このところちょっとお堅い本が続いてましたが、今日は新海誠著、『小説 君の名は。』(角川文庫)を読んでみました。山深い町の女子高生・三葉が夢で見た、東京の男子高校生・瀧。夢の中で二人は入れ替わっていたというストーリーで、何が二人を結びつけ、何が二人を隔てているのかが徐々に明らかになっていくなかなか面白い小説です。
映画からのノベライズで、「私」あるいは「俺」の一人称で一貫して語られているため、全体を俯瞰するような視点はありません。このため少々話が分かりにくいところもあり、注意していないと時間軸も見失ってしまいそうでした。
映像で見たらもっとドラマチックな感じがしたのかも知れませんが、小説的にはいまいちな感じがしました。一応映像と文字双方の特性を生かした別作品とのことですが、あんまり感動的でもなく、つまらないとは思いませんが、「平均点」という感じがしました。男女入れ替わりとか神秘的な要素とか設定は面白いと思いますけど。
感性とか波長が合わないのかも知れません。