現在のチャペルは1987年の再構。

   

街中を見た後は、少し遅い時間でしたが、テシュ鳥類公園(Parc Ornithologique du Teich)へ。イル・ドレロン島の野鳥公園よりも広く、水鳥の種類も豊富です。決まった巡回コースが大回りと小回りの二つあり、ポイントごとに観察小屋が設置されています。閉園まであまり時間がなかったので、私たちは小回りコースを行きましたが、十分楽しめました。

         

小回りコースとはいえ、優に1時間はかかったので、足が痛くなってしまいました😅 

ディナーはル・グリル(Le Grill)というレストランで、ちょっと豪華に前菜にカキ、メイン、デザートつき。ケーキにスプーンを刺して供するところが斬新。トリップアドヴァイザーで探したレストランだったので、珍しく店名も記録していました。通常はよほどでない限りどこの何というレストランで何を食べたなんてことは記録も記憶もしませんが…

  

 


翌日の7月6日はアルカションから南へ12㎞の所にあるピラ砂丘(Dune du Pilat)へ。この砂丘は3kmの長さに及び、高さは104mで、ヨーロッパ最大の砂丘です。放っておくと砂丘がどんどん街の方へ広がってしまうので、松を植林して現状維持しているそうです。

 

砂丘に上るには途中まで階段があるのですが、頂上部まで行くにはまさに砂の坂を上らなければならないので結構大変です。ふくらはぎのところまで砂に沈んでしまったり、予想外に砂に足を取られて転んだり、と苦労しました。

    

砂丘を散策した後は、10㎞ほど南へドライブしてビスカロス(Biscarosse)というところにある湖を覗いてみました。ウォータースポーツの盛んなところらしいのですが、まだ本格的なシーズンは始まっていなかったので、人影もまばらでした。

   

ディナーはまたしてもトリップアドヴァイザーで探し出したレストラン、ル・パヴィロン・ダルガン(Le Pavillon d'Arguin)で。前菜・メインディッシュ・デザートそれぞれ5-6種類の中から選べるセットメニューでした。メインディッシュとデザートの間にチーズが供されました。盛り付けからしてちょっと高級なフレンチですね。フランス大西洋岸旅行最後の夜でしたので、奮発しました(^^)

前菜

  

メイン

  

チーズ(Délice de frommages et sa douceur)

 

デザート

 

私はまたしてもカキを頂きました。アルカションで現在養殖されているカキは実は日本種なのだそうです。でも、日本から直接幼貝を輸入したわけではありません。19世紀にアルカションのカキが病気で殆ど全滅した時に日本と交渉したら断わられたそうで、カナダの商人を通じて日本のカキを仕入れて養殖を再開したのだとか。

カキはアルカションで食べて以降全然食べてません。ドイツではあまり簡単には手に入らないので…

 

翌7月7日、家路に着いたのですが、さすがに直線距離でもアルカションから1000㎞以上離れているので、一気にドイツに帰ることはできず、885㎞地点のシャロンゼン・シャンパーニュ(Châlons-en-Champagne)で一泊することに。

 

遅い時間だったのでよさげなレストランの選択肢もあまりなく、適当に選んだのがBrasserie de la Bourse。クレジットカード払いだったのでデータが残っていました。トリップアドヴァイザーにも載ってないレストランです。味はまあ普通でした。

 

簡単な食事をとった後、これまた簡易なホテル、Hôtel Le Montréalにチェックイン。モーテルに毛が生えたようなところなので、遅い時間で予約なしでも部屋が取れました。一泊50ユーロプラス観光税。

 

こうして2012年6月24日-7月7日までの2週間のフランス旅行を終えたのでした。帰宅すると、ベランダで育てていた食べごろだったはずのグーズベリーが跡形もなく消えていました。鳥たちに全部食べられてしまったようです(笑)

2012年は私たちにとって『フランスの年』でした。この2週間の横断旅行に行く前に既に2度フランスに行きました。ドイツ寄りのロレーヌ地方とアルザス地方です。その時のことはまた別の機会に…

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